4.動作のコツ(力源)
動き方のコツについて
コツの中でも力源について書きます。
動作を行う際の力源は
①筋力
②重力
③慣性
この3つがあります。
そして理学療法士がとにかく好物なのが①筋力
ですが、脳卒中の動作獲得で1番要らないのは①筋力なんです。これを捨てることで違う世界が見えてきます。
なぜかと言うと、動作が出来ない理由は非麻痺側にあるからです。脳卒中になると、麻痺した半身を抱えた非麻痺側が出現します。それによって非麻痺側を上手く使うことができなくなるからです。非麻痺側を上手く使う使うコツを教えることが、動作獲得の早道だからです。
非麻痺側は、廃用症候群にでもならない限り、ある程度必要な筋力は保たれています。
麻痺した半身にを持っていても、効率的な非麻痺側の使い方を教えることが大切になります。それは正常な動作を教えることではありません。正常な動作を教えると基本的には悪くなります。
そこで必要なのが②重力、③慣性を使った動作指導になります。
立ち上がりを例にします。
皆さん。脳卒中片麻痺になったと思って、椅子から体を前傾にして正中位を保持して片足で立ってみて下さい。
立てた方は正中位保持が出来てません(笑)
そう、正中位を保持したままでは片足のみでは立てないのです。
片足だと足部にしっかりと重心移動しないと立てないんですね。
今度は同側の手を座面に着いて立ち上がってみてください。
これだけで立ち上がりがスムーズになったのではないでしょう。
ここから更に立ちやすくするために②重力③慣性を強調して使います。
先ほどのように、同側の片手片足を使って立ち上がります。その際に、着いた手を見ることと、頭が手の位置を越すようにしてみて下さい。
そうすると臀部が座面から浮いてきます。座面から臀部が浮いて安定したら、正面を向きます。(正面を向いた際に手すりや机があると立位になった後に安定します)
頭部の重さ(重力)、上肢支持(支点)、臀部(作用点)と思ってもらえると、力の伝わりが分かると思います。
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