8.答える合わせ ④まずは立位になり歩かせる →ダメな理由

答え 効率的な体の使い方が可能か、臥位から歩行までの動作を評価する。評価するポイントは、重力と慣性を使った動き、姿勢反射がどの動作で出ているか、の2点です。

脳卒中片麻痺の患者を急性期から長下肢装具を使って立位になり、2人がかりで歩かせると言うようなリハがテレビで放送されることもありました。

中には効果がある人もいるかもしれませんが、効率の悪い歩行になったり、筋緊張を高める患者がほとんどです。

脳卒中片麻痺の患者は、回復の状況に応じて、その体が環境に適応する時間が必要なのです。

そこを評価する必要があります。

例えば、
臥位 →  寝てるだけで非麻痺の力が抜けない患者がいます。そういう患者はどういった姿勢が力が抜けるのかを見つけ、ポジショニングを行います。案外、エアマットが緊張を高める原因になっていることがあります。

座位 →  正中位はとにかく筋緊張が高まります。非麻痺上下肢へ荷重するようにして下さい。荷重する際は力を抜いて頭部の重さ(重力)のみで動くように教えます。

患者によっては寝返りや起き上がり動作の指示理解が上手くいかないこともあるので、立ち上がりや移乗から始めることもあります。

重症になればなるほど、指示理解が得られやすい動作を探す必要があります。でも、誰でも立位や歩行が回復を促すという考えは避けてください。

出来るなら、臥位や寝返りなどからアプローチして欲しいと思います。

ちなみに寝返りは寝返る動作というよりも。臥位で膝を立てた状態で力を抜いて左右にパタンと倒せることが大切です。非麻痺の力を入れることよりも、力が抜ける、適切な時に力を入れ、適切な時に力が抜けることができるほうが動作獲得の近道です。

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