見出し画像

12月6日 出勤してすぐのこと

 おじいさんに会って、朝からいい気分だ。

 ロッカーに荷物を置いて部屋を出ると、正面から人事部の女性が歩いてきた。

 「グッドモーニング!」

 ・・・どうやら今朝の彼女には、私が見えないらしい。
 目の前にいるので、視界に入っていることは間違いない。
 余程難しいことを考えているのだろう。
 表情も険しい。
 家か会社で嫌なことでもあったのかな?

 気を取り直して、私が働く部署の人たちがいる部屋へ行った。
 ピックアップに来るお客様の商品を振り分けて、袋詰めをしている時間だ。
 テイラーがいた。
 
 「グッドモーニング!」

 ・・・彼女にも私が見えないらしい。
 終日無表情な人だけれど、話しかければ話してくれる。
 たまーにニコッと笑うと、めっちゃかわいい。
 何かおもしろくないことがあったのかな?

 奥へ進むと、ニーナがいた。 
 
 「グッドモーニング!」
 
 ・・・ニーナは普段から感じが悪い。
 彼女から挨拶が返って来なくても驚かない。

 それでも3人続くと、こっちも元気がなくなるぞー。
 まったく・・・今日は満月なのか? 
 色々あるとは思うけど、

 「おはよう!」

 元気に声をかけて、相手の元気な声を聞いてるうちに、なんとなーく気分が良くなることもあるのになぁ。

 と思ったけれど、彼女たちは私よりもずーーーっと若い。
 悩んで、考えなきゃならないことがいっぱいあるのだろう。
 私も悩もうと思えば悩めるぞ。
 とはいえ、彼女たちの倍くらい生きてるので、怖い顔で悩んでも、解決につながらないことも知っている。
 年をとるのも悪くない。 

 気を取り直して仕事を始めた。
 商品を探してバックルームへ行くと、ニーナがいた。
 なんだか空気がどんよりしているので、別の商品を探すことにして、部屋を出た。
 30分ほどして、もう一度バックルームへ行くと、やっぱりニーナがいた。
 あきらめて、商品を探し始めると、ニーナのすぐ近くに、別の女の子がいた。

 「グッドモーニング!」

 ・・・まったく・・・どいつもこいつも・・・。
 今日は、こういう日なのだろう。
 とはいえ、彼女たちから放たれる空気が苦しい。
 商品は探さなきゃいけないけれど、耐えられなくなって外に出た。

 ちょうどその時、マネージャーのステファニーから、チーム全員にあてたテキストが届いた。

 「今日は注文が少ないから、ピックアップ(商品を見つける仕事)をやめて、パッキングをしてくれる人はウェルカムよ!」

 「やりまーす!」

 誰よりも早く返事をした。
 どうやら今日は、袋詰めをしている方が楽しそうだ♬

*パッキングよりピッキングの仕事を選んだ理由が書いてあるよ。
 ⇩


 

最後まで読んでくださってありがとうございます!頂いたサポートは、社会に還元する形で使わせていただきたいと思いまーす!