毎週ショートショートnote「戦国時代の自動操縦」
「戦国時代に自動操縦ができればどんな風だったろうか。」
嗄れた声で友人が僕にそう言った。
「なにそれ?」
友人の突然の妙な例え話しに僕は戸惑いながらもそう聞き返す。
「おおよそ、500年前の戦国時代において、自動操縦なんてものは存在しない。分かりきったことだろう?」
僕は再度困惑した顔を浮かべて、とりあえず頷いた。
「もし、その時代に自動操縦が開発されていれば、人は自分の手で刀や銃を握らなくて済んだんだよ。」
そう語り出した友人の目線の先は、電車に揺られる人々にある。
僕と友