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3ヶ国語話者だけど、実はもっと分けてるよって話

はじめに

日英韓を3つを私はそこそこ話せるわけだが(中国語が書けないのが悲しい)、実は3ヶ国語以上に使い分けまで含めたらかなり多い。男女・母国語話者向け・外国語として学んだ人向けでかなり使い分けている。これを留学先で話したところ興味深いと言われたため、書いてみようと思う。

日本語編

日本語はhigh context of high contextなcultureに分類される。韓国語と比較しても間違いなくそうだと思う。外国人としての私が友人関係で最も苦労したのが、「行間を読むこと」だった。

母国語話者兼男性向け

※ここから書くことはもちろん人によりますがあくまであえて一般化して書いていることを念頭に置いていただけますと幸いです。

個人的に比較してみるに、男性は女性に比べて間接的な言い回しで伝わりにくいことが多い。昨今よく目にする夫婦間で大きな子供がもう一人いるように女性が接するというのが典型的な例だろう。加えて、いわゆる男言葉は女性のよく使う言葉(機嫌が悪い時は除く)に比べてストレートできつい印象を持つことが多い。例えば、ケーキ食べにいったら、女性は「これ美味しいね」「え〜可愛い」と言ってもなんら不自然ではないが男性が言うと少し変だろう。「うまくね」がきっと合うであろう。だから、私が男性と話す時はよりストレートな表現を多用し、女性同士で話す時より話すスピードをあげ、説明量を増やして話している。

母国語話者兼女性向け

女性向けで男性と話す時の要領で話すと、泣かれたこともあり、かなり婉曲的な表現だけで話すようになった。それに女性同士で話す時の空気感はかなり独特だ。かなり仲良くなると男性と話す時のようにすごい速度で話す人もいるが、基本的にゆっくりしており、間を大事にする。
例えば、
「このカフェかわいいね〜」
「ほんとだね〜」
(小休止)
「ところでさ〜」
こんな感じ。男友達が多いタイプは少し違うこともあるが。間があるタイプはかなり多いように思う。だから、私が女性と話す時はかなり言葉選択に気を遣い(育ち悪いって思われるから)、あえて頭をゆっくりにし、間を増やして話している。

外国語として日本語を学んだ人向け

母国語話者と話す時との一番大きな違いは、説明量を増やして話すことだ。外国人として日本に住んだ自分の経験上、日本人同士のあの行間は本当に読むの難しい。日本人同士でも「こういう意味?」と確認することがあるように、あれを読むのは半分想像力の問題だったりする。

加えて、単語も綺麗なものだけ使う。いわゆるスラング的なものや愚痴る時に使う単語を使うとものすごくキツく聞こえてしまい、驚かれる。これは日本は綺麗な国という素晴らしい日本政府のマーケティングのおかげで、外国人という人々の持つレンズを通してみた日本人のイメージが少なからず影響しているように思う。だから、私が母親に対して友人に使うように言葉を喋ると「なんてこと言うの!」と怒られた。困ったものである。

英語編

英語は日本語と真逆と言っても過言ではないlow context cultureに裏打ちされている。皮肉じゃないですよ、英国さん。実際、英語を話すたび思うのは「文章なっげ〜」ということだ。どこまで説明すんねん!と日本人としては突っ込みたくなることさえある。英語を話す時は自分が考える以上に詳しく、手取り足取り説明するようにしている。

日本人同士で英語で話す時でも省略を繰り返してしまうと会話が成立しない。例えば、以下の日本語を直してみる。()が心の中の文で、「」が実際にいう文章です。

(これ無料でもらったんだけど、捨てるのもったいないし、誰かにあげようかな??)
「これもらったけど、捨てるのもったいないから誰か欲しい人いれば」

「I got this from that shop and I don't like wasting and I would appreciate if you can use it. If anyone wants it, please text me.」

なっが〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い

まあ母国語として英語を話す人たちが見たらもっと省略できるわ!と思うかもしれないが、円滑に会話進めるにはこれくらい言っておかないと誤解が生まれることは実際よくある。

加えて、日本語にもあるにはあるが、英語には「〜してくれたら嬉しい」などのポジティブ変換的な表現が多用される。あとは能動態が圧倒的に多い。日本語は受動態をよく使うが、言語でここまで多用するのは珍しい気がする。(日本人としての感想)

韓国語編

日本語と似ていると言われがちだが、実際は全然違う韓国語。特に違うのは漢字語のニュアンスと外来語だ。日本でも韓国でも漢字語を多用するが、使う場面が違う。

例えば
「今週試験結果返ってくるじゃん、まじ生殺しだって」
△「이번 주에 시험 결과가 나오잖아, 진짜 반죽임」
⚪︎「이번 주에 시험 결과가 나오잖아, 진짜 긴장해서 죽을 것 같다」
※生殺しだと完全に意味が成立しないので、半殺しの漢字が반죽임を使いました
最後の韓国語を訳すと、
「今週試験結果返ってくるじゃん、本当緊張で死にそう」

最後の文章も日本語でも言いますよね。ただ、上の文章を言うとえ!?どうしたの!?と驚かれるかもしれない感じ。そんな違い。伝わるかな?(きちんと韓国語ネイティブの方、もしもっといい表現があれば教えてください)

そして、外来語はなぜか韓国では漢字語とそのまま英語が混ざって使われることが多い。例えば、ハーフは혼혈(混血)といい、ハーフでも通じるけど…という感じ。

さいごに

3ヶ国語書いてみたわけだが、これを頭に入れてしゃべっているわけなので、かなり疲れるのが本音だ。しかし、この話をした時、アメリカの子にはcoolと言ってもらい、日本人の子にはそれはきついよねと言ってもらった。答えにも文化の違いがあるのだなと思った今日この頃だった。

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