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つきまといの恐怖体験と一番恐れた相手の行動

20代の頃につきまとわれた経験がある。

通勤電車で執拗にガン見された(まさに穴が開くほど)。
そこそこに二枚目な若い男性だったので「あら?💗」ってはじめはちょっとうれしはずかしな気分だったのだけど、目があっても全く視線を逸らさないのでちょっと怖くなった。
毎日ガン見するので人混みに紛れて途中駅で降り、車両を変えてみたのだけれど、気が付くと真横でガン見。
満員電車の中、どうやって移動してきたの?!ってくらい、いつも近くにいて怖かった。
瞬間移動の使い手か?!

話しかけられることもなく、触れられることもないから拒絶もできない。
(ひょっとしたら私の勘違いだったりするかもしれないし・・・)
ひたすら時間を変える、車両を変えるで対処。
それでも、気が付くと真後ろにいたり・・・。

最終的に私は住居を変えて、使用する路線を変えた。

もう一つは、アルバイトで入った中古住宅販売の不動産会社で。
営業アシスタントとして、40代妻子持ち営業マンと行動を共にした。
ほぼ毎日2人で一緒に外回り。
20代の小娘に住宅ローンの仕組みなども教えてくれ話も上手。
優しくスマートな人で、外回りのついでによく昼メシをご馳走してくれた。

ある時「急ぎの案件だからどうしても!」と夕方に連れ出され行った先は隠れ家的な高級レストランのような場所だった。
さすがに・・・ちょっとまずいよな。一体いくらするのここのお食事は?
何か悪さをするわけではないし、ただ美味しいご飯をご馳走してくれただけだけど、下心があるようにも思えるし私の方もそうだと思われてもイヤだなと思った。

どうしていいかわからなくて。
「体調が悪いので休みます」と休み、そのまま適当に嘘を重ねバイトを辞めた。

辞めてから一週間くらいたったある日。
自宅ポストに「営業先の○○さんの家のお子さんが、お姉さんにと手紙をくれました」と消印無しの手紙が入っていた。
自宅特定されたのだ・・・(まあ、履歴書見ればわかるだろうけど普通は来ないよね)

その後も、アパートの窓越しに見える通りにその営業マンがウロウロとしているのを数回見かけた。

もうね、怖くて外出られないからね!

最終的にはここも引越した。

今のように、メールも無いしSNSなんて存在しない時代だったので姿を消すことは容易く(か、わからないけど)できた。


時はすすみ・・・
私は30代で子ども二人を連れて離婚をしたのだけれど、元旦那さんとはそれ以来一度も会っていない。

離婚する時一番の心配だったのは、自分の稼ぎや生活のことよりも、元旦那さんにつきまとわれる事だった。

借金癖のある元旦那さん。
私が気付いた時はすでに自転車操業になっていたようだ。
当時の私は、生活を立て直すために貯金をはたき、自分の生命保険も解約してお金を作ったのに、それでも返済しきれない。
元旦那さんから借金の総額は聞けなかった。
たぶん、本人も把握できていなかったのだと思う。

元旦那さんの借金は「癖」なんだと思う。
自分の財布には指一本触れさせない(掃除をするのにテーブルの上から動かしただけで烈火のごとく怒られた)のに、私の財布からキャッシュカードを抜き取り使用することは気にならないようで。
気が付いた時には私の口座はマイナス残高になっていた。

自分のものは自分の物、人のものも自分の物。
そんな元旦那さんなので、離婚後にズルズルと縁が続いて私の実家が巻き込まれたり、子供たちの将来が巻き込まれたりしたらどうしようかと不安だった。

実際「借金のために妻も子供もいた方がいい」という信じられない言葉を吐いた。


それが。
実にあっさりと縁が切れた。
養育費や慰謝料を1円も支払わない。
代わりに、と言ってはおかしなものだけど、
子どもの親権を争う気も無いし、面会の約束も一切しない。

完全にご縁が切れたまま、早や20年が経とうとしている。
この20年、電話もメールも知らないし手紙も無い。

私は引越しを繰り返しているけれど、実家は変わらずあるので連絡の手段はあるはずなんだけど。


つきまとわれることに一番の恐怖を感じた相手は、実にさっぱりとしたものだ。
私は元旦那さんの恐怖に怯えて逃げ隠れしながら親子で生きていく必要もなく、正々堂々(笑)晴れてバツイチとして自分の力で生きれば良くなった。
おかげで子どもたちも誰に干渉されることなく育ったし、私も10も年下の彼と一緒に生活することが出来ているのだ。

時どき私の知人は「別れた旦那はどうしてるのか?子供に会いたいと言ってこないのか?」と聞いてくる。
一切ない。と返事をする私に「薄情なもんだな」と言われるが、私はものすごくありがたいことだと思っている。

元旦那さんからの干渉がないというのは彼からの一番のプレゼントだ。
子どもたちにはかわいそうではあるけれど、関わったら子どもから借金をしかねない。

そう、元旦那さんは自分のもの人のものも全部自分のものだもの。
(早口言葉みたいになった)

大人になった子どもたちが、彼のことを承知の上で自らの責任で探したいといったならそれを止めるつもりもないのだけど。
でも、リスキーだなあ・・・。


警官に教えていただいたことがあるのだけれど、つきまとい…いわゆるストーカーになるのは、見知らぬ人よりも身近な人の方が圧倒的に多いのだそう。元交際相手であったり、元ご夫婦であったりね。

なるほど、と思う。
近しい間柄であるからこそ、何かのはずみで厄介なことになるのだ。

SNSでつながることが当たり前となった今。
どうしてもトラブルは起こるとも聞いた。
若い人に限らず、イイご年齢の方々が、SNSを始めたばかりに大昔の良くない因縁のある人と再びつながってしまい、刃傷沙汰になることもあるのだと、その警官は教えてくれた。

臆病な私は、プロフィールを開示したSNSはやらない。
昔の友達とつながりを持ちたいと思うことはあるのだけれど、やっぱり悪縁と再び遭遇することを心のどこかで恐れているからかもしれない。


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