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最先端AI技術が集う世界最大級テックカンファレンス。AI × 視覚障害者の移動支援から自動運転、法務まで【VIVATECH2024レポート vol.2】

こんにちは、株式会社天地人広報担当の蓙谷(ござたに)です! 衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXAベンチャーの天地人は、この度JETROさまに選出いただき、パリで開催された世界最大級のテックイベント「VIVA TECHNOLOGY 2024」での出展の機会をいただきました。

世界中から15万人以上も来場者が訪れる巨大カンファレンスであるVIVATECH。フランス政府からのバックアップも大きな、国をあげた肝入りのイベントです。世界中から、どんなにワクワクするようなテクノロジーが集結するのでしょうか? 現地での発見を、テーマごとにまとめています🇫🇷

今回のテーマは、今年のVIVATECHが注力するテーマであるAI。会場ではどこもかしこもAI関連の展示が目白押しでした。天地人にとっても、AIアルゴリズムはプロダクトのコアのひとつで、かなり注力している技術です。ということで、日本のエンジニアメンバーにも世界最先端の技術をしっかり伝える気持ちでレポートしていきたいと思います!

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AI × 広角カメラで視覚障害者の移動に革命を。スイス発 AI搭載ナビゲーションデバイス

意気込んだはいいものの、AI関連のブースは膨大すぎて、何から回ればいいか検討をつけるのにもひと苦労。そこで、天地人ブースの近くでお声掛けさせてもらったフランスのAI専門メディアに注目企業を聞いてみました。彼らから「スイスのbipedという企業が面白そうだったよ」との情報をゲットし、さっそくブースに向かいます。

案内図を見てみると、目玉と言わんばかりに会場中央に設けられた「AI AVENUE」という特集コーナーの中、先頭の一等地にbipedのブースがありました。注目度の高さが伺えます。

bipedが開発するのは、視覚障害者の移動を支援するAI搭載のナビゲーションデバイス。このデバイスは、肩に装着するハーネス型で、広角カメラとAIを使用して周囲の障害物を検出し、音声フィードバックを提供します。

©︎biped https://biped.ai/

創業者であるMaël Fabienが開発に着手したのは2020年。視覚障害者が白杖を使いながらビデオ通話をし、家族の助けを借りなければ障害物を避けられない姿を見たことがきっかけで、この困難な状況を打破するデバイスを作りたいと考えたのだそうです。bipedの潜在ユーザーは世界中の視覚障害者および高齢者であり、その数は約5億2000万人に上ります。

VIVATECHはダイバーシティをコミットメントに掲げ、テクノロジーが社会の多様性と包括性を促進する役割を果たすことを目指しています。bipedはまさにこのコミットメントを体現する技術であり、なおかつプロダクトの見せ方やデザインも非常に洗練されており、多くの人が惹きつけられていました。今後もVIVATECHだけでなく、様々なメディアで注目が高まっていきそうな勢いを感じました。

ベルリン発「遠隔運転」のパイオニア。欧州で公道無人運転を実現し、ラスベガスでは商業運転サービスも開始

続いてご紹介するのは、ベルリン発の遠隔運転技術を開発するスタートアップ「VAY」。車両に装着されたカメラやセンサーからのリアルタイムデータを元に、ホイールやペダルなどのコントロール装置を備えたテレドライブステーションから車を遠隔運転する技術を開発しています。


VIVATECHでは、パートナーシップを結ぶプジョーのブースで、遠隔運転の擬似体験ができる「テレステーション」が展示されていました。

VAYのAI技術は、車両に搭載されたカメラやセンサーから得た大量のデータをリアルタイムで処理し、適切な運転判断を下すためのもの。道路状況や交通信号、その他の環境要因を認識し、それに応じて車両を操作する能力を持っています。

「テレステーション」のイメージ画像 ©️Vay https://vay.io/press-release/vay-hires-its-first-local-teledriver-remote-driver-in-the-us/

VAYの遠隔運転技術によって、運転が難しい高齢者に対しても安全かつ便利な移動手段を提供することができます。日本でも問題意識が高まっている高齢者の免許返納問題の解決にも繋がるのではないでしょうか。また、人間のドライバーが車両に乗る必要がなくなるため、疲労や注意散漫による事故の減少も期待されます。

誰もが利用する車というデバイス。事故に遭うまではいかずとも、ヒヤリとした経験がある人は少なくないはずです。高齢家族の免許返納問題も、当事者意識を持つ人は多いように感じます。このような身近な課題感を、VAYのAI技術なら解決できるかもしれない。そんな未来への希望を感じられる展示でした。

法務専門家が高付加価値業務に集中できるように。日本発、契約レビューAI

最後にご紹介するのは、天地人と同じくJapanパビリオンに出展していた、契約レビューのAIソフトウェアを開発する「LegalOn」。経験豊富な弁護士の知識を学習した独自のAIモデルを活用することで、契約レビューの時間を最大85%削減できるとされています。既に1億3000万ドル以上の資金を調達しており、世界中で5000社以上の顧客にサービスを提供しているとのこと。

ブース対応をされていた社員さんも、ハーバードロースクールを卒業された法律のエキスパート。ご自身の経験も振り返りながら「膨大な勉強をして弁護士になっているのに、実際の作業は書類と睨めっこの時間があまりにも長すぎる。LegalOnのサービスを使って、貴重な時間を有効に使ってほしい」と語ってくれました。

実際に、ゴールドマンサックスやPwCなど、大手のコンサル企業における法務関連の大幅な人員削減がニュースになっているそう。専門家がより付加価値の高い作業に集中できる未来はすぐそこまで来ていますね。自分自身も、AIに出せない価値を提供するには何をすべきか、考えさせられるきっかけになりました。

ということで、膨大なAI関連のブースから、ほんの一部ですがご紹介しました。ワクワクする未来、希望を感じさせてくれる、素晴らしい技術ばかり。世界をより良い場所に変えようとする起業家たちのエネルギーには圧倒されますね。天地人も負けじと、自分たちの技術でどんな未来を叶えられるのか、もっと見せ方をブラッシュアップしていけたらと思います💪

さて、VIVATECHのレポートはまだまだ終わりません。次回の特集では、VIVATECHに集結した世界の最新宇宙技術をまとめます。ワクワクと感動は宇宙産業の十八番。一体どんなスタートアップが集まっているのでしょうか。しっかりチェックしてこようと思います!

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