見出し画像

博士号(Ph.D)とMBAを持つビジネスマン。事業開発 Adrien-Lemal\\てんちびとインタビューVol.6//

皆さんこんにちは! 天地人の学生インターンの鈴木です。今回はエンジニアインターンの石田尾さんの協力の下、英語で実施したインタビューを日本語に翻訳してお送りします。

天地人(てんちじん)は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。地球観測衛星の広域かつ高分解能なリモートセンシングデータ(気象情報・地形情報等)や農業分野の様々なデータを活用した、土地評価サービス「天地人コンパス」を提供しています。

今回は、てんちびとインタビューの第六弾として、天地人の事業開発・Adrien-Lemalさんにインタビューします! 月1回、天地人の社員を紹介しています。

Adrien-Lemal プロフィール
フランスのリル生まれで、現在はベルギーのブリュッセル在住。
幼い頃、航空機に魅了され、大学では空気力学を専攻する。
大学卒業後は、NASAやJAXAなどで、空気力学やデータ分析に携わる。
その後、天地人に入社し、事業開発メンバーとなる。
天地人では、事業開発のほかに、衛星データ購入の営業や交渉を担当し、データサイエンスをサポートしている。
打ち合わせでは、メモに紙とペンを使う派。
仕事前にはジムへ行き、仕事後はバスケットボールをする肉体派。
様々な野菜を使ったスープが好き。

事業開発・Adrien-Lemal

「aerodynamics(空気力学)」を専攻した学生時代

空気力学を勉強されていたとのことですが、なぜ空気力学を専攻したのですか?

私の空気力学に対する興味の入り口は、飛行機でした。飛行機はなぜ飛ぶのだろうというところから興味を持ったのを覚えています。調べるうちに、空気が関係していることはわかったのですが、空気は目に見えないので、飛行機のまわりの空気がどうなっているのかが気になって仕方がなかったんですよね。なので、物体の周りの空気の流れなどを勉強できる、空気力学を専攻することに決めました。

その後、飛行機に関係する職に就いたのですか?

私が学生のときは、宇宙関係の会社に入りたかったですね。専攻の空気力学を活かして、エンジニアとしてAriane Groupで働き始めました。例えば、飛行機の遮熱板の設計に携わりました。

転職を重ねた理由

Adrienさんは何回か転職をされたそうですね。

私が転職を繰り返していた理由は2つあります。まず、1つ目はスキルアップが目的ですね。これは、日本でも同じような気持ちで転職する人はいると思います。2つ目は、常に高い給与が欲しかったからですね。私の空気力学に対する専門性を活かして、エンジニアとして働きはじめて、それなりに良い給料はもらえていました。

転職する際に、給料が下がったことはなかったのですか?

基本的に、良い待遇の会社に転職し続けていたので、給料は上がっていました。ですが、空気力学のエンジニアを続けていても、「もっと刺激がほしいな」と感じることがあって。そのときに、Ph.D.(博士号)を取ることに決めたんですよ。

その「Ph.D.(博士号)を取る」という決断を振り返って、今どのように感じますか?

私は社会人として働いている中でPh.D.(博士号)を取ると決めたので、当初は、かなりリスクがある決断をしたと感じていました。実際に給料も下がりましたし。しかし、今は正解だったと自信を持って言うことができます。Ph.D.(博士号)をとったことで、夢だったNASAやJAXAで働くことができたので。

エンジニアから、事業開発への転身

今は事業開発をメインでお仕事をされているそうですが、そのきっかけを教えて下さい。

エンジニアとして働いているときはある意味「探求」しているようなイメージでした。ですが、今現在、人類が直面する気候変動や、食糧問題のほうが私にとって大きな問題だと感じたんですよね。私は、エンジニアサイドではなく、事業開発サイドで「探検」よりも「課題解決」に関する仕事をするほうが、楽しくて、やりがいがあると感じたからですね。

事業開発に転身する際、どうやって事業開発のことを勉強したのですか?

本で勉強しました。物事の核心を理解することが大事だと考えたからです。事業開発に携わると、様々な分野のお客さんのニーズに、的確に応える必要があるんですよね。
例えば、今、天地人で事業開発メンバーとして取り組んでいる、農業の課題解決に関しては、本で勉強した土壌の重要性についての知識が役に立っています。私が本で読んだ知識があったからこそ、ビジネスとしての可能性を考えることができました。他にも、様々な専門分野の友達とたくさん議論を交わしたり、ウェブセミナーなどで勉強しています。

そして、天地人へ

天地人の事業開発メンバーとフランスで。(左:上村さん・中央:浦部さん・右:Adrienさん)

天地人とはどういった出会いだったのでしょうか。

日本の会社を手伝っているときに、JETRO(日本貿易振興機構)で働く親友に紹介してもらったのがきっかけですね。その時は、転職しようと考えていたので、他の会社からもオファーがありましたが、天地人に入ることを決めました。

天地人に入った理由を教えて下さい。

最初、天地人のメンバーと会ったとき、みなさん社交的で、自由に発言しやすい開放的な雰囲気があるのが非常に良かったです。櫻庭さん(天地人代表)と話したときに、海外に進出したいという思いがあると聞いたことと、持続可能性に対する思いに共感したのも大きかったです。日本で、そのような目標がある社長はかなりレアだと思います。
もう一つ、マイクロマネジメントによって窮屈な思いをすることなく、ツールなどをうまく使いながら働けるので、いいワークライフバランスを取れると思ったからですね。給料も高いですし。

プロダクト面はどうでしたか?

非常にクオリティが高いと感じました。デザイン的な面はもちろんクールで、機械学習の精度の高さもレベルが高かったです。プロジェクトの守備範囲の広さにも驚きました。宇宙から農業までできる会社はそうそうないと思います。

天地人では、80%事業開発、20%データアナリスト

天地人ではどんなお仕事をされているのですか?

私の仕事は、事業開発がメインです。国際的な事業開発を行うために、浦部さん(事業開発マネージャー)のもとで、データを使いながら、課題解決に取り組んでいます。お客さんのニーズにも応えられるように、エンジニアチームと一緒になってデータ分析も行います。

天地人に入って、Adrienさんの中で、変わった部分はありましたか?

お客さんの会社のビジョンや、事業戦略を理解できるようになりましたね。エンジニアチームと一緒に働くことで、物事の優先順位の付け方は勉強になりました。特に、顧客向けの契約を行うか、入札に応募するかを決めたのですが、その時の判断基準が心に残っています。

天地人に入って、宇宙に対するイメージに変化はありましたか?

衛星データを知っている人が少ないことに驚きました。ですが、衛星データは、気候変動などの大きな問題を、いろんな方に理解してもらうのに役に立つと感じます。

昔の自分に言葉をかけるとしたら?

そうですね・・「ビジネスも早めに勉強するといい」ですね。私は、専攻分野を深堀りすることも大事だと思います。ですが、研究の分野は、視野が狭まってしまいがちです。そうすると、どうしても限界が生まれてしまうので、ビジネスも勉強しないと、チャンスが生まれないと感じるんですよね。全く違ったバックグラウンドを持つ人とも話すとよかったと思います。

最後に、一言をどうぞ。

「I am convinced that space tech and AI will make the world more resilient and sustainable.」
訳)宇宙産業やAIは、世界をもっと柔軟で持続可能にしてくれるものです。

以上、Adrienさんのインタビューでした。
これからも天地人のメンバーにインタビューしていくので、お楽しみに!

天地人では、衛星や地上の様々なデータとAIを活用して、課題解決に向けて情報分析、ソリューション提供を行っています。ご質問等ございましたら、info@tenchijin.co.jp までお気軽にお問い合わせください。

株式会社天地人では一緒に働く仲間を募集しています