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孔明「泣いて馬謖を斬る」

故事の由来

「泣いて馬謖を斬る」は、中国の三国時代、蜀の丞相・諸葛亮(しょかつりょう)が、北伐の際に軍令違反をした部下の馬謖(ばしょく)を処刑した故事から生まれたことわざです。

故事の内容

諸葛亮は、街亭の守備を馬謖に任せていました。しかし、馬謖は諸葛亮の指示を無視して山上に布陣したため、魏軍に包囲されてしまいます。馬謖は降伏を提案しますが、諸葛亮は軍法を厳正に執行するため、馬謖を斬首しました。

意味

「泣いて馬謖を斬る」は、私情を捨てて法や規律を守るために、たとえ愛する者であっても厳しく処分することのたとえです。

現代における使い方

現代では、企業における不正行為の処罰や、教育現場における校則違反の対応など、様々な場面でこのことわざが使われています。

例文
「将来を嘱望していた部下のミスがプロジェクトの遅延を招いたが、チームの和を乱さないように彼をかばっていた。しかし、同じ過ちを繰り返さないため、泣いて馬謖を斬る決断を下さざるを得なかった。」

注意点

「泣いて馬謖を斬る」は、単に冷酷な行為を意味するものではありません。
このことわざは、感情を抑えて厳しい決断を下すことの難しさを表しています。
私情と公務を区別し、規律を守るために苦渋の決断をすることこそが、真の意味であることを理解する必要があります。

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