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【2021年9月10日更新】米国小型株の有望銘柄の見つけ方

成長が期待できる米国市場の小型株へ投資したい、でも方法が分からない、そんな悩みを解決する方法を2500銘柄以上の最新データ付きで紹介します。今回は3年で2倍になる条件を満たす銘柄が3つとなりました。

小型株の魅力


時価総額が既に大きくなってしまっている企業の株価は、革新的に製品やサービスがあったとしても会社全体の株価に影響を与えることは少ないです。そのため、自社の画期的な商品やサービスが直接株価を伸ばすことになりやすい時価総額が大きすぎない小型株に的を絞るのも良い戦略だと考えています。具体的に言うと、小型株=30億ドル=約3000億円程度が目安となります。話は変わりますが、アメリカを代表するS&P500に選ばれる基準の中に時価総額があり、61億ドルが基準となっているようです。30億ドルの銘柄が2倍に成長すれば時価総額としてはS&P500が視野に入ります。もしS&P500の対象となれば、ETFや他のインデックス投資商品からの資金流入が期待できるので、更なる成長が期待できます。小型株のうちに探し出して、将来のS&P500入りを狙うというのも夢があるのではないでしょうか。

新規上場株(IPO)についてはこちらの記事でまとめています。

有望銘柄の見つけ方


1.株主資本の成長が著しい(四半期ROE 6%以上)
株主資本とは、大まかに言うと返す必要のないお金です。大きな構成要素は資本金と利益剰余金です。返す必要がないと言っても企業は調達した資金でビジネスをして利益を上げて、この株主資本を増やして企業価値を高めることが株主から求められています。ROEは当期純利益を株主資本で割った値ですが、仮に四半期ROEが6%でそれが3年続くと(年間ROEは約25%)、株主資本は3年後には2倍となります。株主資本の成長が株価とは直結しませんが、重要な指標です。ROEは負債が大きいと大きくなりやすいため、合わせて自己資本率(目安として40%あれば優良)も確認することが重要です。

2.EPSが2期連続で上昇している
EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、「1株当たりの利益」という意味です。EPSは、当期純利益を発行済株式総数で割って計算します。株を買うということは、会社の一部を買うことになるので、全体の利益よりも1株当たりの利益が重要です。EPSが単期だけでなく、少なくとも2期以上連続して目安としては6%以上(年間EPSは約25%)上昇していれば、急成長を遂げているシグナルの1つと考えることができます。単期のEPS増加だけでは季節的なものかもしれませんし、本業以外の利益が反映されているだけということも考えられるので、少なくとも2期連続で増加していることを重要視しています。

3.売上・営業利益の上昇を伴っている
EPSが急上昇していたとしても、それが一時的なものではないことを確認することが重要です。EPSには本業以外の利益も織り込まれてしまうので、本業が順調なのかを判断することは非常に大切だと考えています。一番簡単な確認方法は、売上・営業利益の上昇を伴っているかを調べることです。本業で利益が上がっていれば、売上・営業利益も上昇しているはずです。EPSの上昇と整合性が取れているかを確認しましょう。

2021年小型有望株発掘データ(2021年9月10日更新)


小型株が成長の可能性を秘めているのは分かるけど、数多くある銘柄の中から、株主資本・自己資本率・EPSの条件を満たす銘柄を見つけるのは至難の業です。無料のスクリーニングツールもありますが、4半期ごとでは比較できなかったり、自分なりの設定数値でスクリーニングすることはできないことがほとんどです。

そこで、米国市場で30億ドル以下の小型株(2500銘柄以上)のデータをまとめました。銘柄選定の助けになれば幸いです。今回は6月決算が多く更新されています。企業ごとに決算発表日違いますので、1か月ごとにデータ更新しています。次回は10月初旬更新予定です。

株主資本_損益計算書データとEPSデータの2つのエクセルファイルに分けて提供しています。自分なりの設定値やスクリーニング方法でデータ活用いただければ幸いです。

<データの使い方>

まずに、株主資本_損益計算書データで、ROEと自己資本率をチェックして、売上・営業利益の上昇を伴っているかをチェックします。下記4点を満たしている有望な銘柄はオレンジで網掛けしています。

・直近四半期でROE6%以上
・自己資本率40%以上
・前四半期と比べ営業利益増加6%以上
・前年同期比と比べて営業利益増加25%以上

次に、株主資本_損益計算書データで見つけた有望な銘柄について、EPSデータを使って、2四半期以上連続でEPSが増加している、かつ、前年同期比と比べてもEPSが増加しているかを調べます。2四半期以上連続でEPSが6%以上増加している、かつ、前年同期比と比べても25%以上増加している有望株は、オレンジで網掛けしています。

急成長している銘柄が見つかったら、ファンダメンタルズだけでは分からないどのようなビジネスをしているのか、今後期待できる市場なのかも合わせて調べましょう。

<データの内容>

株主資本_損益計算書データには、B列にシンボル(Ticker)が表示してあり、AF列までが損益計算書からのデータとなっています。AG列に前四半期からの売上変化率、AH列に前四半期からの営業利益変化率、AI列に営業利益の前年同期比を表示しています。AJ列の資産(貸借対照表の左側の値)、AK列の株主資本は貸借対照表からデータです。損益計算書と貸借対照表のデータを使って、AM列のROE, AO列の自己資本率を計算して表示しています。主要な項目だけ表示していますが、それ以外の項目は非表示にしています。各企業によって項目の書き方がそれぞれで統一できないため、似た項目名がありますが、英語の項目名はその企業の損益計算書データそのままです。ご了承ください。

EPSデータには、四半期ごとのEPSデータをまとめています。B列にシンボル(Ticker)、I列に前四半期からEPS変化率、前四半期から6%以上増加があるものにはJ列に1をたてています。K列に前年同期比のEPS変化率を表示しています。前年同期比から25%以上増加があるものにはL列に1をたてています。

株主資本_損益計算書データ(サンプル) ※サンプルデータがエクセルで閲覧できます。

EPSデータ(サンプル) ※サンプルデータがエクセルで閲覧できます。


今回の有望銘柄

株主資本・自己資本率・EPSの条件をすべて満たす銘柄が、今回は3銘柄という結果になりました。その中でも7期連続で売上高・営業利益ともに成長しており、直近の営業利益率が約30%という高利益体質の銘柄に出会ったので、分析してみました。

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