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【Day0】生まれ変わりのお知らせ【白血病】2022年12月16日の生存報告

 ついに今日という日がやってきた。造血幹細胞移植の日である。
 ここまでこれたのも、ひとえに病院の先生や看護師、助手の皆様、職場の皆様、慣れないレベルでこまめに連絡をくれる友人たち、そして妻や娘、家族の皆と、ドナーとなることを快諾してくれた従妹のおかげです。 
 今日の移植は無事に完了したけど、今回の入院はここからが本番、まずは生着を目指してひとつずつステップをこなしていく。

▶今日の基礎情報

・体 温:36.2℃ (38.0℃以上で血液培養等感染症チェック)
・体 重:68.8kg

▶治療メニュー

血球推移 まだ白血球 0.00 まで下がってないけど大丈夫かな?

・12月14日

 ①抗がん剤治療(フルダラ) ②歯科 ③中和抗体注射(エバシェルド)
→この日で移植前処置の化学療法も終了。この時点で下記の副作用等が出ていたのですでに食事ものどを通りにくく、このタイミングで初めて、病院食を下げてもらって、どん兵衛やウィダーなどを無理くりお腹に流し込むというような感じの食事になってきた。
 歯科は口内環境の確認とすっかり1年たってしまった親知らずの経過観察。ほかの歯が虫歯になっていることもなく問題なしとのこと。移植に係る治療で口内の乾燥、口内炎等ができやすいタイミングになってきたのでうがい薬に保湿効果のあるものを処方してもらうよう対応してくれた。

・12月15日

 治療なし
→移植前日は完全な休息日。この日1日で体調が回復すなんてこともなく1日の大半を寝て過ごしていた。昼食で焼きそばが出たが意外に食べられた。病院側にお願いしていこう昼食はうどんか焼きそばにしてもらえないか調整してもらうことになった。午後からは若干体調も回復してきたのか、この記事の大半を書くことができたうえ、短時間気分転換にゲームもできた。

・12月16日

 造血幹細胞移植
→昨日に引き続き体調は若干回復傾向。しかし食事は相変わらず少量しか取れないので点滴が栄養入りのものに変わった。実際あまり食べられない状態なのでその点を補助してもらえるのは助かる。

移植中の様子 先生に頼んだらピントあってない笑

 写真に写っているピンク色の液体がドナーから採取した造血幹細胞。採取の際に入った赤血球の影響でかき氷のストロベリーみたいな色合いになっているそう。
 「輸注中は磯の香りがする」と言われていたが、最初に感じただけですぐに慣れてしまった。この磯の香りは冷凍保存に利用する薬品がそんな匂いらしい。もしかすると、港町生まれなのでそんなに違和感のある匂いではなかったのかもしれない笑

 ちなみに今日着ているシャツも地元の先輩に頂いたもの。ピンボケでわかりにくいが『船頭町市』のオリジナルシャツ。

 昨年、寛解導入療法を終えて、退院した足でそのまま直行した回。この場でいろんな人と変わらないコミュニケーションを図れたことがとても嬉しかったことを覚えている。
 今度の入院からの退院頃にも町市が開催されるくらいの時期じゃないかなと思っているので、また足を運べるようしっかり入院中に体を整えていこう。

 そんなこんなで無事に移植完了。移植中にアレルギー反応は特になかったものの、のどのイガイガがあった。それも輸注が終わればすぐに落ち着いたので、移植を中止するようなことにはならずひと安心。
 移植を行った日をがんサバイバーの中では『セカンドバースデイ』と呼ぶそうなので、これからこの日は人生で何日かある特別な日になりました。あと10日遅かったら誕生日の倍数だったのに笑

▶抗がん剤による副作用等

・体調:倦怠感、乾燥、発熱、口内の渇き、下痢、粘膜障害
・痺れ:若干あり(生活に支障なし)
→今のところ出てきている副作用等の反応にはそれなりに対応できている。ここからは移植による反応も出てきて、飲み薬等が効きづらく波が去るまでは耐えるしかないものも出てくるだろうから、改めて気合を入れ直していこう。

▶雑記

病室からの景色 初めて山側の病室に入院したけど日が当たらない笑

 ついに移植の日を迎えることができた。
 中二病的な表現になってしまうが、できればこの治療はしたくはなかった。自分が診断された病状的には化学療法だけで治癒する人もいるようで、死亡リスクが確実に発生する移植を行う必要がある病気ではなかったからだ。
 闘病開始から約10か月ほどで地固め療法までを終えた段階でMRD測定は陰性。その結果を聞いた時には「あとは維持療法だけでこの病気を治すことができる」と気持ちがずいぶんと軽くなったことを覚えている。
 ところがその数か月後の検査ではMRD測定は陽性に転化。この時点では維持療法を行いつつ経過観察を行うことで先生とも話をしたが、正直最初に病名を告げられた時よりも心が沈んだ記憶がある。この1年間の治療は無駄だったのかと…
 幸運にもそこからの病状の変化は比較的緩やかで、気持ちを半ば強引に切り替え維持療法を開始すると同時に移植に向けての準備を行い、本日にたどり着くことができた。
 正直なところ、移植を行ったからと言って必ず病気が治癒するわけでもないということは知っている。SNS等でつながった方たちの中には再発を繰り返し複数回の移植を行い、それでも最悪の結果になってしまった人もいる。
 自分がどうなるのかはまだわからない。それは現時点では先生にもわからないことだろう。ただ、これで長期間の入院は最後にしたい。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました!