現役東大生が見抜く「読解力」の正体
みなさん、こんにちは!
東京大学文学部三年の布施川天馬です!
今日の話は、「読解力」についてです。
みなさんは、主に国語の問題を解いたときなどに、こう言われたことがありませんか?
「キミは読解力を身につけなきゃいけないね」と。
僕も何度も言われた記憶があります。
「読解力が必要」「読解力が足りてない」「『まずは』読解力をつけよう」……
じゃあ「読解力」ってなんだ!とか、「まずは」って言ってもそれが最終目標だよ!と怒りたくなりませんでしたか?
それはとても自然な感情です。
なぜなら、「読解力が必要」だけでは、何も中身がないのですから。
でも、「分からないからしょうがない」と放っておいたら、いつまで経っても文章が読めるようになりませんね。
今日はそのジレンマを解消できるように、少しだけお手伝いをします。
〜読解力とは?〜
まず、僕の考える読解力の定義は以下の通りです。
「内容を自分の言葉で言い換えられること」
もっと簡潔にいうなれば「要約できること」です。
要約と読解力に何の関係があるの?と思われると思うので、そこを説明します。
受験生時代の僕は「読解力」とは果たしてなんだろう?と思い悩んでいました。
よくわかっていないものの定義などできようはずもないので、毎日同じようなことを考えては堂々巡りに陥っていました。
ある時、発想の転換をしました。
「何が読解力なのか」が分からないなら、「読解力のある自分」を想像して、読解力の無い現在の自分と比較し、その差を「読解力」とすれば良いのではないか?ということです。
ある文章に対して「十分に読解力がある人」とはつまり「その文章を理解できる人」ということです。
これは当然ですよね。まだフワフワしています。
では「文章を理解できる」とはどういうことでしょうか?
私はこれを「その文章中で筆者が言っていることの意味を、自分の言葉で説明できる」と置き換えました。
これは大事なポイントです。
ここまでで、「読解力のある人」は「その文を自分の言葉で説明できる人」にまで具体的になりました。
では、読解力のない人はどうなのでしょうか?
その文章の言っている意味を自分の言葉で説明できるでしょうか?
恐らく無理ですよね。
なぜなら、そもそもなぜ読解力がないと言われているのかといえば、「その文章の言っていることを完全には理解できておらず、そのせいで問題が解けていないため」だからです。
ちなみに、いま私は「では、読解力のない人はどうなのでしょうか?」と、いきなりこれまでとは逆の立場から考え始めましたが、これは分からないことを理解するのに有効な手です。
「これが有効ならこうなるなら、これが無効ならどうなのだろう?」と逆から考えることで、想定できるパターンが増え、結果としてそれに対する理解度が深まります。
どうしても分からないことがあったら、一度力を抜いて、「逆から考える」を試してみてください。
さて、話を戻しましょう。
やっぱり、ある文章に対して「十分に読解力のある人」なら、「その文章を自分の言葉で説明できる」として良さそうです。
「自分の言葉で説明できる」というのは、「他の言葉で言い換えられる」ということですが、同じ長さで言い換えるのなら、誰でもできますよね。
「読解力がある」なら、やっぱり「元の文章よりも簡潔に、他の言葉で元の文章で言っていたことを言い換えられる」くらいのことはしてほしいものです。
というわけで「元の文章よりも簡潔に、他の言葉で元の文章で言っていたことを言い換えられる」ということが、「読解力」の正体であると考えました。
これってつまり、「要約できる」ってことですよね?
なので、私は「読解力がある人」のことを「要約がうまい人」と呼ぶのです。
〜では、要約をするには?〜
では、その要約をするにはどうするんだ!という問題がありますね。
それについて、少しだけコツを伝授して終わりにしたいと思います。
要約のコツは以下の3つです。
・メイントピックを読み取る
・話の終着点を見つける
・キーワードを見つける
どんな難しい話でも、メイントピックは分かると思います。
例えば、「環境問題」なのか、「人種問題」なのか、はたまた「日々感じたことを綴ってあるエッセイ」なのか……
まずはそこを特定します。
次に、話がどのように終わっているのかを確認します。
例えば、環境問題のテーマでよくありがちな結び方が、「これからはエコにやっていこう」的なものです。
人種問題なら「これからは多様化を求められる社会になるから、みんなも多様性を受け入れていこう」くらいでしょうか。
こんな感じで、ザックリとで良いので、話がどのように結ばれるかを確認します。
最後に、これが一番難しいのですが、文章中のキーワードを見つけます。
と言っても、あまり難しく考えすぎなくて良いです。
ここで言っている「キーワード」は、「何度も繰り返して筆者が言っていること」、すなわち「筆者が強調したいこと」を言っています。
これを見つければ良いのです。
ただし!筆者は何度も同じ言葉を繰り返して使ってくれません。
同じ意味で字面が違う言葉(同義語)に言い換えたり、それを文章にして説明したり、時には比喩を使ったりと隠れに隠れます。
これを見抜いてやる力こそが「読解力」の中心と言えるかもしれません。
何度もやっているうちに慣れていくと思うので、これに関しては諦めずに何度もトライしましょう!
〜まとめ〜
今日は「読解力」の正体が「要約力」であるというお話をしました。
僕の言った3つのコツを意識しながら、手近な文章で試してみてくださいね!
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