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【日常】【随筆】街の風景が変わったなー

私が幼い頃、日曜日というと 
母に連れられて母の実家に
遊びに行ってた。

当時、その家には、母の妹たちが4人、弟がひとりいて、とても賑やかで、子どもの私たち姉妹と遊んでくれる人は、誰かしらいて、楽しく過ごした。

行くまでの間は、街中まちなかを歩いて行く。 

個人商店街で、呉服屋、雑貨屋、米屋、金物屋、肉屋、八百屋、お菓子屋、洋服屋、惣菜屋など、色々並び、
店主と母は、ほぼ顔馴染みの人たちばかりだった。

中でも、ガラス戸が付いた大きなステンレス製の収納棚に、
せんべいがガサッと入れられた
量り売りのお菓子屋が、
私は大好きだった。

毎週、買ってもらえた訳では無いけど、好きなせんべいを量り売りして貰えるのが、すごく嬉しかった。
紙袋にザザーッとせんべいが入れられる音。
たまらなく好きだった。


そんな街の風景は、もう無い。
残っているのは薬局ぐらい。

家があった場所は、更地になり、
新しい家が続々と建てられ、
知り合いも、もういない。

それぞれ、結婚したり、
祖父母が亡くなったりして、
住む人がいなくなった母の実家は、取り壊され、
母の今は亡き弟と結婚した叔母が
息子と違う場所に暮らしている。

今日、街中を車で走ってみると
綺麗に整備された歩道を
歩く人はほとんど居ない。

寂しい思いの中で、ふと見ると
個人商店など知らない今の子供たちは、スーパーの前に置かれたガチャガチャに手を出して遊んでいた。  

笑いながらガチャを眺める 
子どもたちの今の姿が
彼らの思い出になるんだろうなー。


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