Dropboxストーリー

Dropbox のストーリー戦略を考えてみた

グロースハック事例で必ずあげられる Dropbox 。
いまでも続く成長のカギはどこにあるのか。
Dropbox の戦略を考えてみました。

ストーリー戦略考えてみた
サービスの特徴を UX 戦略と成長戦略で考察してみるシリーズ。サービスが成長するヒントを探ります。

参考

Dropbox とは

無料で使えるオンラインストレージサービス。
数年前にリブランディングを実施して、チームでのコラボレーションツールへの進化をはじめている。

規模
ユーザー数:5 億
課金数:1320万

リリース当初の戦略

よく言われるリファラル集客。友達を紹介するとお互いにストレージ容量が増える制度で爆発的に拡散が起きた。結果、Dropbox は本来必要だった販管費を開発リソースへと集中させることができた。

リファラル集客の仕組み
紹介制度は、原価がかかりづらいオンラインストレージの特性とフリーミアムという仕組みを最大限生かした戦略だった。また良いサービスを作り満足度が高ければさらに拡散が起きる、という好循環があった。

Dropbox のストーリー戦略

現在の Dropbox の戦略を考えてみる。
すべての戦略は「 コンテンツ起点のチームコラボレーション 」に向けてデザインされている。

Dropbox の UX 戦略

コンセプトがどのように体験に落とし込まれているか。
まずは、図解してみる。

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あらゆるコンテンツの集約
Dropbox には様々な拡張子をアップできる。
Dropbox Paper は inVision などデザインツールとも連携できる。

メモ
チームでコラボレートする上で管理できないファイルはサービス利用のボトルネックになる。そのため、Dropbox は対応コンテンツを拡張している。

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コラボレーションの拡張
ファイル上で様々なやりとりができる。コメントやスタンプなどコミュニケーションを促進する機能が増えた。

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ワークフローの実装
Paper で議事録、タスク管理、ガントチャートなどを作成できる。Paper があることで Dropbox がワークフローのハブ的な役割を担えるようになった。

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無料範囲の拡張
非ユーザーも利用できるプレビュー機能が追加された。登録不要なので、一見、登録数が伸びないようにも見える。しかし、Dropbox を支えるリファラル集客の継続には必要な戦略といえる。

Dropbox の成長戦略

今後、Dropbox はどのようにスケールするのか。
まずは、図解してみる。

新しい集客サイクル
かつてのリファラル集客とは全く異なるサイクルが発生している。ユーザーは自身のメリット(容量アップ)のために Dropbox を紹介するのではない。単純に仕事がスムーズに進むよう、Dropbox にあるコンテンツを共有するのだ。

つまり、コラボレーション体験の充実という内部施策に集中すれば、上手くいく仕組みになっている。Dropbox はリリース当初から販管費をかけず、開発にリソースを集中できる仕組みを作るのに長けている。

Dropbox の競合となるもの

チームでのコラボレーションツール を目指したとき、どこがライバルとなるのか。タスク × コンテンツ × コミュニケーションの 3 領域を抑える必要があって中々時間がかかりそう。NETFLIX vs HBO と似た構図になってる。

タスク先導
Asana、Wrike、Atlassian

コンテンツ先導
Dropbox

コミュニケーション先導
slack

おわりに

Dropbox の「チームでのコラボレーションツール」へ向けた戦略を考えてみました。

今回の学び
・過去の資産を上手く活用すべし
・リソースを集中できる仕組みを作るべし
・スケールしたいなら対象とする市場を拡大すべし

おわりのおわりに
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それでは、

最後まで読んでくださってありがとうございました!

おまけ:参考にしたもの

Dropbox の投資家向けプレゼン資料 - 今後の戦略
↑これめっちゃ面白いです。

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