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緊張をコントロールする方法!?|緊張を「フォーユー」で考える

こんにちは。ぐりです。

今回はKindleにて、

『いい緊張は能力を2倍にする 』

を読みました。

本著は、パフォーマンスを最大限発揮するために、緊張をコントロールする方法を身に付けるための術が書かれています。精神科医であり、作家でもある著者が、セロトニンやノルアドレナリンなどの緊張に関わるホルモンのコントロールの仕方まで紹介してくれています。


今回は緊張を異なった視点からみることで、克服する方法を考えていきます。


緊張は感情の一部

僕自身、緊張は「緊張感」といわれるように感情の内の1つだと考えています。そのため、前々回の記事の『行動と感情の関係について考える』を参考にすれば、

緊張は感情の内の1つなので、自分では完全にコントロールできない。そのため、ひとまず緊張を受け入れて、その瞬間瞬間に自分がすべきことは何かを考え、行動することが大事。

と言い換えることができます。この考え方を深く掘り下げていきます。

※過去の記事については以下のURLをチェック!


緊張する場面といえば、、、
プレゼンテーション、試験やテスト ・面接 、発表会 ・演奏会 、対人場面 、新しい仕事 、苦手なことを無理にさせられる場面、勝負事など...

これらを本著での言葉を用いてまとめると、「衆人監視されている重要な局面であり、自分をよく見せたいという気持ちが働いている場面。」といえます。


このように一言で表してみると、緊張は他者がいて初めて発生する感情ですが、極めて主観的な部分に意識が向いていることがわかりますね。


以上を抽象的にまとめると、緊張は他者が存在する外部環境において自然的に発生し、また自分自身では完全にコントロールできない感情だと考えられます。



経験が緊張を生む


緊張は他者のいる環境において自然発生し、完全にコントロールできないと述べましたが、過度な緊張は恐怖の感情を引き起こし、ひどいときは社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)などの病気になってしまいます。

緊張による恐怖について本著では以下のように述べられています。

「恐怖は 「後天的」なものである 。恐怖は 「学習 」によって生じる。」

つまり、緊張に伴う恐怖という感情は過去体験によって生まれるということです。もちろん、「恐怖」も感情の内の1つですから、完全にはコントロールできません。


このような緊張に伴う恐怖心を克服できないことについて、僕自身も小さい頃から悩んでいました。

僕はプレゼンなどの大多数を相手に発表をするときに、1番緊張や恐怖を感じます。

緊張・恐怖を感じるようになった事の発端は、小学1年生の時の特技発表会でした...

僕は特技で縄跳びの技のあや飛びをやろうと思っていました。しかし本番で上手くできず皆の前で失敗してしまいました。この経験がトラウマとなり、小学生の時は人の前に立って発表することが怖くてずっと泣いていました。発表の経験を重ねるうちに慣れてはきましたが、今でも発表の時には、顔が赤くなったり、汗をかいたり、頭が真っ白になったりと過度に緊張してしまうことには変わりありません。

このように、後天的な経験がトラウマとなって、プレゼンなど大勢の目の前で発表する場面では、過度に緊張するようになってしまったわけです。



フォーユー的な視点を持った行動を!


今まで僕のトラウマについてお話ししましたが、経験によって緊張や恐怖が生み出される一方で、経験によって緊張や恐怖を消し去ることも可能だと考えています。


緊張は他者が存在する環境において発生するものとしました。つまり、緊張に対する自分の行動についても他者との関係性が重要になってきます。本著の言葉を要約し補足すると、緊張を克服する方法は、自分の内に意識を向ける「フォーミー(for me)」ではなく、自分の外に意識を向ける「フォーユー(for you)」の視点を持って行動することだといえます。



僕自身、自分の行動によってフォーユー的な視点を持つことで緊張を和らげることができた経験があります。それは新しい人間環境に入るような「初めて」の場面です。

元々親の転勤で新しい環境に入る機会がよくあり、最初はとても緊張していました。転校生というのはクラスの中でアウェー的な存在ですが、積極的にコミュニケーションを取ることで友だちを増やし、すぐにホームと思えるようになりました。

つまり、フォーユー的な視点を持って仲間を作ることが、結果的に緊張しない外部環境を作り上げていきました。



本著では、新しい人間環境においての以下のように述べられています。

「情報不足は緊張を高める 。十分な情報は安心をもたらします 。前任者の引き継ぎは、当然行われると思いますが 、 「仕事内容 」だけではなく 、 「人間関係 」。特に職場での 「キーマン 」や 「扱いづらい人 」などの情報を事前に教えてもらうと、人間関係の構築をするのにとても楽になります。」

他者が存在する環境での情報不足は緊張の引き金となってしまうため、積極的なコミュニケーションを取ることで情報を収集することが大事だと言えます。またその行動が良好な人間関係の構築にも役立つというわけです。


結果的に相手を知れば知るほど、相手やそのまわりの環境に対して緊張することはなくなっていくという考え方は、過去の経験からも学びました。


フォーユー的な視点を持つための重要なアクションとは、相手の情報を得て相手を知ることだと言えます。

この必要な情報というのは、「Aさんは仕事ができる。」などの能力・スキルについてであったり、「Bさんは寿司が好き。」などの好み・趣味ついてなど様々です。

いずれにしても、「フォーユー」の情報の取得が、結果的に「初めて」の局面で緊張を軽減してくれる方法だということです。



プレゼンで緊張しない方法

フォーユー的な視点を持つことで、プレゼンの緊張も和らげることができるのではないでしょうか。 

僕はあの短い時間だからこそ、フォーユーの情報が大事だと考えます。

事前準備の段階では、聴衆のニーズや趣味趣向などを知っていると、聴衆が関心を持ちやすく、自分の主張が伝わりやすい効果的なプレゼンを構成することができます。聴衆の反応が想定できることは、緊張を和らげることができて良いと思います。


実際プレゼンをしている場面では、注意したいことがあります。

それは、自分が上手く話せているか心配にならないことです。本著では以下のように述べられています。

「あなたが最終的な達成すべき目的は何か ?その目的にのみフォーカスして 、余計なことは考えない 。緊張しやすい人のほとんどは 、最終目的とは直接関係のない不安や心配で余計に緊張を強めて 、最終目的を達成できなくなる 、という本末転倒の結果に陥っています 。」

冒頭で、その都度湧き上がる緊張という感情はひとまず置いといて、その瞬間瞬間に自分がすべきことは何かを考え、行動することが大事であると述べました。


プレゼンで自分がすべきこととは、言葉をつっかえずに上手に話すということではなく、理解・納得が得られるように自分の主張を伝えることです。


そのため、プレゼンをしている時に、意識を自分に向けることなく、相手に向ける。つまりは、フォーユー的な視点からプレゼンを進行していくことが大事になってきます。

具体的なアクションの例としては、プレゼンの最中にアイコンタクトをすることが挙げられます。アイコンタクトによって、聴衆に対してプレゼンの目的が達成されているか(自分の主張に理解が得られているのか、関心を持ってもらえているのかなど)を逐一確認できるでしょう。



このようにフォーミーではなく、フォーユーでのプレゼンをすることで、自分自身の意識も他者へ向き自然と緊張が薄れていくことにもつながっていきます。


まとめ

緊張は誰しもするものです。

緊張自体は完全にはコントロールできませんが、他者の関心を寄せた行動によって軽減することはできると考えています。

僕自身、プレゼンなどの緊張する場面では、緊張している自分を脇に置いといて、相手に意識を向ける行動をしようと思いました。

フォーミーではなく、フォーユーで何事もやってみると、緊張が薄れるかもしれません。日常生活のなかから、フォーユー的な視点を持って行動を心がけてみるのもありかもしれませんね。



【参考文献】


樺沢 紫苑(2018)『いい緊張は能力を2倍にする 』, 文響社


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