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社会貢献のハードルは、嫌われ者の "ファッション〇〇" で越えていく。


"アフリカの恵まれない子供達に愛の手を"


かれこれ30年以上前から目にしているこのメッセージは、残念ながら僕の行動に影響を与えなかった。

温暖化の事も海洋汚染の事も、貧困の事も知っていた。

だが僕はゴミ拾いのボランティアに参加した事もなかったし、エコバックに触れたことすらなかった。

道端での募金の要請にも応えたことは無い。

とても恥ずかしい事だがこれが事実だ。


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メディアの情報と原体験の限界


途上国の社会課題は先進国が解決に取り組む事も多いし、そもそも先進国の発展による代償だったりもする。

だが先進国にいる限り、これらを自分ごとと捉える事が非常に難しい

皮肉な事だ。

もちろんニュースやドキュメンタリーなどメディアからの情報や、自分の原体験により目覚め、課題解決に取り組む素晴らしい人々は大勢いる。

だが先進国では、一方的に受け取る情報では遠い世界の出来事のようで現実感が湧かず、当事者となる出来事に遭遇する確率も低いので、まだまだ無関心が大多数だろう。

では"メディアの情報""原体験"によって行動に影響が出ない、以前の僕のようなその他大勢の人々に残された道はあるのだろうか?

僕はそれが発信者になるという事だと思っている。


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鶏が先か卵が先か。 発信と自分ごと化の関係性。


"いやいや、既に意識が高いから発信してるんだろ"

と怒られそうだが、本当にそうだろうか?

もしかしたら、その人の最初の発信は友達や海外セレブの発信に影響を受けた何気ないものだったかもしれない。

何より、前述の通り"メディア"と"原体験"では多くの人は自分ごと化しない事は分かっている。

そこで発信と自分ごと化の関係性を逆転させて考えてみたらどうだろう。

つまり発信するから自分ごと化するという事だ。

そうすると、この発信に対するインセンティブを外的要因によってデザイン出来れば、人々の自分ごと化をサポートする事が出来る。

この話は、やる気と作業興奮の話と似ている。

"勉強のやる気がなかなか出ません"という受験生の相談に対する、"一問でもいいからとにかく解いてみなさい、そうしたらやる気が出るから"という回答だ。

やる気がある → 勉強を始める というバイアスを 勉強を始める → やる気が出る という無茶な壊し方をしているように見えるが、実際にこれは作業興奮という原理で科学的に実証済みらしい。

ただし、ここでこの受験生には"志望校に受かりたい"という、勉強をする事のインセンティブが既に存在する。

だが残念なことに社会課題に対する発信には、これが無い。

ここで重要になってくるのが、"COOLさ"であり、それを生み出す源泉となる"クリエイティブ"だと僕は思っている。

社会課題発信 = COOL という認識さえ生み出せれば、発信に対する十分なインセンティブとなる。


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最初はファッション〇〇でいい


そもそも社会課題に対して何かアクションを起こす事は、心理的なハードルが異常に高い。

エコバッグを使うなら、冷暖房も節約しないといけないとか、0か100で考えがちだ。

聖人か悪人。

ましてや発信などしようものなら、"意識高い系"などと揶揄されたり、"じゃあ割り箸も二度と使うなよ"などと言われるのでは無いかという、今後一切の過ちを許容されないのではないかという恐怖に襲われる。

事実、こういったメディアを作ったり、発信をしたりしている僕が今も抱えている"自分にそんな資格があるのだろうか"という葛藤がそれを証明している。

だがそういったメンタルブロックとも言える、高いハードルが人々の小さな一歩を阻害していると思えてならない。

もっとライトでいいのだ。

完璧でなくても、説得力が無くてもいい。

ファッション〇〇という言葉がよくネガティブな意味で使用される。

"ファッションオタク" や "ファッション起業家"など、形から入ったり、時流に乗って何らかの属性を持つ人を揶揄するような軽薄なイメージだ。

ただこの社会課題に関する取り組みに関しては、ファッションから始まっても良いのではないだろうか。

"COOLだから始める" とか "流行ってるから始める" など、ニワカを許容する所から始めないといつまで経っても、人々のメンタルブロックは解除されない。

"ファッションETHICHAL"というニワカ社会課題発信者で結構。

その中から未来の社会企業家が誕生すれば、世界は変わる。



社会課題発信 = COOL という認識を生み出す為に作っているメディアTELLERS。現在はオリジナルコンテンツのみだが、社会課題 x クリエイティブ 特化型のSNSにする方向性で考えている。次回はそのシステムについて紹介したい。









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