わたしの忖度 #結婚式に自由を
CRAZYの #結婚式に自由を というメッセージを見て、自分の結婚式について思い出したことがあるので、少し書きたいと思います。
僕は、2015年の5月16日に結婚式をあげました。
そして、写真の通り家族はとても仲良しです。
結婚式。それはそれは幸せな日でした。今まで大事にしてきた仲間が一堂に会して、ずっと笑顔で自分を見てくれるなんて日は人生でそうはないから。高砂から、「これが今までの自分の人生の縮図だ。宝物の山だな。」と思ったことを今でも覚えています。
僕は恵まれていたと思います。
そんな中でも、不自由を感じたことはあった。
わがままかもしれないけど、それくらい我慢しろって言われるかもしれないけど。
準備期間を含めて結婚式をあげると決めた日から、当日までは100%美しい日々でありかったのです。
ふたつだけ話をさせてください。
プランナーのひとはどんな気持ちでクロージングしてるんですか?
結婚式をあげるため、当時普段妻は京都、僕は東京にいたため、帰省しては式場に足を運んで自分たちにとって一生モノの大事な日を共に祝ってくれるパートナーを探していました。いろんな下見をした僕らは、最終的に京都と大阪の式場の2つに絞りました。理由はプランナーの方が気持ちに寄り添ってくれたから。
僕が東京に帰らないといけなくなり、妻は一人で大阪の式場に最終の調整に行きました。新幹線を待っていると妻から電話がかかってきました。なんだか少し泣きそうな声でした。理由を聞くと。
「今日決めたら更に割り引きます。今日決めなければ今までの割引もできない可能性があります。」
と、詰め寄られたそうで、妻は困惑していました。
当時僕は年収を200万円以上下げて転職したばかりでした。できるだけ費用は抑えたいけど、結婚式に関してはお金の話ばかりにならないようにお互い気をつけていました。現実はすごく大変だけど、楽しい時間は楽しい話をしていたかったから。
僕は電話を代わりました。笑顔で寄り添ってくださっていたプランナーさんの口調は、今までのそれとは違いました。何かに追われているような、少しイラついた感じの声で、「ここまで尽くしてやったんだから、そろそろ決めろや」というニュアンスを口調から感じてしまったのです。僕らはそこで式をするのを辞めました。そこで式をやっていたら、この思い出も結婚式とセットでずっとついてくると思ったから。
もう「100%美しい思い出」にはならないことがわかったから。
少し話がそれますが、そういえば、はじめての転職のとき、2社で迷って、1社オファー、もう1社は選考中のときに同じような経験をしました。
月末に毎日エージェントから電話がかかってきて、「そろそろオファーを承諾しないと心証が悪いですよ。」「意思決定遅いと思われますよ。ベンチャーにとっては意思決定の速さは重要視されます。」「もうひとつのところを受けてる間にオファーが無くなる可能性もあります。」と急かされた事がありました。
僕が未だにエージェントを基本的に信頼していないのは、その原体験があったからです。あなたたちにとっての通称「決める」ってやつは、候補者にとっての「決める(決断)」とは残念ながら重みがちがうんですよ。
人の人生にとってかけがえのない決断を自分の目標達成と天秤にかけるのは、やはりなにかちがうと思うんです。甘いですかね。どう思いますか?
本当は、あのひとに乾杯の挨拶をして欲しかった
もうひとつわがままをいわせてください。
※繰り返しになりますが、結婚式の日は最高でした。
…
結婚式には、当日のムービを取ってもらえるサービスがあって、そのムービーをたまに見返すのですが、必ずスキップするシーンがあります。
それは乾杯のシーン。
当時、僕は転職したてで、でもこれから新しく仲間になる方にも是非きて欲しいと思い、新しい会社の方もお誘いしました。お誘いした方々はほぼみんなきてくださりました。入社1ヶ月のやつのために、わざわざ東京から京都まで。本当に感謝しています。
結婚式には、主賓スピーチと乾杯スピーチというコンテンツがあるのですが、正直入社1ヶ月の人間についてのスピーチするのは申し訳ないなと思いつつ、頼んだのです。
主賓は社長に。社長は「寺口さんのことを教えてください」とわざわざランチに行って僕のことをたくさん聞いてくれました。
乾杯は、「一緒に会社を良くしましょう!」と僕のことを誘ってくれた今でも尊敬する方に頼もうと思いました。その方は恩人です。今はお互い別々の会社にいますが、これからもずっと背中を追っていく人だと思っています。でも、その方よりも年功序列的なやつで、結局、違う方に頼むことにしました。入社当初から組織の序列みたいなものを無視する勇気は僕にはなかったのです。
結果、代わりに頼んだ方は乾杯の挨拶をしてくださいました。その事自体は感謝しています。
ただ、いろいろあって、今の僕はどうしてもその方が許せないんです。
大人気ないということは自覚しています。でもどうしても許せないんです。
結婚式の思い出に浸ろうとムービーをつけようとしても、乾杯前になるとハラハラします。心が言うのです。
「一秒も見たくない」と。
いつかは許せる日が来るのかもしれません。
ただ、いまは思うのです。
「なぜ、あのとき自分が心からスピーチをして欲しい人にちゃんと頼まなかったのだろう」と
意思を持って行動して失敗したのなら、それは反省になります。
意思のない行動をしてしまったのなら、その失敗は後悔になります。
後悔するくらいなら、やったほうがいい。それ以来そう決めています。
些細なことかもしれない。でも、僕にとってはすごく大事なこと。
結婚式だけは、100%美しいものにしたかった。
もしかしたらここに書いてあることは、ただのわがままなのかもしれません。
でも、わがままいってもいいと思うんです。
結婚式の日は、2人が一番幸せであっていいと思うから。
その幸せの溢れたぶんを、今までお世話になったみんなにおすそ分けする場だと思うから。
きっと、過度にパッケージされた結婚式には、いろんな忖度のストーリーがあると思います。そのストーリーはいろんな人の心の中で眠っていると思います。なかったことになっていると思います。
「結婚式をしたいけど、人間関係がいろいろ面倒だからするのを辞めた」
「呼びたい人だけ呼びたいけど、そんなことできるのかな」
「会社の人と関係がよくないし、どうしよう」
いろんな不安の声があります。
結婚式をあげるべきとはいいません。
でも、僕はやってすごくよかったんですよ。
準備も含めて、2人で一緒につくるはじめての作品になったから。
2人の心が離れそうになったとき、その距離を戻してくれるものになったから。
だから、声を上げました。
これから結婚式をあげる人へ
まずは2人が、一番幸せになる選択をして欲しいと思います。
そしてその溢れんばかりの幸せを、ゲストに分けてあげてください。
2人が満たされてないと、おすそ分けはできないから。
#結婚式に自由を
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?