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「企業人事」という鎧。(人事の主語は、I ? We? それともThey?)


目の前の学生さんを採用 or 不採用という軸でしか見れないのは、異性をヤレる or ヤレないでしか見れないのと同じくらい、悲しくて、虚しいことだ。


先日、「生きもがいてくれ」というエントリを新社会人向けに書いた。

https://note.mu/telinekd/n/n23aec966980a

たくさんの方々から、いろんな嬉しい言葉をいただいた。
中でも嬉しかったのが、ある関西の学生さんから「東京に行くので会いたい」と言われたことだった。

今日、実際に彼がオフィスに来てくれた。

キャリアの相談や、彼が今立ち上げようとしているプロジェクトの相談はすごく面白かった。1時間30分、みっちり話をしたが、そこにはアドバイスもジャッジもアトラクトもひとつもない、「シボウドウキ」も「リネンキョウカン」も「ワタシノツヨミハ」もひとつもない。

ただただ、お互いの話を聞いては共感し、自分の思っていることをそのまま伝え、興味のあることを聞きあった。

そこには「対話」しかなかった。


またしても、やはり「クソ青臭いこと」を言ってみる。

学生さんは、自分(自社)のための捕獲対象ではなく、社会全体で共同投資すべき才能だと思う。

この、吐きそうなほどに青臭い言葉は、いよいよ絵空事ではなくなった。今はその素敵な世界に向けて、すこしずつ近づいている。

元々採用と就活は、「ウソvsウソ」の駆け引き要素が強かった。
相互理解のための対話の場だったはずが、いつしか一方的なジャッジの場になり、ウソがホンネに勝つようになったからだ。自分をさらけ出して否定されることを繰り返すのは本当に辛い。

学生さんは数ヶ月で数十人から「あなたは必要ない」と言われる。心のこもっていないテンプレで。
逆に、人事はずっと連絡が取れていた学生から、突然無視される。

人対人のコミュニケーションとして、これは普通なのか?異常だ。

「誠実にやればやるほど傷つくのなら、誠実にやらないほうが良いのでは?」経験のなかで、自己防衛的に両者が学習を重ねた最適解だ。


分散化の流れとコミュニティという希望

これから、HRは民主化していくだろう。

今では、横のつながりも広がり、コミュニティも生まれている。
そこでは、学生の取り合いではなく、仲間の薦め合いが実際にある。

他の会社のビジネスモデル、事業戦略、組織、カルチャーを相互に話せて、心から信頼できる人事仲間を紹介できたら、それは自分にとってもすごくいいことだと思う。必ず個人に信頼も貯蓄されるし、他社と比べた自社の魅力を初めて生きた言葉で語れるようになる。いいことしかない。

今も、パッケージ化された無機質な就活をアップデートしようとして、僕の仲間の人事と学生が行動を起こしている。

採用は、今後このように変わっていく。


法人 vs 個人  ⇒  個人 & 個人


個がどんどん立っていく。

自分主語で語れない人間の立場はどんどん厳しくなっていく。


まとめ

目の前の学生の方が、自分を信頼してくれて、取り繕わずに弱音やホンネを話してくれるときの幸せは、何物にも代えがたい。

何度でも言いたい。

目の前の学生さんを採用 or 不採用という軸でしか見れないのは、異性をヤレる or ヤレないでしか見れないのと同じくらい悲しくて、虚しいことだ。

僕は、これからも、目の前の才能と自分主語で対話を続けたい。

せっかく若い才能が、「最初にさらけだして対話する大人」のステージに立たせてもらってるのだから。エゴで罪は犯せない。

就活と採用をアップデートするんだ。


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