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読書記録『ユング心理学入門』

数年前から大学院の通信講座で、断続的に臨床心理学について学んでいます。しかし、心理学のベースがないまま大学院レベルの勉強を始めてしまったので、ユング心理学への理解は相当浅いままでした。

2023年6月発売の『ユング心理学入門』は、わたしにとって、ユング心理学に親しむ上でうってつけの入門書になりました。

著書の山根久美子さんは、スイスのユング研究所への留学経験をお持ちです。現地での講師や学生とのエピソードも内容が新しく興味深いものでした。また、「親ガチャ」、「風の時代」、「推し」など今時のキーワードや、世界的アイドルグループであるBTSを例にとって解説してくれるので、楽しく読み進めることができました。

ユング心理学(正式名称は「分析心理学」とのこと)について、特に印象に残った部分を引用します。

・自分らしく生きるー、そのためには、まず自分を知ることから始めなければならない。
・ユング心理学では、自分を知るために、意識と無意識のコミュニケーションを図る。それは、こころの中の意識の部分を増やしていくことで、いうなれば、そこにユング派の心理療法の核心がある。
・ユング心理学の本質は「分析」にあり、「分析」の主眼はこころを理解することで自分を理解し、安心することになると私は考えている。

(出典)山根久美子『ユング心理学入門』

ユング心理学と西洋占星術の関連性についても、知りたかったことが書かれていてニヤニヤしながら読みました。一部抜粋して引用します。

・ユングがシンクロニシティの観点から西洋占星術に関心を寄せていたこともあり、ユング心理学と西洋占星術の相性はよい。ユング派分析家で西洋占星術を行う人も、逆に西洋占星術士でユング派分析家になる人もいる。ユングの娘の一人も西洋占星術士だ。
・ユングは、「風の時代」よりさらに長いスパンの水瓶座の時代に注目していた。水瓶座の時代は、西洋占星術で用いられる円形の天体配置図であるホロスコープ上で、春分点が水瓶座にある期間のことである。

(出典)山根久美子『ユング心理学入門』

ユング心理学について、「もっと知りたい!、おもしろい!」と思わせてくれた本でした。何度も読み返してインスピレーションの源泉にしたい一冊です。

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