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なぜ人間だけがあくせく働かないとならないか

最近、ネコを引きよせるひざの魔力が蘇ったらしく、座っていても寝ていてもネコがよってくる。それでネコと一緒にぬくぬくしてると、いくらでも寝れるから困る。仕事にならない。ネコのように生きてればあくせく働く必要はないのであるが、なぜ人間だけがこんなに忙しく働かないと食っていけないんであろうか。

昔から人類が「忙しい、忙しい」と言ってたわけではないらしい。自分が読んだ話では、アフリカのある狩猟民族は半日くらい働いて獲物を得れば、後は二、三日歌い踊って暮らせる。彼らはみな歌と踊りの名手だったそうだ。

獲物を追って移動しないとならないから、狩猟民族は子どもを二人以上もたない。母親が小さい方を負ぶって、大きい方の手を引いてく。だから人口は均衡してる。人口増えすぎると獲物も取り過ぎで少なくなってしまうから、合理的な人口政策でもある。

農業の発見がこれを変えた。土地があるかぎりいくらでも子どもが持てる。働き手が増える分だけ生産物も増える。だから農業文明においては人口が爆発する。人も長生きになる。そして余剰の生産を用いて文化・文明が発達する。生きるのに必要以上のものが創られるようになる。そうして工業・商業も栄えるようになった。

だけど、その文明の行きついた先が、人間がこれだけあくせく働くのは食うためだけであると信じるぼくらである。子どもを二人もつのがちとばかり重荷になった人々である。年寄りにあまり長生きされては困る社会である。そして、これを矛盾とも何とも思ってない。ここにぼくらの知らないぼくら自身の闇がある。

こんなことを知られたらネコにだって笑われるくらい、自分たちのやってることがよくわかってない。ホモ・サピエンスの誇る知恵もなんだかたいしたことない。

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コーヒー一杯ごちそうしてくれれば、生きていく糧になりそうな話をしてくれる。そういう人間にわたしはなりたい。とくにコーヒー飲みたくなったときには。