日本縦断歩き旅《佐賀⇒熊本》6日目『雨、まだ晴れない空』熊本芦北⇒鹿児島出水
この日は最終日。
鹿児島の出水駅まで歩き、そこからバスで鹿児島空港へ。そして、飛行機で帰る。すでに帰りの飛行機は予約してあり20時発。逆算すると出水駅に16:38にバスチケット買った状態でいなければならない。
移動距離は３５ｋｍを予定。休憩なしで8時間以上かかる。
朝食は絶対、腹いっぱい食べたいので朝食バイキング開始時間に入場。
やはりここのAZホテルは美味しい。
スタッフに「大丈夫ですか？」と聞かれ、「美味しいですよ」と返答。
後になって「味が合うか」ではなく、手のギブスの事だったと気が付く。
7時出発のはずが、やはり遅れて8時近かった。
これで昼飯休憩はまともにとれない事が確定した。
外にでるとたまに、雨粒が顔に当たる。
予報は雨だが、もう飛行機もとってるし絶対、歩ききると決めていた。
梅雨の時期で、雨は覚悟していたが、よくぞいままで大雨が降らずにいてくれたとすら思った。
たまに雨が強くなり、風も強くなる。ギブスを付けた手も濡れてしまう。
綺麗な街道。
亀！？
ひたすら歩く。
すこし急ぎぎみで歩いているつもりでも、
時速4キロから5キロに変わるぐらいのスピードしか期待できない。
荷物があるせいか登山の時より加速できない。
長袖で包帯を隠していたが、
この日は撥水加工の生地を継ぎ足して手を守った。
不格好だがこの日の道はほとんど人がいないのでお構いなしだった。
手を守っていたが結局、この後で雨が強くなり濡れてしまう。
崖で子猫が逃げていった。
金の像
猫の死骸。
水俣を通る。
丁度この年、ジョニーデップの映画MINAMATAが公開された時だった。
すこし水俣を見る予定だったが飛行機に間に合わないので先を急ぐことにした。
ねこ。
長い下り坂。
だいぶ足が痛くなっていた。
薩摩街道をあるく。
車がいないので快適。
昔の人も同じように歩いていたのか、とか思い歩く。
だいぶ老朽化した歩道橋。
ついに鹿児島に入る。
この時はだいぶ辛かったが、とにかく時間が心配だった。
お腹は減っても休めない、ナッツをひたすら食べてごまかす。
雨具の服は蒸れて、中がべったり。
リュックは雨で重くなり、肩に食い込み痛い。
手のギブスは濡れて、中の指がかゆくなるが掻けない。
そして、とにかく足が痛い。
痛みをかばって、まともに歩けないがスピードが落ちると間に合わない。
変な早歩きのまま歩き続けた。
今回の旅では差し入れは少なかったが、
ゴール手前で食べ物の詰め合わせをいただいた。
お店も少ないし、立ち寄る余裕もなかったのですごく助かった。
なんでも、「すこし前に見かけて午後もまだ歩いていたから・・・。」と追いかけて渡しにきてくれたらしい。
あとで中身を開封したらこんなに食べ物が。
すぐに飲んでしまったがアクエリアスまでついていた。
こんなにたくさん貰ったのは初めて。
ありがたい。
人生も歩き旅も辛い時期だっただけに、
旅を続けるべきか迷っていた。
最後の最後で全てを応援してもらい背中を押してもらったような、
貴重な差し入れとなった。
ゴールの出水駅に着く。
軽く痛みでめまいがしていたが、
とにかくバスの待合所を探し確認する。
また再び歩き旅で来ることになる出水市。
まだ、この時は派遣会社からの連絡がなく、また来れるイメージが湧かなかった。
上の写真がバスの待ち合わせ場所ではないが、
バスの待機場所を見つけて待機。
先ほどいただいたパンを食べた。
すきっ腹に甘さが沁みた。
バス停をうろついている男性がどこか見覚えのある人だった。
指名手配のモンタージュで見覚えあるのではないか、とモヤモヤしていた。
後になって都市伝説のディスマンにそっくりだった事に気が付く。
バスでは乗客少なく長い峠道をゆられ鹿児島空港に着いた。
飛行機に乗り慣れてなくて、荷物のライターマッチを捨てる。
格安だったので飛行機内は狭くて疲れる。
特にお尻が痛かった。
羽田空港に着く時、夜景がとても綺麗だった。
骨折の回で書いたが、
家に帰るとまた辛い日が続いた。
だけど、やがて雨の後の虹のように、
このあとに祝福が待っていて。
次回の鹿児島旅に繋がります。
この日歩いた距離 35 ｋｍ
今回の旅 佐賀➡鹿児島
５日間（熊本観光を除く）の旅で歩いた合計距離 190 ｋｍ
日本縦断合計
北海道 900 ｋｍ ２６日間
青森➡秋田 397 ｋｍ １１日間
秋田➡新潟 266 ｋｍ ８日間
能登島一周 72 ｋｍ ２日間
新潟➡富山 255 ｋｍ ８日間
富山➡京都 628 ｋｍ １９日間
京都➡島根 338 ｋｍ １０日間
島根➡佐賀 783 ｋｍ ２３日間
佐賀➡鹿児島 190 ｋｍ ５日間
合計 3829 ｋｍ １１２日間
日本縦断旅で歩いた距離 3829 ｋｍ
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