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日本縦断歩き旅《富山➡能登半島➡京都編》14日目『ジェット機の爆音と最高の夕焼け』能美⇒(福井県入り)三国町

この日は、記憶の宝物得た充実した日となった。

今思えば、
前日に台風があったり、
ネガティブになったり、
物を無くしたり、
そうした流れがあってこそ、
美しさをより感じられたのだと思う。

5時ごろ目覚めるが、身体が金縛りのように動かない。
ベッドがフカフカすぎて、身体が溺れて動かない。

少しして、美味しいコーヒーを思い出して、
身体を奮い起こしてベッドから離れる。

少し汚い写真になってしまったが、
昨日の残りを食べ、美味しいコーヒーは水筒にも入れて楽しみを増やす。


荷造りなど準備を進める。
身体に軟膏塗ったり、絆創膏張ったり。
動きが悪くなっていたキャリーカートに、
前日買っていた潤滑油を吹き付けた。
車輪の転がりが良くなり安心。

身体は、いいベッドでよく休めたせいなのか、
鈍くなっていて、左の太もも、腰が悪くなっていて、
歩くとひきづってしまっていた。

出発。
能登島攻略を合わせると4日訪れた金沢ともお別れ。
結局あまり観光はしなかったが、
またいつか観光に来てみたい。

駅員に昨日のイヤーぽっずケースの落し物を届け出る。
別の路線で同じものが報告されているが、
それは流石に違う人の物だろう。

列車内で前日に、落下物の音がして、後ろの人が落としたのだろうと思った事を思い出す。あの時、落としていたんだ、きっと。

前日訪れた能美根上駅降りる。
念のため、昨日駆け込んだトイレ調べるも、落し物は見つからず・・・。

イヤーポッズは、
仕事ばかりして稼いでいる時に買ったが、
今、調べてみるとケースだけでも高級品で手が届かない。

ノイズキャンセリングが優秀で、
旅でもトンネル内の車の爆音などを軽減してくれて重宝していた。

前日、お金を心配していたのに、
さらに貴重品を失って、
何してんだ俺は。

まだ、台風の後を引きづっているのか、
下りた時は曇りだった。

朝、ホテルでは身体が引きつって歩きにくかったが、
歩き始めると治り、快調に歩けた。

曇りで風もあり、少し気温が低いが、
歩く分には快適。

台風の後だからか、冬のような”におい”がした。

白いヘルメットの通学生たちが、
次々と挨拶をくれた。
「おはよーございまーす!頑張ってくださーい!」
「おはよー!ありがとー!」と返す。

若い人と交流は私生活では無い。
若者と交流するだけで、
希望に触れたようなエネルギーを貰える。

ありがとう。

何度か飛行機の発着の爆音が鳴り響く。
曇り空に飛行機が溶けていく。

この辺では、
ボディの事をボデーと言うのだろうか。
それに、大型車をわざわざロングボデーと表現している節もある。

どうしても映画『冷たい熱帯魚』のセリフ「ボデーを透明にすんだよ」を思い出してしまう。

公園内の自転車道を見つける。
ありがたい!自転車様様!
車のいない道は快適。

旅をとおして、『マッチ』がこんなに美味しいとは思わなかった。
普段はすこし味が薄い炭酸飲料だと思っていたが。
歩き旅で汗をかくと”マッチ”がピカイチに美味しく感じる。

ゆったりとした散策の間、
色々アイデアをまとめてメモったりしていた。

魚を抱えた鷹が飛んできて、
俺に驚いたのか、魚をポーンと放ち、飛び去って行った。
目の前に落ちたので、捉えようによってはプレゼントにも思える。

だけど、魚は食べられないし、
困る。

ぴちぴち跳ねていて可哀そう。

サイクリングロードが終わり、海に出る。

海岸の公園

何度も聞こえていた飛行機の轟音。
どうやら民間機ではなく、
軍事用の機体のようだ。

この後にも何度も戦闘機を見つけ、
上空を轟音で飛び去っていった。

写真で撮ると遠く感じるが、
目の前でプラモデルが飛んでいるような、
身近さ、近さを感じた。

海鳥の群が目立つ。

何度か風にのった海鳥と並走して歩いた。
距離も近く、気持ちがよさそうに横を飛ぶ海鳥が美しかった。

曇り空も終わり、
秋空が広がる。

天が高い。

波はまだ強い。

海鳥以外にも、カラスがよく飛んでいたが、
東京で見るカラスと違い、
くちばしが細く、首も細いスマートなカラスだった。

飛行機の轟音が度々頭上を飛び交う。
遅れてくる音で飛行機を見つけるのが遅れる。

すっかり晴れた。
肌が焼ける。

また、ボデー。

この辺ではボデーなのだろうか。

いよいよ、長い長い石川の旅も終わり、
福井に入る。

ゴルフ場の道に入る。
提供会社?協賛会社?の看板連なる。

貧乏人には縁遠い雰囲気漂ってくる。

キレイな芝生。

金持ち会員以外は受け入れない雰囲気が漂い、
ばつが悪い。

ようやくゴルフ場の道が終わった。

海沿いへの道を見つけて歩く。

誰もいない通りにでて歓喜。
海も空も輝いていて、誰もいない。
道もキレイ。
最高!

台風の後だからか、
雲が神秘的で美しかった。
IMAX映画館の非じゃない、
視界全面の超高解像度!
数千万のスピーカーでも再現できない波の音。
飛行機の轟音。
海鳥の鳴き声。

全てが一級で、
数値化できない無限の表現力。
そして、切り取れない二度と味わえない膨大さ。

とても得難い瞬間をひとり独占している贅沢さ。

この日、来て良かった。

だれもいない道をゆったり歩きながら、
荷物からウイスキーを開けて、
ひとり乾杯して、
いい気分で歩いた。


青い所は、青い。
金色の雲に、紫色やピンク色の雲。
群青色の大地。

高い雲と低い雲。

水平線が燃えてきた。

赤い。夕日は雲の奥なのか見えない。

飛行機の轟音も通過する。

日が沈んだ。
空だけが明るく、大地が真っ暗になる。

もう少し進んだところで野営するつもりだったが、
暗くなってきたので諦め、海岸で野営する事に。

日が沈んでから風が強くなり、
なかなかテントが張れそうな、
風の弱い所が見つけられなかった。

何とか設営し、買っておいていたサンドイッチを食べて寝る。

寝ると空気枕がしぼんでいき、枕に穴が開いて壊れた事がわかった。
風邪は強くテントをバタバタと揺らしたが、
夜が深まると落ち着いた。


この日歩いた距離 41km

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