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多分あまり知られていない「マイティボンジャック」の本当の奥深さと面白さ【たぶん自分しか推してないゲーム】

今回は僕が好きな「マイティボンジャック」の話を。

ちょっと前に会社でレトロゲームの話になったときに、若い編集が「でもやっぱり昔のゲームって、今遊ぶとキツいのが多いですよね」みたいなことを言っていて。まあ実際大半のゲームがそうなんだけど、中には本当に「今遊んでも面白いゲーム」というのがちゃんとあるんですよ。

その1つが「マイティボンジャック」だと僕は思うわけです。

いきなり話は脱線しますが、「マイティボンジャック」といえば、「ゲームセンターCX」で知ったという人も多いんじゃないでしょうか。確かにあの回は初期のシリーズを代表する“神回”で、後に再編集して映画化されたことからもその人気の高さがうかがえます。確かDVD-BOX4に入ってるのかな。映画は見なくていいです。


ただ一つだけ残念だったのは、番組で有野がたどり着いたのはあくまで「ノーマルEND」なんですよね。番組では「ワープ」の裏技(※)を軸に、無限増殖あり、助っ人ありの「なんでもあり」ルールで強引にクリアしていて、それはそれで流れとしては面白かったんだけど、僕はやっぱり、あのゲームは「真ENDを目指してこそ」だと思うわけです。

※ワープ:ステージ最後にある「王家の部屋」で、「導火線に火のついた爆弾を最後に取る」と、次のステージの“道中”をすっ飛ばせるという裏技。これを繰り返していけば最短で最終面までたどり着けるが、後述する「真END」の条件は満たせない。

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▲真END条件を達成していない場合、最後に王様を助けてゲーム終了。でも本当はまだ「この先」がある。


「真END」を目指すことで見えてくる面白さ

「マイティボンジャック」には4種類のエンディングがあって、「真END」を見るための条件は以下の3つ。

・1つ目の「水晶玉」を入手している(ステージ7)
・2つ目の「水晶玉」を入手している(ステージ12)
・道中に隠された「Sコイン」を合計5つ入手している

上記のうち、1つも達成していないと王様を助けて終わり。1つ達成していると、次の「王妃の部屋」に行ける。2つならさらにその先「王女の部屋」へ。3つ全部達成で「最後の部屋」へ行けるという仕組み。

「水晶玉」というのは発売当時、このゲーム最大の謎とされていた要素の1つで、確か僕が買った攻略本では「どこにあるかは自分で探そう!」みたいな書き方だったような記憶があります。

1つ目はステージ7の隠しエリアに、2つ目はステージ12の途中にある「大迷宮」にそれぞれ隠されているんだけど、どちらも入る条件がメタクソに難しい。大人になってから攻略サイトで行き方を知って「こんなもんわかるか!」と突っ込んだのを覚えています。

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もう1つの「Sコイン」というのは、ゲーム内のあちこちに隠された「S」マークのついたコインのこと。普通のアイテムと違って、マイティパワー3の状態(※)でないと取ることができないので、これまた難しい。後半は特にマイティコインが貴重なので、ちゃんと管理しないとアッという間に足りなくなる。

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※マイティパワー:主人公ジャックは、アイテムの「マイティコイン」を消費することで3段階までパワーアップできる。攻撃手段を持たないジャックにとっては貴重な「緊急回避手段」なんだけど、マイティコインは最大9個までしかストックできないので、どこで使って、どこで補充するかの管理がものすごく重要。


――とまあ、どちらの条件もかなり難しいんですが、ちゃんと攻略方法さえ分かっていればまったく不可能でもないというのが絶妙なところ。魔界村クリアよりは全然楽だと思うので、ぜひゲームセンターCXでも真ENDを目指してほしかった……。特に2つ目の水晶玉がある「大迷宮」はゲームの大きなヤマ場の一つなので、スルーされてしまったのは残念だった。

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▲大迷宮。その名の通りめちゃくちゃ広く、さらにBGMも変わるので、はじめて入った時は大興奮した。


ピラミッドの全てを知り尽くした者だけがたどり着けるエンディング

考えてみると、あの当時(1986年)のファミコンゲームでマルチエンディングを採用していたというだけでもかなり珍しいと思うんですが、加えてこの条件って「テクニック」「知識」「戦略」の全てが高いレベルで求められて、かなり納得感のある「真END条件」だったと思うんですよね。「ピラミッドの全てに精通し、全ての謎を解き、それを実行できる腕前を持ったものだけが最後の部屋にたどり着ける」とか言っておくとちょっとカッコいいかもしれない。

ただ、1つだけ文句があるとすれば、さっき挙げた3つの要素(テクニック・知識・戦略)のうち、「知識」の要求レベルだけが異様に高すぎたということですね。例えば1つ目の水晶宮へ行く条件の中に、

・炎ブロックの上でジャンプ(通常は当たると即死だけど、1つだけ死なないフェイクブロックがある)
・エリア移動の際、スコアの下2ケタを「70」にして移動する

――というのがあるんだけど、こんなもん分かるわけないだろ! しかも攻略本にも書いてないし、当時もしリアルタイムで遊んでいて、真ENDまで行けた人がいたらどうやったのか聞いてみたいですマジで。当時はまさに裏ワザブームの真っ最中だったし、「とにかく難しい謎を入れとけ」みたいな風潮があったと思うんだけど、このせいで無駄に評価を下げてるゲーム、けっこうあると思うんだよな……「たけしの挑戦状」とか。

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▲ここまで来るだけでも十数分かかるのに、「ちょっと炎の上乗ってみるか」とかなるわけないだろ!

ただその分、ちゃんと攻略方法を分かった上で遊ぶと「こんなに面白いゲームだったのか!」とビックリしたりするケースもあったりして、「マイティボンジャック」なんかはまさにその最たる例と言えるでしょう。むしろ「今遊んでも面白い」どころか「今遊ぶからこそ面白い」ゲームと言ってもいいかもしれない。今ならNintendo Switch Onlineで遊べるし、当時クリアできなかった人もぜひ遊んでみてほしいと思います。

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ということで、今月のトークテーマ【たぶん自分しか推してないゲーム】でした。レトロゲームの中ではかなりメジャーな名作なので、まあ普通に推してる人いると思うんだけど……とにかく真ENDを目指して遊ぶとめちゃくちゃ面白いゲームなんだよ! ということが言いたかったのでした。

おしまい。


おまけ:真END用攻略チャート

最後にオマケとして、最近自分でクリアした時に使った真END用チャート置いておきますね。TAS動画と併せて見ると分かりやすいと思うので一緒にどうぞ(一部TASならではの強引なルートもあるけど、基本はだいたい同じ)。

あと、細かいところまで知りたい人には、horus02さんのマイティボンジャック攻略ページがおすすめです。

真END用攻略チャート(ワープあり)

【1面】
・普通にクリア。マイティコインは6枚全部取っておきたい

【2~6面】
・ワープで飛ばしてOK。ただし3面は1UPもあってマイティコインも確保できるので寄り道してもよい

【7面】
2番目のエリアに入ったら、右上の炎の上でジャンプ→隠し宝箱からスフィンクスゲット→左下の隠し部屋へ
隠し部屋:Sコインがエリア真ん中と一番左にあるので、2枚取ったら死ぬ。死ぬとSコインが復活するのでまた2枚取る(これでSコイン4枚に)
隠し部屋から出る際、スコアの末尾を70にして左下の扉へ(ジャンプ1回で10点入るのでそれで調整する)
次の部屋へ入ったとき、扉が開いた音がすれば成功。右上の扉から水晶宮へ(失敗した場合は、スコア末尾70の状態で画面上の方で死ぬと開く)
水晶宮:左から2番めのブロックがジャンプで消せる。取ったら道なりに進むと10面の道中に合流するのでそのままクリア
(攻略マップ:http://www1.odn.ne.jp/horus02/round07.html

【11面】
ワープで飛ばしてOK

【12面】
火の海の上に透明な隠しブロック。ジャンプしてスフィンクスを出し、大迷宮へ
(攻略マップ:http://www1.odn.ne.jp/horus02/round12.html

【大迷宮】
長いのでとっとと攻略マップをどうぞ。
(攻略マップ:http://www1.odn.ne.jp/horus02/crystal2.html
始まったら右下に向かい、水晶宮の扉を開けるためのスフィンクスを取る
最下部にある水晶宮へ。右端のブロックがジャンプで消せる
水晶玉を取ったら左上から迷宮脱出。そのまま12面クリア


【13~16面】
ワープで飛ばしてOK
GCCXでも苦戦してたけど、13面の王家の部屋はワープを狙うと鬼のように難しいので速攻クリアもアリ。でも14面道中もけっこう難しいんだよな……

【最終エリア】
最上部に隠しSコイン(これで5枚)
左下の隠しスフィンクスを取って右の隠し部屋へ
隠し部屋:一番下の宝箱にスフィンクス。取ったら出て、右上の扉へ
(攻略マップ:http://www1.odn.ne.jp/horus02/roundfinal.html

【王族の間】
王の部屋:右から2番めのブロックが破壊可能
王妃の部屋:一番左
王女の部屋:一番右
ラスト:一番右


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