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複利を最大限活用する為実践していること

 ほったらかし投資、ずぼら投資として紹介されている
『インデックス投資』ですが、
この投資は複利の力を最大限使うことを目指した投資手法になります。

結論だけ言うと、次の1文に全て集約されています。
『いかに多く資金を短期間で投資し、いかに多く複利の恩恵を得られるか』

ーー複利の力で資産と利息を最大限成長させる方法(同一金利の場合)ーー
1.元金をなるべくたくさん積み上げること
 →発生する利息をいかに多く発生させることができるか
2.元金をなるべく速く積み上げること
 →利息に利息が発生する回数をいかに多くできるか
3.長期に渡って投資し続けること
 →利息に利息が発生する回数をいかに多くできるか
4.再投資(利息を投資にまわすこと)を繰り返すこと
 →利息が利息を産む状況(複利)を活用する
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個別株やFX、投資信託、不動産投資、債権など、
この10年で勉強しながら実践し、
金融資産2000万円まで蓄えた体験をベースとして、
わたしが考える複利の力を最大限活用する方法を紹介したいと思います。

現在この力を使って毎年利息が約60万円(月換算5万円)ですが、
私が大学生のころにアルバイトで稼いでいた金額と同額です。
時給1,000円で計算すると月50時間、毎週土日6時間〜7時間です。
これだけ働かないと稼げない金額が何もしなくても入ってくる状態です。

1.そもそも複利とは

 一言で書くとすると、『利息に利息がつくこと』です。
複利の反対『利息に利息がつかないこと』を単利と言います。
この利息に利息がつくか・つかないかの差ですが、
時間が経てばたつほどその差が大きくなっていきます。

単利の場合:元金に対して利息が発生する
複利の場合:元金に発生した利息を追加し、その合計に利息が発生する

下記に元金が同じ金利5%ですが、
利息の発生の仕方が単利と複利の場合でいかに違うかを表にしています。

1年目は単利・複利で発生する利息に差はありません。
しかしながら2年目以降どんどんその差は拡大していきます。
単利では10年経っても発生する利息は5万円のままですが、
複利の場合10年経つと発生する利息は7.7万円とおよそ1.5倍になります。
そして差額として記載しましたが、だんだん差額が大きくなっている様に、
時間が経てば経つほどその差額が大きくなっていきます。

この差(利息に利息がつくか・つかないか)が(複利か単利か)です。

■表 単利・複利計算(元金100万円、年率5%)

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●金利の歴史 イスラムの世界
 金利についてですが、根本的に法律として禁止している世界がります。
それがシャーリア(イスラム法)を基礎とするイスラムの世界です。
このシャーリア(イスラム法)ですが、
神が人間に示した「正しい生き方」という意味になります。
なぜ禁止しているかと言うと、
お金を貸す側が借りる側からの搾取的な不労所得だと考えられており、
「正しい生き方」では無いとされている為、禁止されています。
もっともこれを回避する為の方法も確率されていますが・・・

●金利・複利の歴史 ローマ法
 複利の歴史ですが、ローマ法にも登場する様ですので調べてみました。
当時どうやら複利は禁止されていた様です。
どんどん複利で利息が積み上がっていくのかと思って調べたら、
まさかの反対で禁止する方向でした。
複利でとことん稼ごうとするリボ払いとは正反対ですね。

京都大学学術情報リポジトリ KURENAI 紅
ROMAHOPEDIA(ローマ法便覧 第五分)によると、
技術各論 (一八)利息の項目で三つの制度が紹介されており、
下記の様に記載されています。

・「複利」の設定が認められないこと
・利息の総計が元本と同額になれば、
 その時点で利息の発生がストップすること
・規程に反して違法に徴収された利息額の「四倍額」が、
 貸し手に、罰金として科せられること

京都大学学術情報リポジトリ KURENAI 紅
ROMAHOPEDIA(ローマ法便覧 第五分)より抜粋


●複利の歴史 アインシュタイン
 この複利の力ですがアインシュタインによって、
『宇宙で最も偉大な力』や『人類最大の発明』
と言ったとか言わなかったとか・・・
個人的には謳い文句として使いやすそうなので、
背びれがくっつき、尾びれがくっつきと、
どんどん誇張されていった結果ではないかと思います。

当然ながら日本語で残っているわけがないので、
とりあえず英語検索してみたのですが、でてこない。
ドイツ語はわかりません。
アインシュタイン没後のニューヨークタイムズが出所では?
みたいな情報もあり、本当に言ったかどうかわかりませんでした。

"the power of compound interest the most powerful force in the universe."
CBS NEWS
Compound Interest - The Most Powerful Force in the Universe? より抜粋
「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う(“Compound interest is man’s greatest invention. He who understands it, earns it. He who doesn’t pays it.”)」
幻冬舎 GOLD ONLINE
アインシュタイン博士曰く、「複利効果は人類最大の発明」より抜粋

●元金が2倍になるまでの期間 『72の法則』
 複利の力でお金が2倍になるまでの時間は簡単に計算できます。
それがこの『72の法則』であり、簡単な計算式で考えることができます。

72 ÷ 金利(%) =お金が2倍になるまでの期間(年)

金利が5%だとすると、計算式は下記の様になります。
72 ÷ 5(%) = 14.4年

この計算式から元金を金利5%で運用すると、
14.4年で元金が2倍になるということがわかります。

2.複利の力で資産と利息を最大限成長させる

 文章に書き起こしてみると、どれも当たり前の考え方であり、
ネットで検索したり本屋に行けば簡単に手に入る情報ばかりです。

『いかに多く資金を短期間で投資し、いかに多く複利の恩恵を得られるか』

これさえ実践できれば複利の力を最大限活用し、
資産を最速で構築することができます。

ーー複利の力で資産と利息を最大限成長させる方法(同一金利の場合)ーー
1.元金をなるべくたくさん積み上げること
 →発生する利息をいかに多く発生させることができるか
2.元金をなるべく速く積み上げること
 →利息に利息が発生する回数をいかに多くできるか
3.長期に渡って投資し続けること
 →利息に利息が発生する回数をいかに多くできるか
4.再投資(利息を投資にまわすこと)を繰り返すこと
 →利息が利息を産む状況(複利)を活用する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2-1.元金をなるべくたくさん積み上げること

 元金をたくさん積み上げると資産の成長するスピードが速くなり、
発生する利息が大きくなります。
発生する利息は『元金X金利』という非常にシンプルな構造であり、
元金が2倍になれば利息も2倍になります。
利息が増えれば増えるほど、再投資した場合の複利効果が大きくなります。

■表 元金(100万円/200万円)、年率5% 複利計算
左:パターンA 元金100万円 右:パターンB 元金200万円

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考え方は非常にシンプルで、ごく当たり前の話ですが、
分かっていてもこれを実践することは難しい。
そこで下記に今実践していることを記載しています。

■元金をなるべくたくさん積み上げるためにやっている・努力していること
・使っていないお金(銀行口座に眠っているお金)を投資にまわすこと
※生活防衛資金まで全て投資しましょうと言う事ではありません。
・毎月の出費(固定費・無駄遣い)を減らし、その分投資にまわすこと
・発生した利息を元金と合わせて再度投資にまわすこと(再投資)
・給与以外の収入源を確保し、その収入を投資にまわすこと(現在努力中)

●生活防衛資金
ある日突然収入が無くなった場合、蓄えだけで生活しなければいけません。
その為のお金が生活防衛資金と呼ばれるものです。
人によっていくら貯めるかは異なってきますが、
調べるとだいたい6ヶ月〜2年ぐらいとかなりばらつきがあります。
また、投資しながら貯めればいいという話もあり、
これがないと投資してはいけないという事もありません。
実際にわたしの場合、
社会人になったのと同時に少しづつ積立投資を開始したので、
生活防衛資金0から開始しています。

2-2.元金をなるべく速く積み上げること

同一期間で考えた場合、
少しでも速く元本を積み上げた方がその分多く利息が発生します。
複利は『利息に利息がつくこと』なので、
これも当然の結果と言えるでしょう。

追加している資金はどちらも計10万円で同じになりますが、
パターンAは一括入金の為、複利の効果を使えておらず、
パターンBは毎年積立の為、複利の効果を享受できています。

今回の計算条件だと10年で年間の差分(11年目の利息差)が、
1,353円となっており、そんなもんかと思われそうですが、
10年で投資した金額が110万円しかありません。
それも、10年目でやっと10万円追加するか毎年1万円の追加です。

これが年間36万円(月3万円)になるとその差がかなり大きくなります。
同じ期間、同じ金額を投資したにも関わらず、
11年目の差分が約4.8万円となり、
ここで積立を停止したとしてもこの差は延々と続きます。
この資産が有る限り、
毎年1ヶ月間少しだけバイトしたぐらいの収入差が産まれることになります。

■表 10年目に10万円一括入金と年1万円(1年目〜10年目 計10万円)
左:パターンA 10年目に一括で10万円追加
右:パターンB 1年目〜10年目に毎年1万円追加(計10万円 追加)
          11年目入金無し

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■表 10年目に360万円一括入金と年36万円(1年目〜10年目 計360万円)
左:パターンA 10年目に一括で360万円追加
右:パターンB 1年目〜10年目に毎年36万円追加(計360万円 追加)
          11年目追加無し

スクリーンショット 2020-08-14 10.47.26

2-3.長期に渡って投資し続けること

同一元本、同一金利であった場合、
利息が発生する期間を伸ばすほど発生する利息は大きくなります。
下記の2パターンについて一覧表を作成してみました。
1.元金200万円のみの場合
2.元金200万円+年36万円(月3万円)の場合

どちらのパターンだとしても1年目より2年目、2年目より3年目と
時間が経てば経つほど元金も利息も成長します。
これは複利『利息に利息がつくこと』によって、
順調に資産が成長したことを示しています。

またこの表から
2-1.元金をなるべくたくさん積み上げること
2-2.元金をなるべく速く積み上げること
を再確認することができます。

元金を毎年36万円追加したことにより、
30年で発生する利息の差は約4倍となっています。
また、元金200万円のみに1,080万円追加したとしても約1900万円であり、毎年積み立てた場合が約2390万円の為、その差額が490万円になります。

■表(抜粋 1/10/20/30年目)
左:パターンA 元金200万円のみ
右:パターンB 1年目〜30年目に毎年36万円追加(計1,080万円 追加)

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■表(全体版)
左:パターンA 元金200万円のみ
右:パターンB 1年目〜30年目に毎年36万円追加(計1,080万円 追加)

スクリーンショット 2020-08-14 10.42.51

2.4再投資(利息を投資にまわすこと)を繰り返すこと

繰り返しとなってしまいますが、複利は『利息に利息がつこと』です。
利息を再投資しなければ複利の恩恵を受けることができません。

利息を途中で使ってしまうと、
これまでの2.1〜2.3全てに対して真逆の結果となってしまいます。

元金200万円+毎年36万円(月3万円)の積立だとしても、
30年間で毎年発生する利息の差が約100万円になります。

また、30年間毎年利息を使ったとした場合、
その総額は1,137万円になります。
再投資した場合と再投資しなかった場合の差額が約1,935万円の為、
その差額は798万円となります。

その為、30年間再投資を行い続けた結果、
総額の資産としては再投資した場合の方が798万円多くなり、
かつ毎年発生する利息が約100万円多くなります。

■表(抜粋 1/10/20/30年目)
左:パターンA 元金200万円+毎年36万円追加(利息の再投資無し)
右:パターンB 元金200万円+毎年36万円追加(利息の再投資有り)

スクリーンショット 2020-08-14 11.50.59

■表(全体版)
左:パターンA 元金200万円+毎年36万円追加(利息の再投資無し)
右:パターンB 元金200万円+毎年36万円追加(利息の再投資有り)

スクリーンショット 2020-08-14 11.49.08

3.複利の力を最大限使って蓄えるのは良いけれど・・・・

ここまで、貯めること』に特化した内容となっていましたが、
当然貯めることが目的ではありません。

証券口座や通帳の金額が増えるだけでは意味がありません。
問題はどのタイミングでどうやって使うかになってきます。

徹底的に複利で資産運用し、発生した利息だけで生活できるようにする
生活費の全額ではないが、家賃や光熱費など固定費は全て払えるようにする
毎月1万円の不労所得を確保し、おいしいものを食べたり趣味に費やす
将来よりも今すぐ目の前にあるものを手に入れたい

この辺りは人によって変わってくると思います。
わたしの場合ですが、
発生した利息だけで全ての生活費を賄えるところまで頑張っています。

到達できるまでまだもうしばらく時間はかかりますが、
定年70歳だ延長だという話とは無縁でいたいと思っています。

しかしながら、不労所得だけで生活する為に、
生活を切り詰める様な事もやりません。
それをやってしまっては本末転倒です。

また、ここまで金利を5%で計算してきましたが、
これは投資(リスク資産)で運用することを前提とした値です。
その為、数字では分かっていても、
『不労所得よりも元本割れしたくない』も一つの答えだと思います。
逆にFXや仮想通貨などでハイレバレッジで勝負することも一つの選択です。

まずは一度下記を考えて想定するのが良いかと思います
・今後どんな生活を送りたいのか
・それにはどれぐらいの資産とキャッシュフローが必要なのか
・何%の複利で資産運用が必要なのか計算する

4.最後に

ここまで複利をトピックに記述してきましたが、
わたしはこの複利は時間を買う事ができる手段の一つだと思っています。
もちろん今現在の時間を買う事はできません。
しかしながら、将来の時間や豊かさを買うことはできると思っています。

徹底的に元本を積み上げて運用し、
年間300万円(月25万円)の不労所得が発生するとしたらいかがでしょうか。
人によっては生活するには十分な金額かと思います。
月1万円の不労所得だけでも生活が少し豊かになります。
その可能性を実現してくれるのが複利であり、
時間をかければかけるほどその効果は大きくなります。

また、この複利はマイナス方向にもその絶大な効果を発揮します。
その典型がリボ払いです。
とことん元本の支払いを先延ばしし、複利を使って利息を膨らませます。
また金利も10%や15%という高い金利設定になっています。
利息の話を理解して使っている範囲であれば何もいいません。
これに頼らざる得ない状況もきっとあるでしょう。
しかしながら、
その様な状況に直面しない様にお金の知識を蓄えて欲しいと思います。

是非この内容は高校生や大学生など若い方に知っていただきたく、
将来の自分自身の為に活用して欲しいと思います。
アルバイトで稼いだ金額のうち数千円や1万円でかまいません。
是非そのお金を将来の為に少しづつ投資するきっかけになればと思います。

■参考
毎年発生する利息に対し、税金を(20.315%)考慮したとすると、
元金0万円 毎月15万円積立 積立25年で元利合計が約7600万円となり、
その5%だとすると380万円の不労所得となり、
税引き後(20.315%引き去り)292.3万円(月24.4万円)となります。

■参考
毎年発生する利息に対し、税金を(20.315%)考慮したとすると、
元金200万円 毎月3万円積立 積立30年で元利合計が約2700万円となり、
その5%だとすると135万円の不労所得となり、
税引き後(20.315%引き去り)103万円(月8.5万円)となります。

毎月3万円であれば、
つみたてNISAの20年間(年間40万円まで)を有効に使う事ができ、
発生した利息に対する税金を考慮する必要がなくなります。

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