Amazon Prime 地下鉄道~自由への旅路~
アカデミー賞を獲ったバリー・ジェンキンスが監督を努めた黒人差別問題を題材にしたドラマシリーズ
南北戦争前の南部で行われていた黒人労働者への過酷で差別的な環境から逃げ出す主人公と、それを追いかける賞金首との逃亡劇が主なストーリーの主軸 一部の人間しか知られていない地下に作られた地下鉄に乗って逃げるというのが1つのキーワードになっている
原作本があるお話で自分は原作本は未読で本作を観た一人
一応ファンタジーな演出も入っている作品で、ある程度史実はあるもののノンフィクションではなく、あくまでもお話として捉えることが重要な内容だと思う かなり暴力や黒人への扱いへの描写に対しては容赦なく描かれている作品なので娯楽エンタメとして観るととんでもない目に合うので要注意
それと、実際に地下鉄が存在していてそれに黒人が乗って北部へ逃げたということではないらしく、黒人を南部の厳しい場所から逃がす団体はいたらしく、その際の隠語として車掌や線路などの言葉が使われていたらしい そいうった逸話を取り入れての内容らしい
本作は1話目から最終話まで救いのない大変暗い内容で、よくもこんな重たいテーマで映像化させることができるなと感心できるくらい全編が暗い
それでもどんなテーマも映像作品として成立させるアメリカのショービズにはびっくりさせられる
また、全編が暗くて救いのない内容なのに、監督のバリー・ジェンキンスの映像美はおそろしく綺麗で画角の切り取り方へのこだわりが尋常ではなかった そこが余計にはかなく演出されているのも印象的だった
1話毎にED曲が違って、全てブラックミュージック 作品の時代背景とはギャップのあるテイストのアーティストを敢えて器用していて、選曲のチョイスが秀逸だった 毎話誰の曲を持ってくるかというのも少し興味が湧くほど
今作はサラッとエグゼクティブプロデューサーとしてブラッド・ピット、製作にもPLAN Bが関わっているのは『ムーンライト』からの流れなんだろうけれど、ブラッド・ピット本人が今までに出演してきた映画内容とはかなりギャップのある作品をよく製作しているのが皮肉で興味深い
万人ウケは全くしないし、アジア人にとっては本当の意味で理解できる内容の作品ではないけれど、普段のアメリカエンタメ作品とは少し違う角度の内容と緻密に丁寧につくられているビジュアルを見るのには価値がある作品だったと思う
ポスター(インターナショナルver)
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