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0→1フェーズで活躍する「スタートアップ・エンジニア」に求められるたった1つの重要な資質

弊社GAOGAOはスタートアップスタジオという事業を行っている会社です。これまで3年間で40社以上のスタートアップや新規事業の立ち上げの支援を通じて、スタートアップで特に活躍するエンジニア像が徐々に明確になってきたので、記事としてまとめます。

起業家から絶賛されるエンジニアとそうでないエンジニアの違い

弊社のお客様の多くは創業直後のシード期の起業家や新規事業の立ち上げ担当者です。一緒に事業を作るために弊社でエンジニアチームを作り支援を行いますが、興味深いことに「とあるエンジニアメンバーをアサインすると必ずお客様に熱烈に気に入られる」というメンバーの方がいます。

そのような方のエンジニア経験年数で言うと3年前後だったりするので、新規事業を立ち上げ時に評価されるのは技術の経験年数のみではないのは明らかです。ではどのような力が評価されるのでしょうか。

新規事業立ち上げのフェーズで活躍する「スタートアップエンジニア」とは

私自身これまで大手IT企業やメガベンチャーでエンジニアとして7年ほど現場経験しました。もちろん例外はあるとは思いますが、そのような企業での多くは既にユーザーに使われるプロダクトがあり、開発チームが形成されており、縦割りの専門スキルを持つエンジニアがより市場価値が高い傾向があります。

一方、0→1事業の立ち上げフェーズでは縦割り専門家(スペシャリスト)よりもジェネラリストの方が市場価値を発揮する傾向があります。
「大企業やメガベンチャーで活躍する専門性が高いエンジニア」 vs 「0→1フェーズで活躍するジェネラリストとしてのエンジニア」について、もし興味のある方は以下の記事をご参照ください。

事業をこれからスタートする現場では、ヒアリング、MVP設計・仮説検証、UI/UX、業界知識、マーケティング、フロントからサーバー・インフラまでフルスタックな技術スキルなど、あらゆる局面での仕事が求められます。もちろんスタートアップで分業をされている現場も多いと思いますが、上記のような要素をエンジニア自身がカバーできることでより、効果的に新規事業創出の成功を導く可能性が高まります。このような方はCTO人材とも呼ばれ、希少価値の高い人材として認識されています。

一方、大企業やメガベンチャーでのエンジニアは、例えばWeb開発の現場ならフロントエンドエンジニアとしてReactを利用した高度なスキル、機械学習が必要な現場であればAIやディープラーニングに関するアカデミックな知識など、それぞれ専門的な能力が求められます。スタートアップの現場と比較すると、ひとくくりにエンジニアと言っても、もはや別の職種と言っても良いと思えるくらいの違いがあります。

弊社では2年ほど前から0→1の世界で求められるエンジニア役職を「スタートアップ・エンジニア」というワードで提唱しています。(弊社の説明で使用している採用資料から抜粋)

GAOGAOスタートアップスタジオのご紹介

弊社内では創業期のサービスを支援することが多い都合上、もちろん技術力向上のための推進は行いますが、それ以外にも事業立ち上げスキルや業界専門知識の部分を評価軸として設定し、勉強会などを通じて教育方針としても反映しています。

スタートアップエンジニアとしての重要な資質=「サービスに興味を持てること」

冒頭で述べたように、とあるエンジニアは事業立ち上げフェーズで高い評価をいただきます、一方そうでない方もいるのも事実です(技術力が非常に高かったとしても)。

一体、何が違うんでしょうか?

弊社で活躍しているエンジニア像の評価や本人からのヒアリングを元に浮かび上がる一つの重要なポイントは「サービスに興味を持てること」です。

・サービスに興味を持てることで、純粋な好奇心・楽しみから受託ではない自発的な行動をすることができる
・サービスに興味を持てることで、ユーザーに興味を持ち、ユーザーのヒアリングまで自発的に行うことができる
・サービスに興味を持てることで、事業オーナーと同レベルでサービス価値に踏み込んで本質的な課題への改善案を提案することができる

サービスに興味を持つ・サービスを好きになることで受託的ではない働き方になる、と言う点はあまり採用の際などに意識されていない重要なポイントです。よくスタートアップ界隈では「自走できる」というワードを使うと思います。自走できるエンジニアになるためには、サービスそのものが好きである必要があります。サービスを好きでない限り、興味関心の方向性の違いからどうしても技術に目が行き、開発タスクの消化を受け身で行う形になりがちです。

大きな組織になるとプロダクトマネージャーなど専任のロールが存在し、ビジネス要件の整理が行われたのち開発タスクとしてアサインされるような形で進めて問題ないですが、0→1というフィールドでは例えフルスタックな技術スキルを持っていたとしても指示待ちの働き方をしていたら本当の意味での「0→1で活躍するエンジニア=スタートアップエンジニア」とは言えないです。

また、スタートアップエンジニアとして働いていると、開発の技術面だけでなく例えばUX/UIも自然とスタートアップエンジニアの仕事のスコープに入ってきます。エンジニアでUX/UIもカバーできる人なんているの?と思われますが、専任のデザイナーと同レベルでスキルを持つ必要はなく、ある程度の理解と提案ができるレベルまで持ち合わせるのは可能です。

余談とはなりますが、弊社内で毎週勉強会が行われているCourseraのGoogle UX Design Courseの受講はオススメです。

スタートアップエンジニアのスキルは後天的。どのように教育するか

スタートアップエンジニアとして働くためには、サービスへの興味という軸を持ちつつ、幅広いハードスキルとソフトスキルが求められます。

幅広いハードスキル習得のための指針
サービスの構築を0から行うことができるフルスタックな技術力(サーバーサイド、フロントエンド、インフラ、UI/UXなど)を身につける必要はあります。
・自分のキャパシティを狭めず、壁を持たず、あらゆる可能性を持つ
・必要な新しい技術は自分で率先して学習する
・動かない時の「なぜ?」を深掘りする
・ものづくりを楽しむ

立ち上げのソフトスキル習得のための指針
サービスに興味がある、自走できる、リーダーシップがある、オーナーシップがある、などのソフトスキル面は私は後天的に鍛えられるスキルであると考えています。ただし、ハードスキルと比べて体系的な体得方法が明確化されていない分野でもあります。

・身近に利用しているサービスについて興味を持つ
・小さなことで良いので仕事に楽しみを見出す
・何か自分で興味のあることを0から企画してみる
・小さなものでも良いので、サービス開発に企画段階から参画し、ユーザーに使ってもらう経験を持つ

様々なことに興味を持ち、好きになり、夢中になれるようになるのが理想です。まずは小さなところから楽しさを見出し、自分で考えて自分で楽しめる経験を積むことを意識して取り組むと良いでしょう。

その他、エンジニアとして働くための開発スキル以外に着目したチェックポイントを過去記事にまとめていますので参考までにリンクします。

結論:関わっているサービスに興味をもつ

0→1のフェーズを経験している方ならわかると思いますが、一人の担当がこなすべき仕事の範囲は実に幅広いです。「サービスに興味を持つ」、という資質を持つことで、その幅広いタスクを自発的にこなせる原動力となります。

今後、世界中で新規事業の立ち上げもデジタル化の促進に合わせて、より一層増える傾向にあり、この記事で提唱するスタートアップ・エンジニアはこれから市場価値が高まる役職だと考えられます。立ち上げフェーズで周りの人に安心を与え、高いパフォーマンスを提供できれば、結果的に替えが効かない人材になれるはずです。

そのような領域で活躍できるスタートアップエンジニアを目指して行くのも悪くないですね。これからもしスタートアップで活躍したいエンジニアの方にご参考になれば幸いです。

最後に

弊社GAOGAOでは現在スタートアップからDXまで多くのプロジェクトが日本と東南アジアを中心に並行して動いています。エンジニア(特にNextJS/Rails/Laravel)、デザイナー、PM、広報・採用担当者などあらゆる職種が現在切実に足りておりません!

業務委託でOKですので、ぜひエンジニアが世界や起業にチャレンジして、世界中でものつくりの連鎖を起こしてワクワクする世界を作りたいと思っている方おりましたら是非お気軽に @tejitak まで連絡をお願いします!

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