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【夢日記】1980年代

 冬。寒い夕方。

 母が帰って来る。家の中は薄暗い。日が短くなっているのに気づかず、電気をつけないままでいたのだ。「ただいま」と言って玄関のドアが開く。出迎える。玄関の正面には階段があり、二階から誰かがおりてくる。ふり返ると、母である。母が二人いる。

 パニックになり、家を飛び出す。追いかけてくるような気がするし、気配もする。どちらかか、二人かが。息が白い。地面が冷たい。

 路地を抜けてN商店を左に曲がり、どん突きの左にある家に駆け込む。小さな妹たちを預かってくれるKのお母さんの家。「Kのお母さん」と大きな声で呼ぶと玄関先に出てくる。抱きつく。「どうしたの」と優しく言われる。説明をしようとして、目を上げると顔がちがう。Kのお母さんとすこし顔が違う。ちがう人だ。もう逃げられないと思う。

 

 

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