見出し画像

ホテルの廊下

ここ数年、ホテルに行ったら必ず
何も写っていない廊下の写真を撮るようにしている。

特に深い意味は無いけど、
ホテルの廊下が好きなのである。

沢山ドアならんであって、
壁1枚を隔てた場所で各々
服をそこらに掛けたり、
インスタントコーヒーを入れてみたりして
自分の部屋のようにリラックスしているのに、
一歩廊下に出ると全く生活感がないのが面白い。

なんなら普通のマンションなどより
人の出入りが多いはずなのに、
無の空間に自分一人だけが放り込まれたような気分になる。

ネット上でよくliminal spaceと言われるような空間に似ているがそれとも若干違っていると思う。

「普段賑わう場所に人が居なくて不安感がある」
ではなく
「近くに人が居るのに孤独感がある」

逆に、
「見えないけど自分の左右に知らない人がズラっと
並んでいる」という威圧感
窓がない(ことが多い)閉鎖感
似たような不安感を呼び起こしているのかもしれない。

ホテルにチェックインすると
疲れた体で重いスーツケースを引きながら
貰った番号の部屋を探すのに必死になるので
廊下に気を留めることなんて普段無いと思う。

無事部屋を見つけたあと、
入室の前に1度立ち止まって
廊下の突き当たりを真っ直ぐ眺めてみる。
そうすると、
えも言われぬ面白さがあるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?