「まだまだやりたいことがたくさんある」くつざわママは、もっとくつざわだった話。
初めまして、ていねい通販公式noteにてこの記事を書かせていただきます、くつざわと申します。
軽く自己紹介をすると、主にTwitterでの活動をメインとし、最近はライターとかプランナー的なお仕事もしている人間です。昔はあるある動画的なものでバズっていましたが、やりたいこととは違ったため全て削除し、新しい道に進んでいる最中の20歳女子大生です。
「仕事という贈りもの」をテーマに始まったこの公式noteですが、今回インタビューするのは私くつざわの母、通称「ざわママ」です。
このざわママ、あまりに破天荒なため度々私のTwitterにも登場し、くつざわ初の地上波デビュー時に「強烈インパクトのパワフルママ」としてザキヤマさんにいじられるなどしました。
さて、私のフォロワーにもファンが多いざわママがなぜこのnoteに登場することになったのか、娘の私から簡単に紹介させてください。
くつざわ家の父は私が二歳の頃に亡くなり、日本に来て間もない母は息子と娘を育てるためにとりあえず店を買い(破天荒)、大量の借金がある状態で経営を始めました。確実に楽な状況とは言えない中で、兄と私は何不自由なく育てられ、塾等にも通わせてくれて、いつでも美味しいものを食べさせてくれて、母は家事と経営でマジでいつ寝ているのかわからないほどに働き尽くしでした。
そんな母の背中を見ながら育った子供達は、模範のような非常にいい子に育ち(私のことですね)、家族三人めちゃめちゃ仲良くなったのですが、肝心の経営面はというと。
人柄のおかげか、いろんな人に助けられつつも莫大な借金も返済し、今ではもう予約なしでは入れないほどの人気店となっております。
こんな背景もあって、ていねい通販の戸田さんからこの「GIFT ~仕事という贈りもの」という公式noteに込められた想いを伺ったとき、ざわママが母親としてだけではなく、経営者としてもピッタリだと思い、ライターでもある私が記事を執筆するに至りました。ご一読いただけますと家族みんなで喜びます。ちなみに戸田さんからいただいた企画書はこちら▼
この真っ赤な髪をした人がざわママ。中学の頃の授業参観の時、「ママのこの髪恥ずかしくない?」と聞いて来たことがありましたが、むしろ誇らしく思っていたほどの綺麗な赤です。
ー常連さんがすごく多いと聞きますが、何か意識している部分は?
ママ「そうですね、一から始めた時は本当に常連さん頼りだったし、十数年間通い続けてくれてる人もいるんです。そういう人たちに助けられて今があるので、思いやり満タンで愛情振りまいてます。笑」
娘「なるほど。確かにみんなに『ママ』と呼ばれていますね。何かコツとかあるんですか?」
ママ「これはもう性格ですね。空気読めない感じとか、友達かよっていう距離感とか、そういうの意識してやっている訳ではなく自然にやってしまいます。初めて来たお客さんにも常連のごとくサービスしたり接したりするので、ほぼ確実に2回目に繋げれるんです。」
娘「娘的に見てても、『ここ俺の行きつけなんだよ、ママが面白くてさ』的な会話ができる場所になってるなあ、そりゃ後輩とか連れて来たくなるだろうなあ、って思います。連れてこられた人もママの明るさとサービスが気に入って個人的に来店、なんてよくあることですし。」
ー何か、お店が愛される秘訣はありますか?
ママ「うーん、お店ごとというか、家族経営のイメージが強いので、家族ごと愛してもらえている感じがします。上の子(兄)ももう27だけど、大学生の頃はずっと手伝ってくれていたし、代替わりみたいな感じで下の子(くつざわ)もエプロンかけて手伝ってくれたし。常連さんは、今日は娘さんいないの?最近何してるの?なんて声をかけてくれる人も多い。」
娘「お祭りの時も、遊ばずに浴衣着てずっと看板娘してたらしいですからね。いい子ですね。私なんですけど」
ママ「娘がテレビ出るのが決まった時は、常連さんみんな番組予約してくれてたりとか。娘が赤ちゃんの頃とかからのお客さんもいるので、地元に母や父が何人もいるような感覚だから、彼氏とかができたら地元歩きにくいって言ってましたね、下の子は。」
娘「私なんですけどね」
ー常連LOVEなママ。従業員との関わり方は?
ママ「みんな家族だと思ってますし、息子と娘もそういう風に接してくれているので、みんながここを我が家だと思ってもらえるようにしています。親元を離れて日本に出稼ぎに来た海外の子とかも雇っているので、なんだか頑張っているのを見ると、親代わりみたいなことをしちゃうんですよね。」
・従業員と兄に抱きつくママ。くつざわもおいで、と招かれてます。
娘「みんなにママって呼ばれてますもんね。国籍はネパール、韓国、ベトナムだったりで本当それぞれですが、みんなカタコトの日本語で笑いながら会話していますよね、私含め。」
ママ「そうすると、みんな雇われどうこうじゃなくて、本気でお店の売り上げに貢献しようとしてくれるんです。少しでも多くお客さんが入るように考えてくれて...自分の仕事量は増えるのに。売り上げが多かった日なんかは、わざわざ私に電話してニコニコしながら報告してくれるんです。可愛くてしょうがない。売り上げが少ない時はみんなでしょんぼりしてお酒を交わしてます。」
娘「辞めて国に帰った人とかも、ここでの思い出が忘れられなくて帰国した国で、同じ名前で日本料理屋さん出したりとか。みんなずっと家族みたいで嬉しい限りです。」
・くつざわ家、親戚、従業員みんなで年越しそばを食べている様子。微笑ましい
ーメニューにこだわりはありますか?
ママ「基本全部手作りですね。キムチとかももちろん、冷麺の麺とかも、製麺機がうちにあるので1から作っています。」
娘「あと量がえげつない。コスパどころの話じゃないですよ。コース料理なんて食べきれてるお客さん見たことないですよ今まで。勿体無い...。私が食べるからいいんですけど。」
ママ「ちょっと足りないかもって思われるより、もう無理〜食べれない!ってなってくれた方が私は幸せなんです。何事もちょっと余るくらいがいい。みんな美味しいから勿体無いって言って、持ち帰ってくれるので、お家でもまたうちの味を楽しんでくれればそれでいい。料理持ってった時の驚く顔とかが嬉しくて。笑」
娘「サイゼで3000円分頼む人ですもんね、ママ。毎度笑っちゃいますよ。あと値上げも意地でもしないですよね。」
ママ「昔から来てくれている人にはその時のままの気持ちでいてほしいですからね。」
ーお店の名前の由来は?
ママ「買ったときに既についてる名前でした」
娘「この話終わりですわ」
ー年中無休で働きすぎなんですが、休みたいとは思わないのですか?休めや
ママ「そりゃあ休みたいですよ。けどまだやりたいことがたくさんあるから、絞り続けますよ。56歳なんてまだまだ動ける。」
娘「家事してるか働いてるかヘトヘトで寝てるかのところしか見たことないですよ。なのに朝ごはんはめっちゃ豪華だし。多すぎて食べきれないし。」
ママ「子供達とあんまり時間取れないから、朝ごはんくらいは私の作ったものをたくさん食べてほしくて。毎日朝5時帰宅だけど、子供のことを思えば普通にご飯はたくさん作れます。もう慣れたし」
ーそんなに頑張るママにとって、成功ってなんなんですか。
ママ「最初は、子供達が真面目に立派になってくれることだったけど、お兄ちゃんも薬剤師になって妹を大切にしてくれてるし、昔からなかなか親子の時間が取れなかったのにしっかり育ってくれて感謝しかないです。娘も、遊びたい盛りの時期に外泊禁止とか門限があっても守ってくれますし、何より二人とも家族を一番に考えてくれて、兄妹仲良いだけで私はもう幸せなんです。」
娘「たまに門限破りますけどね。 それなら私も成人した今、なんでそんなに頑張ってるんですか?」
ママ「不労所得!!!」
娘「wwwwww」
ママ「私もいつか老いるので、動けなくなったときに子供達に迷惑をかけたくない。いつか子供達二人に分けて遺せる何かってなったら、やっぱ不動産じゃないですか。」
娘「そこ(指差し)のビル、買ったしな。マジでびびったわ」
ママ「今の私なら少し頑張ればすぐ借金は返せるし、とにかく将来的に不労所得が入ってくる仕組みを作っておきたいんです、子供のためにも。お父さんがいない分私が頑張らなくちゃ!」
娘「私的には、今までたんまり子供に使ってもらった分これからは自分に使ってほしいって思いますけどね。経済面でママに頼らず自立できるように頑張ってる最中ですよ!」
ママ「親からしたら、いつまでも子供は子供なのよ!」
娘「にしても、子供だけが原動力でそこまで動き続けれるのがすごいや...。ゴールってどこなんですか?」
ママ「私にゴールは設定されていないですね。子供の面で悩んでなかったというかむしろ助けてもらってた分、仕事で悩むことが多かったので。一つ成功したらまた上のゴールを目指しちゃうんです。でも、それが楽しいし、子供の次の生きがいかな。」
娘「あんだけ苦労してる親見てたらそりゃ店くらい手伝いますよ...。」
ー経営者としても母としても尊敬できるざわママ。頑張る若者に一言よろぴく。
ママ「う〜ん、私も若い頃そうだったんだけど、やらずに諦める人はすごく勿体無いなあと思います。ありきたりだけど、やってもできなかったら仕方ない。でも、何もやらずにきっとできないとか、何かやらない理由を探して自分を安堵させてるのは、せっかくの若さが勿体無いですよね。若いんだから失敗しても大丈夫よ〜。」
娘「すげ〜。真面目なこと言ってる」
ママ「パパが亡くなって莫大な借金とともに潰れかけの店だけ抱えてたのに、ひたすら泥臭く動き続けてたら立派な娘、息子と、賑やかな店と常連さんたち、可愛い従業員、頑張れる目標まで持ててるんだから、とりあえず全力でやればだいたい不可能なんてないのよ。諦めないで動き続けてほしい」
娘「かっくぃ〜〜〜〜!!!説得力すげぇ〜〜〜〜〜〜。」
ーそこで、娘から日頃の感謝の手紙を。
母は、私からの贈り物はどんな些細なものでもずっと大切に保管しておいてくれるのですが、これで手紙は何通目だろう。
母からもらった手紙も何通かあるのですが、成人式の日、母が泣きながら手紙を読んでくれたので今回はそのお返しとして。
私に初めて生理が来た日が記されていたその手紙を見たときは、「どんだけ大切に娘育ててんねん!!」と、つっこみそうになりました。
ママ「ごめん、老眼で見えないから読んでほしいわ」
娘「ウケる」
ママへ。
お元気ですか。娘はこの前成人しましたが、ちゃんと私のことは「成人」に見えてますか?きっといくつになってもママからしたら子どもだけど、私はもう一応立派な大人です。成人式の次の日、ママが泣きながら手紙を読んでくれたのを見て、「本当にこの人はどんな苦労をして私と兄を育てたんだろう」と何度も思いました。振袖姿、家族3人で写真とりたかったなぁ。うちはみんな忙しいから仕方ないね。
うちは昔から兄ちゃんがパパの代わりをしてきて「もしパパが生きてたらどんな家族やったんやろ」って思ったときもあったけど、そんなの考えた時間は意味がないほどに、この20年間は「くつざわ家」が幸せそのものでした。SNSは変な人が多いから、「くつざわ」という名前でやっていくことにツラさを覚えることもあるけど、それでもくつざわという苗字であることを、この3人であることを誇りに思っているから、私はずーっとみんなの前に「くつざわ」として出れます。
こんな家族だったら幸せだねって言われているこの3人組は、世界の誰にも負けない強さ、自信、笑いがあふれているメンバーです。そんなくつざわ家にしてくれてありがとう。
娘より。
今回このような形で母の思っていたことを聞けたのですが、やっぱり母は私の中でずっと尊敬する母であり、経営者だと改めて感じました。「この家族でよかった」と、ずっと思えるし、永遠に誇りです。
どんな仕事でも、うまく動き続けている根本の理由には常連、従業員、家族への愛があったんだと再確認。
母の背中を追い続けている私ですが、到底この人には追いつけないでしょう。
とりあえず母には過労で倒れないよう、春先に温泉旅行でも連れて行こうかと思います!ご一読いただきありがとうございました。
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