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三重の書家が東京のクイズ番組に出た話①

多くの方初めまして。
書道関係者の皆様、ご無沙汰をしております。

樋口 鼎乎(ひぐち ていか)と申します。
テレビでは本名の弓弦(ゆづる)で出ていました。
雅号は先祖から、本名は年号で話題になった万葉集引用です。
どちらも読めない名前ですね。
某フィギュアスケーターのおかげで読める人が増えて、彼にはシーズン始めの試合の時にテレビを通して感謝の念を送っています。

今回は99人の壁に1年間出場した記念に、つれづれなるままに第一回出場経緯をメインに書き進める予定です。書道話はほぼありません。ちなみに壁では「書道さん」と呼ばれていました。

さてさて、自己紹介。
三重県出身在住で、書道の先生をやったり作品書いたり作品発表したりして暮らしているごくごく普通の書家です。見た目も一般人です。専門は篆書です。

こんな作品書いています。

画像が大きすぎるのですが、小さくする術を知らないアナログな人なので我慢してくださいませ。
まぁ、そんな感じで大体で生きています。

それでは本題へ。

あれは2018年の夏。
フジテレビ深夜番組『久保みねヒャダ』(トークがとても面白い)を田舎なので一ヶ月遅れ放送を見ていた時のこと。
能町みね子さんが「99人の壁というクイズ番組に出た」という話をされていた。
いかに番組がガチンコなのか、いかに一般人と芸能人が同等なのかと熱量ある話に、なんとなく「面白そうな番組だな」ぐらいにしか思っておらず、とりあえず番組が直後にあったので視聴。
クイズ番組はもともと好きであったが、ソファでだらだらしながらテレビに向かって独り言のように解答を投げかけるだけのお気楽スタイルであった。

一通り楽しく視聴し番組も終わりの頃「特番からレギュラーへ!出場者募集!!」とのテロップが。その時、ふと「応募者5名に最高級コシヒカリプレゼント!!!」に応募するノリで「出場者募集!!」に応募してしまった。
魔が差したとしか言いようがない。たかがノリでそれから1年テレビに出ることになるなんて想像もしていなかった。

1週間後、番組から連絡が。
「書類審査通過しましたので東京へ面接に来てください」

その喜ばしい連絡に、私は
「遠いから辞退します」
と返した。
これは後に友人達から「お前のそういうところがプロとして駄目」と散々に言われた一件である。

個人的にはお米プレゼントに応募した気分だったので「当選したから東京までお米取りにおいで」と言われたような感覚であった。
面接だけのために東京、新幹線往復2万円+α。いやいや行かんだろ、とさくっとお断りメールを出したのである。
こうして私は日常に戻るつもりであった。審査通過のメールはお断りしたけれど誰かに選ばれること自体はとても嬉しいもので、1ヶ月は楽しく過ごせる、とのほほんとしていた。

この一件は誰にも言わず自分の中に留めておき、ご機嫌な幾日かが過ぎた頃、再び連絡が来た。

「名古屋で面接会をするので、こちらはどうですか」

②へつづく!!

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