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皆さん、「nope」はヤバい映画です

どうも。定時退社マンです。

先日、劇場公開中の映画「nope」を観てきました。

単刀直入に言います。

皆さん、「nope」を観てください!!!


ということで、今回は、「nope」を観た感想と見どころを書いていこうと思います。
※基本的に直接的なネタバレは伏せて記事を書きますが、作品の特徴に触れますので、完全にネタバレを避けた状態で作品を楽しみたい方はお読みにならないようお願いします。

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まともに長文記事を書くのは、かなり久しぶりです。
「nope」は、久しぶりにでも長文記事を書きたくなるくらいの衝撃作だった。ってことにしておいてください。

まず、「nope」のあらすじからご紹介します、ざっくりこんな感じです。

あらすじ
とある田舎の農場で働く兄妹は、ある日謎の飛行物体を目撃してしまう。兄妹は、謎の飛行物体の姿を動画に収めるため、機材を揃え撮影を試みるが、想像を絶する事態に見舞われる。

あらすじだけを観ると、そんなに目新しいか?と思うかもしれません。

それでも「この映画には、絶対何かあるぞ、、、」と観る者に緊張を走らせるが、監督ジョーダン・ピールの存在です。

ジョーダン・ピールの作品は、現代の社会問題に斬りこみつつも、「これは一体何が起きとるんや、、、」と不穏な気持ちにさせてくれるのが特徴で、これまでに監督した「ゲット・アウト(2017)」、「アス(2019)」ともに世界を震撼させてきました。

わたくし、定時退社マンはホラーが得意ではないため、ジョーダン・ピールさんには毎回ビビらされまくって生きてきましたので、今作「nope」も観たい気持ちがありつつも、本能で警戒をしてしまい、劇場に観にいくか、鑑賞当日まで迷いました。

結局は好奇心が勝ってしまい、観に行ったのですが、作品開始直後から不穏感MAXで観に来たことをちょっと後悔してたのは内緒です。

ちなみ、「ゲット・アウト」、「アス」をそれぞれ観た感想はこんな感じです。

ゲット・アウトを観た定時退社マン「設定イカれすぎ」
アスを観た定時退社マン「ほぼSF」

正直、前作「アス」で明かされた設定には、だいぶSF寄りだなと感じてしまったので、今作「nope」ではどのような設定にしてくるのか、ワクワクしつつ、ちょっと不安もありました。

蓋を開けてみると、今作「nope」は、これまでの作品とは毛色が異なっており、物語の本筋はまさかの超王道パニックムービー

今まではホラーテイストが強かったので、予想もしてませんでした。

というのも、ジョーダン・ピールは、今作のインタビューで、「夏休みに公開されるようなメジャー超大作を目指した」と語っています。

ジョーダン・ピールは、青春時代、周りが色々経験していく中、ひたすら映画を観て過ごしていたようで、そんな過去の自分もワクワクさせれるような作品が、今回作ってみたかったようです。

特に、スティーブン・スピルバーグ監督作品の「未知との遭遇(1977)」に魅せられたとのことで、その影響度合いは、「nope」からも存分に感じることができます。

結果的に、青春を過ごす若者だけではなく、既に社会人ライフを過ごしている定時退社マンまでもワクワクさせているので、大成功です。

僕も幼少期から部屋にこもって映画ばかり見てきたので、なんだか勇気をもらえましたね。

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前述の通り、本筋は王道パニックムービーなのですが、社会問題に斬りこむ&不穏な演出といったジョーダン・ピール節もご健在で、ワクワクさせつつも、だいぶ精神的に追い込んでくれました。
ジョーダン・ピールさん、その節はどうもありがとうございました。

今回斬りこまれた社会問題について少し触れたいと思います。

これまでの作品は人種問題を中心に描いてたイメージでしたが、今作は現代社会に生きる人間そのもののあり方について斬りこんでいるような印象を受けました。

まるで、こちらに「お前も例外じゃないぞ!!」と問いかけてるかのように。

今作の登場人物は、それぞれが普通に生活しているのように見えて、心に闇を抱えています。

登場人物と全く同じ状況ではないにしろ、どんな人がこの作品を観ても、登場人物の誰かしらに自分を当てはめてしまえる設定になっているなと感じました。

ちなみに、定時退社マンの脳裏に一番強く残った登場人物は、スティーブン・ユアン演じるジュープ

ジュープは、幼少期に番組の脇役子役をしており、その時にとんでもない恐怖体験(マジでとんでもない体験)をしています。

彼からは一見、陽気なお兄ちゃんという印象を受けますが、作品が進むにつれ、過去のトラウマが時間を経つごとに歪んだ愛になってしまい、過去に囚われてしまっていることが、彼の行動からわかってきます。

ジュープと全く同じ経験をしている人はかなり少ないと思いますが、彼と同じように過去のトラウマに囚われてしまっていて、前に進んでいるつもりが、同じ場所でグルグルな回っているだけだったという経験は、現代社会に生きる人間なら誰しもあるではないかと思います。

定時退社マンにもそういう一面がありますので、ジュープが特に印象に残ったのだと思います。

ジュープが、幼少期にどんな経験をしたのか、最終的にどうなったのかは、是非劇場でチェックしてださい。

他にも、社会にうまく馴染めない人間、名声を得ることに囚われている人間、自分が有能だと信じ込んでいる人間など色んなタイプの登場人物がでてきます。

皆さんにはどのキャラクターが、一番印象に残ったか、是非教えてください。

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作品も終盤に差し掛かる頃、作品開始直後のビビりまくり警戒心MAX定時退社マンはそこにはいませんでした。

観る前には、こんな状態になるなんて想像もしていませんでしたが、予想外の展開に胸が熱くなってしまい、前かがみなって夢中で作品を観ていました。

結末が知りたいと同時に「まだ終わらないでくれ」と思える作品は久しぶりで、エンドロールが流れ始めた時、感極まってスタンディングオベーションしそうになりました。

とんでもない作品を観てしまった、、、


感想はそれに尽きます。


これまでたくさんの作品を観てきて、色々な感情になってましたが、まだ新しい体験ができるのかと感動すら覚えました。

高揚感から、帰り際、数年ぶりにパンフレットを買ってしまいましたからね。

近年、サプライズ演出で胸を熱くさせてくれる映画は何作かあったんですが、サプライズ演出系はぶっちゃけ一回観れば十分で、それ以降繰り返し観たいとは思えないという大きな欠点があります。

それとは違い、「nope」は鑑賞後、高揚感と共に、考察したくなるような謎をいくつか残してくれるので、何度でも観たくなります。

「nope」が残す謎がまた絶妙でしてね、物語本筋の謎自体は解決してくれるので、「結局何の話だったの?」とはなりにくい構成になっています。

この謎の残し方をミスり、本筋もよくわからないまま終わってしまうと、一気にジョーダン・ピール監督が目指していたメジャー超大作から、マニアック向け作品になってしまいます。

ジョーダン・ピール節を残しつつも、メジャー作品にうまいこと昇華していて、すごいなと思いました。

はい、、。

だいぶ熱くなってきてしまい、このままだと、とんでもないネタバレをかましてしまいそうなので、感想はこの辺で止めておきます。

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個人的には、ジョーダン・ピール作品の中でぶっちぎりのベストでしたが、世間の声としては、絶賛派と否定派が真っ二つに別れています。

なので、皆さんの中でも僕とは違い、「つまらなかった」、「訳がわからなかった」と感じる方もいるかと思います。

でも、それでいいと思ってます。
皆が同じ感想を持つ映画より、それぞれ感じるものが違う映画の方が魅力的です。

「nope」は、
「〇〇はこういうことだったと思う」
「いや、僕は〇〇だと思う」

といった観た後も楽しめる作品になっています。

この記事を読んで、「nope」を観た方がいらっしゃれば、是非感想を教えてください!

以上です。ありがとうございました。


p.s. 例の如く、「nope」の #参考にならない映画レビュー も書いておりますので、よろしくお願いいたします。




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