独身サラリーマンが語る「マリッジ・ストーリー」

どうも。定時退社マンです。

今回は、「マリッジ・ストーリー」をご紹介いたします。

作品情報

本作は、Netflixによるオリジナル作品であり、現在、Netflixにて配信中になります。

本作の監督は、『イカとクジラ』のノア・バームバック。

そして、主演はスカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーという実力ある俳優を起用。

スカーレット・ヨハンソンには、主演映画「ブラック・ウィドウ」が、そして、アダム・ドライバーには、「スター・ウォーズ」が控えています。

どちらも映画好きじゃなくても、世界中から認知されている超大作で、私も両作ともに、楽しみにしております。

主演の両者共に、本作でも素晴らしい演技をされており、セリフ以外にも、表情や態度から登場人物の感情を感じとることができました。

夫婦の小さくも深い溝

本作のテーマは「離婚」。

定時退社マンは、独身サラリーマンなので、離婚の前に結婚すら遠すぎて見えない訳ですが、私なりに感じた本作の魅力を綴っていきます。

「離婚」がテーマと言っても離婚寸前の夫婦が、問題を乗り越えて、「やっぱり結婚はいいよね」みたいなハッピーエンドを描いている訳ではありません。

本作では、離婚の問題に直面した夫婦を現代的に、そして現実的に描いています。

本作に登場する舞台監督であるチャーリーと舞台女優のニコールは仕事仲間であり、夫婦。

2人は愛し合っていましたが、日を重ねるごとに、心は徐々にすれ違っていき、遂には、離婚問題にもつれ込んでしまいます。

本作の魅力は、そんな夫婦の関係性にあります。

結果的には、離婚に直面している訳ですが、それは、お互いに相手のことを嫌いになってしまったからではありません。

むしろ2人は、お互いに好きな部分がちゃんとあって、相手がどんな時にどんなことを思うのか、そしてどんな人間なのかちゃんと理解しているんですね。

しかし、理解できなかった部分もあった訳で、それが少しずつお互いの心を引き離してしまい、遂にはお互いに相手の良いところすら、見えなくさせてしまいました。

もうどんなにお互いに歩み寄ろうとしても、そこにはもう相手はいません。

人間の心というのは不思議な造りで、ほんの少しの嫌いな部分が、相手のたくさんある良い部分を見えなくさせてしまいます。手のたくさんある良い部分を見えなくさせてしまいます。

これは、本作の夫婦だけではなく、全人類に共通するのではないでしょうか。

そんな修復できなくなった関係性のつらさが、画面の外側にいる私にも突き刺さります。

特に修復できなくなってしまったこと関係性が、ヒシヒシと伝わってきたシーンが、話し合いをするはずだったのに、いつのまにか感情的になって、言い合いになってしまうシーン。

物語冒頭、お互いの良い部分を語ります。

チャーリーは、ニコールの良い部分として、「人の話をよく聞くところ」を挙げます。

ニコールは、チャーリーの良い部分として、「相手の感情を冷静に受け止め、嫌な思いにさせないところ」を挙げます。

ですが、この言い合いのシーンからは、両者ともに、持っている良いところが見失われてしまっていることがわかります。

また、家具も少ない空白の空間が印象的な部屋で2人は言い合いをするのですが、その部屋はまるで、2人の離れてしまった心を距離を表すかのよう。

2人も距離も置いて、話し合うもんですから、離れてしまった心の距離がより強調されます。

そしてなにより印象的だったのが、お互いに言い合えば言い合う程に、相手より自分を傷つけているようで、これが本当に観てて辛かった。

2人の間にある溝は小さくも深く、もう完全に修復できないんだなと感じられました。

離婚により、互いに理解できるのか。

そもそも、「結婚している＝互いを完全に理解している。」わけではないのかもしれません。

そして、必ずしも結婚が、お互いを完全に理解させる訳でもない。

反対に別れによって、お互いを理解をできるという形もあるのかなと本作を観て思いました。

離婚がテーマとはなっていますが、決して「結婚したくないな」とは思わされません。むしろ、結婚ていいなと思わされます。

大切な人と観るのもいいかもしれません。

以上、独身一人暮らしサラリーマンによる戯言でした。

気になった方は是非。

では！