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身体運動学

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剣道をする前に人体の仕組みに関する基礎知識を身につけるマガジン 「剣道基礎理論」では、人体部位の専門用語の位置を把握していないと理解できない部分があるので、この記事で「股関節」「…
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2022年2月の記事一覧

「筋力・柔軟性」と、剣道の身体の操作に関して、もう一つ考えなければならない盲点「エネルギーの通り道(神経回路・空間・関節)」

「筋力・柔軟性」と、剣道の身体の操作に関して、もう一つ考えなければならない盲点「エネルギーの通り道(神経回路・空間・関節)」

天才と凡人の違いはエネルギーの通り方に問題がある。そこに気が付かないといつまでも「稽古量」「筋肉量」「柔軟性」「根性」などと、「エネルギー効率」という問題点にたどり着くことができない。この記事では「エネルギー」について、説明し、凡人と天才の違いのヒントを提供する

仕事

人体の身体運動は、動的筋収縮の連続として発現する。動的収縮をする時は、筋は必ずある筋力を発揮しながら動き、その結果力学の法則に

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身体物理基礎①「物理学」から剣道の理論を構築していく記事

身体物理基礎①「物理学」から剣道の理論を構築していく記事

前回、どのように身体が「重力」や「抗力」に対して作用するのかを理解しなければ、身体の操作自体そのものを語ることができないと述べましたが、今回はいよいよ「受動的な力:運動遂行者の意志によっては、ほとんど調整不可能な重力、風の抗力、浮力といった力」で特に運動に関わってくる「重力」を利用した動きを習得するための骨組みを1から造っていく記事となる。

人間でも、物体でも、運動そのものに着目すれば、それは「

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身体物理基礎②クローンの法則(摩擦)に乗っ取り、剣道場の床の摩擦係数と足の踏み込む角度に注意する

身体物理基礎②クローンの法則(摩擦)に乗っ取り、剣道場の床の摩擦係数と足の踏み込む角度に注意する

重力・地面反力と運動方程式はいかがでしたでしょうか。力学はもう一つ「摩擦」をやっていきたいと思います。この「摩擦」というのも地球上で生きている限り目をつぶることができませんが、「摩擦」が剣道にどういった影響があるのでしょうか。それではいってみましょう。

摩擦とは、互いに接する二つの物体が接触面に沿って相対的な運動を行うことを妨げる力である。静止した物体の間にはたらく静止摩擦(静摩擦)と、互いに対

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動作解析②「歩行の原則」を理解すれば、剣道が変わる!?「すり足」の土台「歩行」

動作解析②「歩行の原則」を理解すれば、剣道が変わる!?「すり足」の土台「歩行」

※この記事は理屈がバラバラと並べられて最後に「まとめ」ております。

剣道では「すり足」は基本だと誰もが言うことでしょうが、「すり足」とはなんでしょうか。その前に、人間が移動する手段として最もベースとなっている「歩行」について我々はどれくらい理解しているのだろうか?この「歩行」さえ、理解すれば「すり足」は、「左足が前に出ない歩行」と考えられます。この「歩行」という動作を分解することで、何故剣道が「

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動作解析③「打つ」:剣道の「打突」について語っていく。

動作解析③「打つ」:剣道の「打突」について語っていく。

全日本剣道連盟をはじめ多くの剣道指導者や権威者たちは「竹刀は刀である」という観念を持っている。そのため竹刀で「打つ」という動作について、「否、打つのではなく斬るのだ」と観念的に教えられるかもしれない。しかし、長時間鍔迫り合いをしている試合をみると、刀であんな鍔迫り合いしてたら指切れてる。しかも、刀は、右手主働で竹刀剣道の構えより足を広げるのがオーソドックス。竹刀は、そもそもヒトを斬ることを目的とし

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私が構える時、左踵を床に設置する理由 ~アキレス腱断裂対策~

私が構える時、左踵を床に設置する理由 ~アキレス腱断裂対策~

今回は、剣道で最も怪我が生じやすい「アキレス腱断裂」に対策をします。剣道で特に多いのは急な踏み込み動作や蹴り上げ動作におけるアキレス腱の断裂です。怪我をするということは、身体に対して無理な負荷がかかっているといえます。それでは、身体に負荷のかからない自然な動作とは何なんでしょうか。いってみましょう。

アキレス腱の作用

①バネ作用②スピード作用③受動的にエネルギーを貯める作用④動作効率をよくする

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骨盤対策:剣道人は背筋をピンと伸ばして構えるが背筋を正しく伸ばす「技術」を知らないとまったく意味がない

骨盤対策:剣道人は背筋をピンと伸ばして構えるが背筋を正しく伸ばす「技術」を知らないとまったく意味がない

剣道人といえば、特に高段者だと、胸を張って、背筋をピンと伸ばして姿勢が立派なイメージが大きいのではないでしょうか。私はそういうイメージです。そして、私も背筋を伸ばして胸を張って、顎を引いて構えていたのですが、これは、辞めました。辞めた理由と言うのを淡々と語っていく記事になります。そのためにも、骨盤・脊柱の正常な位置というものを自分の身体に当てはめて今一度考えるきっかけになれば幸いです。

骨盤とは

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