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vol.23 るきさんとヘムレンさん【手紙の助け舟】

みなさん、こんにちは。
喫茶手紙寺分室の田丸有子です。
急に涼しくなってきたと思ったら、ここ数日で冬のような寒さに早変わり。お変わりなくお過ごしですか。

少し前になりますが、ある書店で私の大好きな高野文子さんのマンガ『るきさん』の特集コーナーが作られていました。『るきさん』は1988年〜1992年に雑誌『Hanako』に連載されました。私はそのあと単行本になってから初めて読んだのですが、読むなりすぐに るきさんのファンになりました。るきさんは、華やかなバブルの時代に、日常のささやかな楽しみを積み重ねていく暮らしがステキだと気付かせてくれた人です。周りに乱されることなく何に対しても自分らしく自然体で振る舞う るきさんのようになりたいと願う私は一時期自分のハンドルネームを”るき”にしていたほどです。

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長らく読み返していなかったのですが、書店で見かけてから懐かしさが込み上げてきたので久しぶりに読んでみました。30年以上経っても るきさんは変わらずステキな人でした。スマホの無い時代、装いから漂うバブルの香り、性格が全然違う親友えっちゃんとの軽快なやりとり。どれもこれも懐かしく衰えることのない魅力に溢れています。だからこそ、こんなに年月を経た今も書店に特集コーナーができるのでしょう。多くの人たちの心を捉えて離さない普遍の面白さがあるのだと改めて納得したのでした。
そして私は るきさんを好きなもうひとつの理由を思い出しました。
るきさんは切手の蒐集家なのです。

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物語の中に出てくる切手蒐集家といえば、他にムーミンシリーズの登場人物、ヘムレンさんが思い浮かびます。実は私はムーミンを読んではいないのですが、ヘムレンさんのことは埼玉県飯能市にあるムーミンバレーパークに行った時にその存在を知りました。ヘムレンさんの切手コレクションは園内にある郵便局の壁に額に入れて飾ってあります。この郵便局のポストに投函すると本当に配達してもらえるので、園内で購入したポストカードを友人宛に出して楽しみました。

ムーミンバレーパークは湖と森をのぞむ緑豊かな気持ちの良い場所です。ようやく少し落ち着いてきましたから、近いうちにまた訪れて思い切り深呼吸したいものです。

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田丸有子(たまる・ゆうこ)|喫茶手紙寺分室 note ライター
手紙文化振興協会認定 手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。
切手に描かれている美術品や絵画の実物を鑑賞するための美術館巡りが趣味。目下ステイホームで始めたベランダガーデニングに夢中。
blog: CORDIALLY YOURS 手紙魔の手紙物語

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