誰かに贈りたくなる言葉#6 もうひとりの自分へ
短いけど、グサリと刺さる言葉ですね。
これは漫画『編集王』の主人公・桃井環八が編集長に啖呵をきったセリフです。
簡単にあらすじを書くと、網膜剥離でプロボクサーを引退した桃井環八が、幼馴染の紹介でマンガ編集部の一員となり、持ち前の度胸とシロウトならではの素直な物言いで人気雑誌のマンガづくりを変えていくストーリー。この作品を読んで出版業界に入った人も多いとか。セリフはアンケート至上主義の編集長に啖呵を切ったシーンからです。
アルバイトで入りたてのくせに、いきなり編集長への暴言!
自分の部下だったらどうしようとか、ドギマギしてしまいます(笑)。
アンケートであったり、発行部数であったり、定量的なものは確かに大事だし、僕たちの生活もそういったものに覆われていますよね。
「3年連続顧客満足度No.1」とか、「〇〇大学入学者数△△名」みたいなものもそう。
クチコミや評価なんてものも同じくです。
あれ、気が付けば、自分は自分の外側に支配されているのかも。だったら自分じゃない誰かでも同じなんじゃない?
どうしても目も耳も鼻も口も外側に向いているから、外のことばかりに気を取られてしまうのは人の性。
桃井環八は外を理由にして動くんじゃなく、自分の内側を理由にしようぜ!と言いたかったのかもしれません。
そういえば、仏像を彫る職人さんは、必ず最後に目を入れるそうです。その時どこを向いているように目を描くかご存じですか?
また聞きの話ですが、職人は仏様が自分の頭の後ろの部分を観るように彫るのだそう。
実際には見ることはできないのではあるけれど、どこから拝んでも何かこちらを観ているような、観ていないような表情を醸し出してくれるのは、そんな匠の技なんでしょう。
仏様も外を観るより内を観ようとするならば、僕たちだってそうするのは必定?!
みなさんは、「じゃあじぶん、いらないじゃん!」なんてもう一人の自分に言われたりしていませんか?
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