いつの間に度胸がついたのか。

保育園時代の娘を一言で表すと、究極の人見知り。新しい環境や場所がとにかく苦手。知らない子の中に入ることは絶対にしないし、むしろ華麗に避けまくる。
スーパーのお菓子コーナーは子どもの溜まり場だが、そこにひとりでも子どもがいるとどんなに欲しいものがあっても絶対に立ち入らない。それがヨチヨチ歩きの赤ちゃんだったとしてもビビり散らかして、そこからいなくなるのを陰からずっと見守っていた娘の背中をこれまで何度見たことか。保育園に通った5年間ずっとそんな調子で過ごしていた筋金入りのやつだ。
踊ることが大好きだから近くのダンススクールにでも通わせようかと体験に行ったときには教室の端っこでずっと警戒して、話しかけてくれる子にも見事な人見知りを発揮し、私の膝の上から1歩も動かずに終了した。唯一やったことといえば始まる前の検温だけだ。これは通わせるなんて絶対に無理とすぐに悟った。むしろ可哀想なことさせたなと猛烈に反省した。
そんな様子だったので、卒園してから小学校入学までの数週間、これから先どうなってしまうんだろうと毎日気が気じゃなかった。よりによって娘の学区は保育園の同級生がひとりもいない学区で、知らない人しかいない中にひとり飛び込んでいかなければならなかった。究極の人見知り娘にとっては地獄のフルコンボ状態だったろうと思う。
私もこれまでフルタイムで働き詰めだったが、こんな性質を持つ娘の環境の変化はちゃんと見届けてあげなければいけないとパートタイムに切り替えた。入学早々学校行きたくない!なんて全然ありえる。想像できる。
私も不安いっぱいでスタートした小学校生活だったのだが、当の本人はものすごいスピードで友達を作っていった。え?どこにあったのそのコミュニケーション能力。自分から話しかけて友達になろうと言っただと?誰あなた?としばらく頭が混乱した。母は知らないぞそんな一面。いつ備わった。
毎朝友達と楽しそうに学校に行く姿を見てようやくあ〜良かったと安堵する。きっと初めての連続に緊張することがたくさんあっただろうし、ものすごい勇気を出して行動したこともあったかと思う。すごいよ君は。
私の膝の上から1歩も動けなかった娘がいつの間にか自発的に行動してビューティフル小学生ライフを謳歌している。親が子どもに教えられることってたかが知れてるんだな〜としみじみ思う。あれだけ心配していた娘が、新しい友達先生との出会いや学校生活を送っていく中で日々色々な事を吸収して急成長している。なんだか羨ましい。出来ることなら私も小学校からやり直したい。
例の一件ですっかり諦めていたダンススクールにも最近通うようになり、毎日家でスピーカーがんがんに曲を流して初めての発表会に向けて自主練の鬼と化している。
保育園の発表会では本番前に大泣きして先生の抱っこで登場していた娘が、もっと大きな舞台でダンスを踊る日がくるなんて当時はまったく想像が出来なかった。
本当に子どもは無限大の可能性を秘めている。大人が想像しているものを簡単に超えていく力がある。
まだどうなるかは分からないけれど舞台に立って踊る娘の姿を見ることが出来たら、どんなに堪えようとしたって泣いちゃうんだろう。
学校行事や習い事で子どもの成長を見たときってなぜ泣けるんだろうと考えてみたら、それ自体に感動しているのと同時に、育ててきた月日を思い出してよくここまで育てたな私最高。というちょっとご自愛激しめモードになっていることに最近気付いた。痛い。痛すぎるけどきっと私だけじゃないと信じたい。
これからも全力サポートをして、自己愛パロメーターが振り切るくらいの悔いのない日々を送るぞー!

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