【感想】中国・SF•革命
今の時代を彩る中国に纏わるSF短編小説が纏められた本です。
各作家にカラーがあり、楽しんで読むことができました。
以下、感想です。印象に残った話のみピックアップします。
「トラストレス」
近年流行っているIT技術「ブロックチェーン」をキーワードとしてケイティとその周りの人達との「信用」について心情が揺れ動く様が印象的でした。
「阿房宮」
アグーと始皇帝のやり取りが面白かったです。また短い小説ながらも秦の時代から現代まで繋がる壮大なファンタジーは、中国4千年の歴史の成せる業だと思います。中国人は帝国主義や現代の共産主義に思うところがあるのだろうか…とも思わせる内容でした。あとオチは心の中でコケてしまいました。
「移民の味」
この話の中での日本はどうなっているんでしょうか…。何となく滅びたか、中国に吸収されてしまったのか。側から見れば小さい事なのに、自分の心の中で想いが大きくなってしまって周りと上手くいかない日系中国人と自由奔放で良いものは良いって感じのアメリカ系中人のお話。私日本人としては、宇都宮餃子が食べたくなるお話でした。何やかんや、中国では日本の事好きな人多いですよね。
他にも、黄色人種の方が白色人種よりもSFの審査が通りやすい話や中国が征服によってSFを盛り上げてる話など、様々なお話や考察があって面白かったです。
今後も中国SFから目は離せそうにないですね。
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