【まとめ】皆まだ理解しきってない、評価経済社会
「評価経済社会」という言葉をご存じでしょうか。私としては「ポピュリズム」の類似語だと考えています。
この言葉は岡田斗司夫という方が書いた本が元となっています。Amazon Primeメンバーは無料で読めるので、是非読んでみてください。私は名著だと思います。
インターネットが一般家庭に普及してから、徐々にパラダイムシフトが進み、コロナ禍で完全にパラダイムシフトが加速しました。流石の私達も生活の変化が至る所でわかるようになったのではないでしょうか。例えばテレワーク、Paypayのような仮想通貨、アレクサのようなAIスピーカー、etc。正直キリがありません。
しかし、本書はこれらの生活シフトは序章に過ぎないことを示唆しています。「評価経済社会」とは何なのかについてまとめていきたいと思います。
1. パラダイムシフトによって起きた価値観の変化
世界の歴史を振り返ると、人類で起こった最大のパラダイムシフトは2回起きています。1回目は農業革命、2回目は産業革命です。
農業革命とは、食べるために狩猟が中心で、獣を追うために移動しながらが定番だった時代に、水田を作り、水田の周りに定住するようにシフトした時代です。そのため狩猟民族の生活様式が「古い」ものと変化し、計画的に稲を育てる生活が定着しました。
産業革命は、蒸気機関によってモノづくりの生産性が高くなったり、蒸気機関車によって、遠くへ多くの物資を移動できる手段を手に入れることが出来ました。これによって、馬に乗ってる人が「古い」ものとなりました。
この二つの革命は当時の人々にどのような価値観を与えたのでしょうか。
ここでは、産業革命時の価値観から現代の変化に触れたいと思います。
産業革命時代は、今までキリスト教の牧師から言われた神の啓示を実行すれば幸せになれるという価値観から、科学技術が私達を幸せにするという価値観にシフトしました。
しかし、現在私達は科学技術を当たり前に使いながらも既に科学は私達を幸せにすると考えられなくなってきます。
堺屋太一の著書「地価革命-工業が終わる 地価社会が始まる」で書かれている「やさしい情知の法則」が使えます。
「やさしい情知の法則」=「どんな時代でも人間は、豊かなものをたくさん使うことは格好よく、不足しているものを大切にすることは美しい、と感じる」
一昔前の日本高度経済成長期、日本は「モノ余り、時間不足」の時代でした。「24時間、戦えますか」とCMで流れるほど、日本人は猛烈に働き、品質の高い製品を作り続け、経済大国となりました。しかし、自分の時間というのは無くなっていました。
しかし、今流れているCMはどうでしょうか。「働くな、ニッポン」。大分変りましたね。モノもカネも現代は余っていて時間が足りないという状況が起こした結果だと解釈できます。
それでは「時間がなくなった人達」が求める価値とは何でしょうか。著者は次のように述べています。
本質ではなく、"自分の気持ち"でのみ値打ちを計ろうとしている。自分の気持ち以下の値打ちしかない「科学」。
これが、評価経済社会で求められる価値です。「自分の気持ち」が第一であり、それらは「科学」や「経済」だけでは手に入らない価値なのです。
2. 評価経済社会とは何か?
現在、インターネットが普及し、誰もがYouTubeやTikTok等のソーシャルメディアを使い情報発信ができるようになりました。世界中から情報が集まってきて、その中の好きなものを選べるようになりました。しかし、これらは本質ではありません。筆者は次のように述べています。
しかし情報化社会の本質とは、「世界中の小さな事件の客観情報まで入ってくる社会」ではありません。「大きな事件の解釈や感想が無限にあふれ出す社会」なのです。
この辺りの話は例を挙げるとYouTuber、Instagramer、Twitterのフォロワーが多い人が挙げられます。フォロワーが多い人達は何だか胡散臭いのが現状なのですが、こういう人達が今後スターダムの地位を確立することでしょう。
影響力を持つ人が権力を持つようになってるのはトランプが大統領になったのが良い例ですね。元々トランプは昔の有吉弘行みたいに毒舌を武器にメディアで注目されて人気を集めていました。そのため多くのファンがいて、ヒラリークリントンを押し除け見事大統領に就任しました。また、トランプが大統領選挙に負けた後も根強いファンが存在しているため2021年6月に政治活動を再開しています。
また、オンラインサロンは正にこの評価経済に基づいたサービスとなっています。影響力を持つ人に「お金を払って」仕事を分けてもらっているため、成果物はFREEのコンテンツとなり消費者に提供できます。
多くの芸能人がオンラインサロンを始めだし、既に成果物は一般消費者の目にも止まるようになってきました。プペルが1番分かりやすい例ですが、あれは映画館で見せるべきではなく、FREEコンテンツとしてYouTubeに流した方が良かったと個人的に考えています。オンラインサロンのメンバーからお金を貰って制作してるので、フリーコンテンツとして提供するのは可能だったはずです。結果として話題にはなりましたが、一般にまでプペルが普及したかといえば、微妙な所です。
続いてサラリーマンの働き方についての変化について見ていきましょう。
今までは福利厚生と給与が十分だった企業が人気でしたが、これからはそうでなくなるでしょう。団体から個人の時代になった場合、老後資金はidecoやNISAで自分で管理するし、給与よりも「やりがい」や「定時で帰れる」方が嬉しいのです。さらに有名になりたければ、誰もが評価しやすい企業のサービスやプロダクトがあると良いでしょう。例えばGoogleやAmazonは多くのユーザーが利用しています。だから入りたい人気企業になる訳です。10年後、新卒が入りたい企業に従来の日系企業が並んでいるとはどうしても考えにくいです。
ベンチャー企業については、私は著者との意見と食い違います。2000年代のベンチャー社長は個性的な方が多かったのですが、現在の社長はあまりメディアに露出することもないため、必ずしもベンチャー企業に行った方が良いとは思いません。また、ベンチャーは上場する可能性のある企業のみが従業員の価値を上げます。ベンチャーはピンキリなので、業界を目利きできなければ自分も潰れてしまいます、そのため目利きする自信が無ければひとまず日系企業で力をつけてから挑戦する方が良いかと思います。
それよりもどんなサービス•プロダクトを提供しているか確認しましょう。社会にどうやって貢献しているかが分かりやすい企業にいることが大事です。その上で、自分が何ができるか、どう生きたいかが見えてくると私は考えています。
日本は「貨幣経済大国」の地位が失われつつありますが「評価経済大国」です。他の国はオンラインサロンのような文化がまだ出来上がっていません。せっかく日本に生まれたなら、この文化に乗り遅れないようにする方が人生面白そうだと思いませんか?
以上でまとめは終了です。それではまた!
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