They make me special
最初で最後
バイクで時速100キロくらいを平気で出す、友達の後ろにいつもビビりながら、しがみ付いて練習場に行ってた僕。
ノンヘル(ヘルメットを被らない)で100キロのバイクは怖すぎる。向かい風が凄すぎて目がとっても乾き、いつも目から4.5滴の涙が出てきてた。
いつも「事故ったら、あの世行きだろうな」って思ってたからかな。
そんな出来事も今日で終わり。
8月30日で契約が切れても、少しこっちでやる事があったので練習を参加させてもらってた。
そう「させてもらってた」
こういう言葉を使う側になってしまった。
いつも通りグラウンドに着いて、いつも通りにスパイク履いて、仲間と走ってトレーニングして、ストレッチして終わる。
と、思ってた。しかし今日ばかりは違った。
練習が始まって直ぐに、集中豪雨が…。
練習は一時延期になり、みんなで雨が止むまで待機していた。タイで生活していて豪雨は珍しくないのだが、僕は練習中に豪雨で練習が出来ないということは今まで経験がなかった。
少しでも長くこのグラウンドにいさせてくれるためだったのかもしれない。
まるで、天気は僕の気持ちを表してくれているようだった。
雨が段々と弱まってきたので、練習を再開。終わる頃には雨はどこかへ行き、代わりに太陽がいた。
やっぱりタイはそうでなくては。おかげでグラウンドとは明るい気持ちで別れる事が出来た。
監督や指導者に挨拶へ行き、監督とは再度11月にチームに戻ってくるという話をした。
やる事を全て済ませて、チームメイトのバイクの後ろに乗った。
グラウンドを出た二個目の信号に、他のチームメイトが信号待ちをしているのが見えた。その数6台。
その子達が信号待ちしている時の会話に、ちょこちょこ僕の名前を出していた。僕は分からないのでただ、それをボケーっと聞く。
しかし、青信号になった瞬間会話の内容は分かった。
左の車線に綺麗に縦1列、バイクが6台並んだ。僕は何でこんな事をしたか分からなかったが、感動してしまった。
タイのバイクに乗っている人たちは基本スピードをめちゃくちゃ出す。それが綺麗に40〜50キロくらいで縦一列で走っている。笑い少し感動してしまった。
「こんな規則正しく運転出来るんや」と。
そして、それに感動していると誰かが大声で歌い始めた。すると、釣られて皆んな歌う。
何の歌か全く分からないが、僕のために歌ってくれていたのだけは分かる。
みんなとはタイ語が話せずコミュニケーションが上手く取れなかったが、僕はチームの一員として認められていたのだなと感じた。
言葉は通じないけど、やっぱり皆んな見ていてくれたのだなと。
ここには絶対戻ってこよう。そう強く思わせてくれた。
チームメイトは別れ道が来るところまで歌っていた。
気づくと向かい風で涙が出てきたので、その時にふと、バイクのスピードのメーターを見ると「42」と出ていた。
行きの100キロの時よりスピードが遅いはずなのに、何だか涙の数が多く出てるように感じた。
また、2ヶ月後に皆んな会おう。
秋風に当たりに少しだけ日本に行ってきます。
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