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離乳食、朝昼晩のどこで行うか問題〜食物アレルギーの可能性も加味して〜

離乳食を進めるにあたって親側が設定しなければならないことは、【食の環境】のみ。環境を細分化すると、以下の5点になります。

①なにを
②いつ
③どこで
④誰と
⑤どのような雰囲気で

今回はこの中の【②いつ】について考察していきたいと思います。

離乳食初期は「1回食」から始めます。1日のうち、朝昼晩のどこかで1回、食べ物をあげると言う意味です。

朝または昼に1回食をするメリット

・小児科の診療時間内なので、アレルギーや窒息等があった時に病院にかけこめる可能性が高い
・上の子が幼稚園など外に出ている場合、赤ちゃんとの時間を取りやすい

夜に1回食をするメリット

・家族でゆっくりと食事を楽しむことができる
・食事後すぐにお風呂に移行しやすい

ただし、朝でも時間に余裕のあるご家庭はあるでしょうし、家庭の状況と生活スタイルによって1回食のタイミングを決めるのが良いのではないかと思います。

うちの場合

にの家ではいま、主に夜に1回食を行っています。
朝)
上の子の幼稚園に行く準備でバタバタしているのでゆっくり食事をする時間がない。また家族で起きる時間が違うので一緒に食事を取ることができない。
昼)
仕事や買い物、幼稚園の行事など外出の機会が多いため、毎日決まった時間に食事の準備をすることが難しく、食事のリズムを感じてもらいにくい可能性がある。
夜)
家族でゆっくりと食事を取る余裕がある。また、にの家のタイムスケジュールでは晩ごはんの時間は小児科の診療時間内であり、窒息の際に対応してもらうことが可能。アレルギーは数時間後に症状が出た場合間に合わない可能性がありますが、24時間診療している病院も遠くありません。そしてなにより、汚れたあとすぐにお風呂に入りやすい。手づかみ食べのデメリットとしてはなにより【汚れること】が挙げられますので、個人的にこの点は重要です。

食事を含めた生活のリズムを確立していきたいので、夜は基本的に毎日離乳食の準備をしているのですが、最近はわたしがお昼ご飯を食べているときに興味深そうにこちらを見たり、「うーうー」などと言って手を伸ばしてくることもあります。そういった時にはわけられるものをわけたりして、お昼ご飯も一緒に食べることがあります。

授乳・離乳の支援ガイドには「離乳中期には1日2回にする」との記載がありますが、1回食とされている時期においても赤ちゃんが食べたそうなら2回食になっても良いし、食べたくなさそうならスキップしたって全然OKと考えています。食べるか食べないかは親が決めることではなく、赤ちゃんが決めることなので、赤ちゃんの様子を見ながら、赤ちゃんに聞いていけたら良いなと思っています。

追記①#8000番について

子ども医療電話相談事業をご存知でしょうか。
365日、19時から翌朝8時まで、小児の発熱や嘔吐など夜間の急な症状について、どのように対応したら良いか、病院にかかったほうが良いかなどを電話で相談できるサービスです。
食物アレルギーで注意を要するのは即時型であり、通常食べてから20〜30分以内に嘔吐などのアナフィラキシー症状が出ますが、稀に3時間以上経ってから症状が出る消化管アレルギーもあります。
夜の1回食だと数時間後のアレルギーにはかかりつけ医が対応できないことも多いので、#8000だったり、近くの夜間救急病院を確認しておくと安心です。

追記②アレルギーを起こしやすい食材について

食事のリズムを感じてもらうことは大事ですが、アレルギーを起こしやすい、卵、牛乳、小麦などは無理に夜に1回食で行う必要はありません。これらの食材は平日昼間に試してみることをオススメします。
また最近の研究では、初めて食べる前に、皮膚から食べ物の成分が体内に侵入すると(経皮感作)、その食物アレルギーを有しやすくなってしまうということがわかってきたため、これらの食材は最初から手づかみ食べで行うより、スプーンで一口から試すほうが安全だと考えています。特に食物アレルギーを持つ子はこの20年で2倍に増え、2歳児の約10人に1人がアレルギーを持つと報告されています*1。
手づかみ食べをベースにしつつ、柔軟で丁寧なアレルギー対応をしていきたいと思っています。

*1:1 World Allergy Organ J. 13(11), 2020


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