歯医者を上手に使う方法

歯医者に上手に症状を伝える方法を書いたら、「歯医者の上手な使い方も書いてもらいたい」とのお声をいただきました。

歯医者の上手な使い方、難しいな〜?と思うんですが、患者さんの目的と価値観に合わせて、良い歯医者さんを見つけることが上手な使い方の第一歩なのではないかと思います。

☆目的☆
①虫歯や歯周病を治療したい
②口の中を健康に保ちたい
③口の中を健康に保つことで全身も健康にしたい

どれですか!

どれですか!って言われてもって感じだと思うんですが、どれかによって出会う歯医者って変わってきます。たぶん。縁とか引き寄せとかだけじゃなく、そういう歯医者を見つけるアンテナみたいなものが立ちます。たぶん。

①→②→③の順に健康への意識は高くて、①なら最低限どこの歯医者でもやってることなのでどこに行ってもある程度同じ結果が得られると思うんですけど、③ならやっぱり全身的なことまで診てくれる歯医者さんを探したほうがいいです。全身的なことってなにも整体みたいなことをしてる病院じゃなくても、「虫歯になったので甘いものを控えましょうね」だけじゃなくて「全体的な食事と生活を見直すと身体にも口にも良いですよ。例えば身体のことだと…」とか、そういう全身的なアドバイスをしてくれる病院のことです。

アドバイスはとっても重要だと思ってて、家でできるケアの仕方を伝えない病院は変えても良いんじゃないかと思います。じゃないと同じことの繰り返しになるので。
虫歯や歯周病や顎関節症になったらなったなりの原因があるはずで、原因を説明してその原因に対していまどう対処するか、今後はどうしていけばいいかを説明してくれる病院は信頼できると思います。
「歯のことなんて詳しく話されてもわかんない」と思われるかもしれませんが、説明を面倒くさがっているのかいないのか、伝えようとしているのかしないのかは判断できると思うので、なんとなーく「ウマが合うな」と思う歯医者さんを見つけてください。

日本は皆保険があるから建前上「どこに行っても同じ値段で同じ治療」となってますし、使える薬剤や機材なんかも決められてるんである程度それは正しいんですけど、歯医者側がどういう風に病気を見てるのか、その捉え方と対処の仕方が自分の価値観にあってるかどうかを見ていくしかないのでは…と思っています。歯とお金と時間を天秤にかけて、この辺が良いなと思うところをやってくれる歯医者さんを見つけることなのかなあ。と言っても医学的に患者さんの意思を尊重できない場面もあるので、そこは軌道修正してくれるなら尚のこと良いかも。

自分もかつてドクターショッピングをして回った経験がありますが、医者は行ってみて自己開示をしてみないと合うか合わないかわからないからほんとに難しいよね。そのへんの食堂なら味が好きか嫌いかで単純に判断できるんだけど、医者は必ず何らかの自己を差し出さないと対価が得られないからね。口腔内もなかなか自己開示をためらう部位なのもわかります。しかもラポール(信頼関係)がとれるまでにある程度時間もかかるので、1回や2回で諦めるのはよほどの理由がない限り違う気もするし。疑ってかかるより信じてかかるほうが良いのはもちろんなんですが、目的があるならばドクターショッピングも全然アリと思ってます。もちろん節度は持った上で…。
あと最近は小児歯科で妊婦教室やってたり、食育講座をやってたりするところもあるので、そういうイベントから歯医者さんのことを知りに行っても良いと思うんです。必ず予約はしてから行ってほしいんですが、気軽に色んなところに飛び込んで試して探してほしいなと思っています。
使い分けも(歯医者と患者の両方が納得すれば)全然良いと思っていて、例えばうちの患者さんでは「ここは別の病院に水素治療してもらうから、こっちの治療だけして」って言う方がおられます。「あ、オッケーです〰」って感じです。水素治療がなんなのかはわからないのですが、患者さんが納得してできる治療が一番なので。医療は患者さんのためのものだから。

歯医者側からするとですね、一般歯科で言えば、やっぱり予防が一番なので、クリーニングと一緒に虫歯がないか確認+噛み合わせのチェック(メンテナンス)に定期的に来てもらうのが一番良いと思います。最近はコロナで受診を控えておられた方が、急に痛みが出て駆け込みで来られることが増えています。それまではずっと数ヶ月に一回のメンテナンスに来られてて、必要があればメンテナンス時に噛み合わせを調整したりしてたのですが、1年ほどその機会が失われるとこうなるのか…と思いつつ、今の状態からどう良い状態に持ってくか悩んでいます。一度悪くなったものを良かったときの状態に完全に戻せるかと言われれば、難しいこともあるし、治療のための時間もかかります。最近本当に多いんです。多いんですよ…。コロナいつ終わるの?
こういった最近の事例からも、定期的なメンテナンスはやっぱり意味があるんだなと思っています。メンテナンス時に全身の健康状態のヒアリング→なにか情報提供できそうなら提供という形で健康への関心を継続させてもらえるのが良いのかな。

患者さん側が主体性を持った上で、うまく歯医者を利用していただけたら。無理難題を言われるのは困るんですが、どう対応していくかに歯医者側の人間力も現れるんじゃないかと思っています。歯医者に限ったことではないのですが、「対等な立場で、常に自分が選ぶ」「信頼関係を構築していく」ことをしていけたら良いですね。ほんとにこれは歯医者に限らないから生き方の問題なのかもしれない。歯医者を選ぶときに生き方も見つめ直せるかもしれないです。良かったらご参考までに…。

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