歯医者に上手に症状を伝える方法

医師に症状をうまく説明する方法「変化」を伝える大切さという記事を読んだので、歯医者さんにも症状をうまく説明する方法を書きます。

歯科でも症状の変化が大事で、特に医師側は「痛みと時間の経過をグラフ化できるように」症状の変化を聞いていくので、痛みが時間の経過とともにどう変わっていったか教えてもらえたら予測が立ちやすいです。

例えば、「一週間前すごく痛くて、それからちょっと痛みは収まったんだけど、痛かったり痛くなかったりで、今日はまた痛いね」という症例について考えてみます。痛みの程度を縦軸において、時間の経過を横軸とします。

今の時点ではこういうプロットになります。点の状態では症状への理解が難しいので、これを線でつないでグラフ化していきます。

この症例だと、グラフを作るために聞いていく項目はこんな感じになります。

①「一週間前痛かったのは、なにかされてからですか?」→きっかけに対する質問。冷たいものを飲んでからだったら、以前にもそういったことがあったのかないのか聞く。忘れてるだけで「そういえば前にも…」と言う場合は、グラフの過去を書き足す。

②「痛み止め飲まれました?」→痛み止めを飲んで症状が落ち着いたのか、何もせずに症状が落ち着いたのかを聞く。痛み止めを飲むほどの痛みだったのか、そうではなかったのかという痛みの程度、痛み止めが切れてまたいたみがでて痛みが出たきっかけとの関係性などもわかる

③「いま、何もしなくても痛いですか?」→自発痛か、誘発痛かに関する質問。何もしなくても痛いか、冷たいものを飲んだときに痛い、噛んだときに痛いなど特定の条件下で痛むのかを聞く。

患者さんが「一週間前に硬いものを噛んだらガリって音がして、それから痛くなった。放っておいたら痛みが収まったから、痛み止めは飲んでない。痛かったり痛くなかったりしてたけど、今日のお昼に冷たいものを食べたら急にしみて痛み始めた」とおっしゃるなら、グラフはこうなります。

「一週間前に痛みはじめたとき、ちょっと放っておいても良くならなかったから、痛み止めを飲んだ。3日前にちょっと痛みが出てきたときも、仕事に支障があると嫌だから、痛み止めを飲んでた。痛み止めを飲んだら痛みは収まった。昨日は痛み止めが切れて飲まなかったんだけど、今日来るまでの間にどんどん痛くなってきてる。今は何もしなくても痛い」なら、グラフはこうなります。点線は痛み止めで痛みがカバーされた部分。

ここまでグラフが書けたら、病態のイメージがつかめ、治療の流れ、治療で使う薬剤、今日どういう状態で治療を終えるのか、投薬の必要性などもだいたい予測が立ちます。

ちなみに1個目のグラフのときと2個目のグラフのときとで、歯科医師側が想定する病態は全然違います。治療の流れも違うし使う薬も違うしどういう状態で治療を終えるかの予想も違います。

問診だけじゃなくて、もちろんこの後、視診、打診、電気診、レントゲン写真、歯周検査、咬合診査など必要だと思われる検査をしてから確定診断になりますが、問診の段階でここまでグラフ化されてたらあとがスムーズ!患者さんの時間も歯科医師側の時間も節約できてWin-Winですので、良かったら「痛みの程度と時間の経過を言ってみる」ことを試してみてください。

患者さん側だけじゃなくて、歯科衛生士や歯科助手も、ここまで聞いてくれたらDr.はたいへん助かるし泣いて喜びます。ぜひ聞いてあげてください。

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