河原の石拾いの楽しみ方
前回の 海辺の石ひろいの楽しみ方|やひもふか |note
に引き続き、河原での石拾いの楽しみ方、
水辺の石拾い第2弾です。
海がない県はあっても川がない県は恐らくないので、みなさん楽しめると思います。
海辺をみたあと河原へ移動
沢山の石が転がっています。
色々な種類の石が見つかりそうですので、
今回はそれぞれの石の簡単な見分け方を紹介できればと思います。
石しかないということは、水につかったり、流されたりして
植物が生えられない場所ということです。
河原は水没する場所なのです。
天気の急変に注意しましょう。
色々な岩石
先に訪れた海辺と同じ安山岩が見つかりました。
この川の上流に溶岩や火山があると考えられます。
確かにこの川の水源付近に安山岩からなる火山があります。
穴の開いた石
沢山穴の開いた軽石のような、
でも
軽くも、もろくもない石が見つかりました。
よく見るとキラキラした透明や白、黒の小さな点が沢山見えます。
石英や長石といったマグマに含まれる鉱物です。
つまりマグマからできた火成岩ということになります。
ここから、マグマに含まれるガスが抜けてできた穴であると推測できます。
マグマのガスはほとんどが水蒸気なのですが、一般的に
ガスが多いほど激しい噴火になるので、
穴の多い火山岩は激しい噴火の証拠といえるでしょう。
ちなみにこの川の上流は激しい噴火の痕跡がいくつもあるので、
どの噴火のものかは残念ながら私は特定できません
噴火の証拠といえる石は日本では沢山見つかります。
例えば、森を飲み込んだ溶岩を割ると、中に黒い筋が見つかることがあります。
これは溶岩に飲み込まれた木が燃えるときに出した煙のあと、
いわば煙の化石です
ゼブラ柄の石
ゼブラ柄の石を見つけました。
これは溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)という石です。
火山が激しく噴火すると、
軽石、火山灰、火山ガスなどが高温のまま巨大な雲になって
地表をなめていく火砕流(かさいりゅう)が発生します。
火砕流に含まれる高温の火山灰や軽石は通った後の場所に降り積もります。
そして自分の熱に耐えられず溶けて固まって石になります。
特に軽石はもろく、ガラスに近い成分ですので、
溶けて重さで押しつぶされ、黒いキラキラしたレンズ状の模様になります。
これは高温の火山灰と軽石が高速で流れ下り自分の熱で溶けて固まった岩石なのです。
固く丈夫なものは石材に使われます。
ちなみにこれは熊本県の阿蘇山の9万年前の大噴火阿蘇4噴火の堆積物と
思われます。
この噴火大変激しく、
火砕流や火山灰が隣の福岡県や大分県にも広がり、
焼け焦げた大木が地中からいくつも見つかっています。
石の見分け方(かたさ)
河原を歩いていると、丸い石だけではなく、角ばった石も見つかります。
一般的に角ばった石の方がかたい、削れにくい石です。
例えば海辺で宝石の原石、ヒスイを探すときには、ほかより角ばっている石を探すのもポイントになります。(ヒスイはかたい)
また、ガラス分の多い石も角ばった割れ方をすることがあります。
上の石のようなスプーンでプリンをすくった跡のような割れ方は
黒曜石など、ガラス分の多い石によくある割れ方です。
こういう割れ方の石は、中にきれいなメノウや黒曜石、碧玉のような
きれいな石が入っているかもしれません。注意深く見ていきましょう。
やわらかい石
ばらばらに割れた白い土の塊が沢山落ちています。
どろだんごづくりに使えそうなさらさらの細かいチョークのような砂の塊
です。
これはシルトと呼ばれる、泥より荒く砂より細かい粒の層です。
もろくて簡単にぽろぽろ崩れます。
「なんだ泥か、、、」と思うのは少し早いかも。
この泥は川や湖の底にたまります。その中には、落ち葉や、生き物の死骸も混ざるので、この土の塊の中から、よく化石が見つかります
シルト岩は割とどこでも見つかるので注意深く探してみましょう
うし柄の石
うし柄の石が落ちていました。
白黒、どちらの部分にも斑点があり火山岩ということが分かります。
これは地下で2種類のマグマが混ざる「マグマ混合」の途中にある石です。
一般に、黒っぽいマグマは鉄やマグネシウムが多く、
白っぽい石はガラス分が多くなります
しましまの石
縞模様の石を拾いました。
縞模様の石は、結構全国色んな所で見つかりますし、きれいで色んな人が拾いますから、紹介します。
これは、結晶片岩(けっしょうへんがん)という石です。
海底の泥や砂が、長い時間をかけて、
圧力や熱を地下で受けて白と黒の層に分かれたものです。
良く庭の置石や、アクアリウム用の石にされています。
元の砂の成分や、受けた熱や圧力の違いによって、
緑やピンクなどいろんなレパートリーがあります。
探してみてください。(緑色片岩・紅簾石片岩)
石ではないもの
薄い平たい板を見つけました。
恐らく奈良時代の瓦のかけらです。
瓦は昔は貴重品だったので役場など公の建物にしか使われませんでした。
川は水のが簡単に手に入り、船での行き来もできるので、古代の人々が
集落を作っていた場合がよくあります
似た見た目のものにレンガがありますが、
レンガは全体が均一に焼けていますが、土器や瓦は表面に薄い層があるので見分けがつきます。
マーブル模様の石
真っ白な中にうっすらとマーブル模様が入っています
これは流紋岩(りゅうもんがん)という石です。
ガラス分が多いため白くなっています。
マグマはガラス分が多いほど粘り気が増し水あめのようになります。
そんな水あめのようなマグマがゆっくりと練るように流れることでこうしたもようがつくのです。
白っぽい、ガラス分の多い、粘り気の強いマグマは、
激しい噴火になりやすいけいこうがあります。
激しい噴火の形跡ばかりが流れ着いている川だと言えるかもしれません
今回の川原の石探しはここまで。
今回は紹介しきれなかった石がまだ結構ありますし、
火山岩に偏った紹介になってしまったので、
次回は場所を変えてほかのくくりの石も紹介していきたいと思います
最後までありがとうございました。
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