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ドラムメーカーはSNSをもっと頑張れば良いのに。#マーケティングトレース


こんにちは。ChapmanのTeeです。

年末年始に絶対やろうと思っていた、日本の主要ドラムメーカーのSNS分析を軽くやってみました!

見てみると、まだまだ隙だらけだなぁと。どのメーカーも、明確なKPIをもって運用しているとは思えません!w

さあ、この中から一歩抜け出すのはどのメーカーなのでしょうか!?

はじめに

今回SNS分析をしたのは日本のドラムメーカーの中でも主要と言える3メーカーで、YAMAHA、Pearl、TAMA(星野楽器)の3社となります。

各社共に大変歴史の長いメーカーで、アーティスト達に愛され続けているメーカーです。

ドラムを叩いている人なら、始めたての初心者~上級者、プロまで、知らない人は居ないであろうし、SNSアカウントを作るだけである程度フォロワーは稼げるよね、というような3メーカーとなります。

今回は、マーケティングトレースの基本であるSTPや4P分析はせず、シンプルに各社のSNS運用を見ていて思ったこと+自分がSNS責任者だったら、という目線でマーケティングトレースします。

企業としてのマーケティングトレースではないので、細かいデータ等は割愛します。悪しからず。

僕が一番好きなメーカーから!「Pearl楽器製造株式会社」

Pearl楽器製造株式会社は1952年設立の、ドラムセットや吹奏楽・オーケストラ等で使われる打楽器、更にはフルートを製造している楽器メーカーです。

僕も昔から大好きで、沢山のPearl製楽器を愛用しています。

〇Pearlが運用しているSNS(Instagram/Facebook/Twitter)

・Instagram

更新頻度:2〜4日に1回

内容:広告やキャンペーンのクリエイティブ、カタログ用と思われる画像が殆どで、インスタグラムの為に用意されたクリエイティブは殆ど無さそう。他SNSと共用の場合もありますね。

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ウォールもご覧の通り、ぐしゃぐしゃです。

キャンペーンの訴求や新商品紹介が多い中で、カタログ用に撮影したと思われるクリエイティブを使いまくっているのも特徴。

プロクオリティの写真ですがインスタ用に用意されているようなものではないし、文章にも工夫が無く、ハッシュタグのみ記載し投稿されています。

新商品紹介のクリエイティブは、商品についての説明文が書いてあったりするけど、Instagramってこういう運用じゃ絶対うまくいかないですよね。。。

ストーリーハイライト:新商品の動画が載っていますが、今は運用されていないっぽいです。勿体ない。。。

フォロワー:4000人弱。まだまだこれからってところでしょうか。

・Facebook

更新頻度:月に70回ほど!(?)

内容:カタログや、雑誌広告用クリエイティブと思われるものが多い。インスタと同一の投稿も当然あり。

最近だと、アーティストお気に入りのシンバルを紹介する、#MYBESTCRASH by SABIAN Family「I LOVE HIT」等が多め。(※PearlはSABIANというシンバルメーカーの総合代理店でもあるのです。)

こういう、アーティストを抱えている楽器メーカーだからこそできるコンテンツは本当に素晴らしいと思います!

1日1スティックという、その名の通り1日に1種類のスティックを紹介するコンテンツもあり、コレもスティック選びに困っているドラマーにとっては面白いコンテンツだと思いますが、タイムライン上で色んな企画やキャンペーンとゴチャゴチャになって分かりづらいのが残念。

一覧で見れるインスタで、ウォールで真ん中に来る投稿を必ず1日1スティックにするとか、ストーリーにあげつつハイライトに追加していく・・・とかの方が、ユーザー的には見落としも無く、インスタのウォールに統一感も出せて良いのではないでしょうかねぇ。

・Twitter

投稿頻度:ほぼ毎日?

内容:ものすごい勢いでアーティストのツイートをRTしている。

ミュージシャンって自分の機材大好きだから、自社製品を勝手に載せてくれるのでそれをRTしていれば何となく成立しちゃってるという感じ。

抱えているアーティストの有名度もなかなかなので・・・(LUNA SEA真矢さん、ラルクyukihiroさん等。若手ロックドラマー等も多いです。)

Twitter限定でのキャンペーンの訴求等ももちろんあります。

フォロワー:2万。2010年からやってるアカウントだし、これだけアーティストの投稿をRTしていて、元々の知名度があればこのくらいは行くでしょう。10年やってるし。。。

紅白でも話題のあのバンドのドラマーも使っている!「TAMA(星野楽器)」

TAMAは1908年創業の「星野楽器」という楽器メーカーが有するドラムメーカーです。ギターブランドのIbanezも、星野楽器のブランドです。

最近では、2019年の紅白歌合戦にも出場し話題のバンド、King Gnuの「勢喜 遊」さんもエンドース契約をし、使用しているドラムメーカーです。

〇TAMAが運用しているSNS(Instagram/Facebook/Twitter)

・Instagram

更新頻度:月に4〜5回

内容:アーティスト担当の人が撮影したと思われる画像が多く、自社YouTubeチャンネルの動画もアリ。広告クリエイティブもたまーにあるようです。昔は英語のみで投稿していたようですが・・・そんなに気取る必要はないですよね。

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ウォールの統一感も、出ていないですね。もっとオシャレにできそうなのに・・・

ストーリーハイライト:なし。勿体ない。。。

フォロワー:2.3万

・Facebook

更新頻度:月に12回ほど?

内容:インスタと共用のクリエイティブや新商品紹介の投稿もあるが、海外TAMAのYouTubeチャンネルの動画や、他メーカー(例えばシンバルメーカーのZildjian)のYouTube動画で自社エンドーサーが出演していた場合、その動画のシェアもあり。

Twitterと兼用で、ライヴに足を運んだ際にキャッチしたドラムセットの画像も多め。ユーザー的には、コレが一番嬉しいのです!!!しかもTAMAの場合、担当の方がかなり細かい部分まで写真を撮ってきてくれているので、ユーザーは自身のセッティングの参考にすることができます。

こちらが投稿の一例です。本当に細かいところまで撮影されているので、どんなパーツを用いてセッティングしているのかがとても分かりやすいです。

フォロワー:20000人ちょい

・Twitter

インスタやFBと同じクリエイティブを使用。ほぼそれ。

だけど、アーティストのライヴ現場に行ってドラムセットの写真を載せるというのはTwitterの方が多めになっています。何度も言いますが、これが一番大事。

工場でのドラム塗装シーンの投稿がありますが、これは良いですね。エンゲージ高そう。

やっぱり、自分たちにとっての日常であっても、ユーザーからしてみたら特別な世界というか・・・普段見れない場所、特に職人芸が存分に披露されている場所というのは感動を生むと思いますし、SNSで言うとシェアも多くなるでしょう。

フォロワー:13.3万人。2009年から運用でこの数字。何か上手くフォロワーを増やせている時期があるのかも・・・?

基本アーティストのドラムセット写真のクオリティの高さや細かさがこのフォロワー数に繋がっているのではないかと思います。

あと、これはTAMAのYouTubeチャンネルでやっていることですが、ライヴのサウンドチェック時の動画が公開されています。僕も毎回楽しみなコンテンツです。

これもユーザーにとってとても嬉しいコンテンツなので、この辺りのシェアが地味に効くのかもしれません。

余談ですが、最近の若い有名なバンドはTAMA使用率が高くなってきているような気がします・・・数年前からですが、[ALEXANDROS]、最近だとKing Gnu・・・その辺りのドラマーをエンドーサーとすることに力を入れているのでしょうかねぇ。

誰でも知っている楽器メーカー!?「YAMAHA」

はい。最早このメーカーは、楽器をやったこと無い人でも知っているでしょう。YAMAHAです!

YAMAHAもドラムを作っています!

超余談ですが、僕が初めて手に入れたスネアドラムとキックペダルが、YAMAHAの物でした。

〇YAMAHAが運用しているSNS(Twitter)

・Twitter

更新頻度:数日に1度。イベントに行った日は多め。

内容:アーティストのツイートをRTすることも多いですが、実際に担当者がイベントへ足を運んだ際の投稿が多くなっています。これはTAMAに引き続き嬉しいポイントです。

フォロワー:5,200人

このように、実際に担当者がライヴに足を運んだ際には、アーティストに密着したような投稿もあります。これはファンにとっては嬉しいですね。

上記のような製品情報もありますが、広告クリエイティブの文言を利用するだけでなく、しっかり中の人自身の言葉で伝えようとしていることが感じられます。今回紹介した3社の中で、一番"人感"を感じるアカウントと言えます。

製品に関する豆知識(品番の読み方とか)もあって、これは、まだあまりYAMAHAの製品に関して知らない人にとっても嬉しいコンテンツです。

日付を絡めた投稿も、人感が増しますね。

InstagramとFacebookはおそらくやっていない・・・かな?

たくさんのSNSを運用して手が回らなくなるより、一点集中でやるのもアリだと思います。

もし自分がドラムメーカーのSNS責任者だったら?

はい。マーケティングトレースの醍醐味とも言える、自分が責任者だったらどうするか、というお話です。(本来はCMOだったら、になる部分。)

各社共に、アーティストが投稿したコンテンツのシェアであったり、実際にイベントやライヴに行ったときのことを投稿することが多かったですが、非常に残念に思う点がありまして・・・

やはり、各SNSごとの役割や性質が全く理解されていないことが残念です。

各SNSに対してどのようなKPIを置くか、というところの設計から甘々だなぁとも思います。

今回は仮に、各SNSで購買意欲を搔き立て、販売につなげるという事を意識した運用にした場合を考えてみます。

①Instagramでのキャンペーン訴求を止める

正直、キャンペーンの訴求をインスタの投稿でやる必要はないんじゃないでしょうか。その投稿がウォールの景観を損ねています。笑

やるなら、ストーリーでやる、とかで充分です。

新商品の紹介も、カタログ画像をそのまま使うのはナンセンス。雑誌広告用に作ったと思われるクリエイティブを使うのも無し。

とにかくドラムセットの画像と、そのドラムがどんなスペックなのか、そしてどんなハードウェアを使ってセッティングされているのか。それをテキストとして書いて投稿します。

ハッシュタグも少なすぎるし、もっと"タグる"ユーザーの事を考えたほうが良いと思うので、若いドラマーたちがどんなタグで検索しているのかを徹底的に研究し、PDCAを回して行きます。

あと、ストーリーをもっと活用しますね。

Pearlは過去に運用されていた形跡がありますが、キャンペーン情報をまとめて置くとか、1日1スティックというコンテンツをまとめておくとか、プロフィールページに訪れたユーザーを楽しませたり、「ああ~こんなキャンペーンもやってたんだ!見逃さないようにフォローしておこう!」と思ってもらうための設計をしたいところです。

②Twitterのリツイート祭りは止める

担当者が外に出なければ、コンテンツが集まらない。それは何となく分かります。

でも、だからと言ってアーティストのツイートをRTしているだけで良いのでしょうか。

せめて引用リツイートにするとか、"中の人の言葉"が欲しいところです。

その点で言うと、YAMAHAの運用は非常にTwitterっぽくて良いのではないかと思いますが、YAMAHAは投稿数が少ないですね。

なので僕なら、投稿数を1日5以上とし、自分の言葉で書く投稿を増やします。多分これ超簡単です。アーティストとの接点も増えるし。

③Facebookで読み物系コンテンツをやってみる

Facebookは、比較的年齢層が高いユーザーが多いSNSですし、テキストが長くなっても読んでもらえるSNSだと思います。

なので、製品にまつわるエピソードとか、過去製品のエピソードとか、そういった読み物を増やします。

ああ昔懐かしい!というエモい気分になってもらって、大人になってからも音楽を楽しむユーザーに楽器を届けることが目的です。

④アーティストにコンテンツの提供を呼び掛ける

最後にコレ。超簡単だし超大事だしめっちゃ良いと思います。

前述の通り、大抵のアーティスト・ミュージシャンは"自分の機材が大好き"です。

なので、必ずと言って良いほど、自分の機材の写真を撮るのです。僕も撮ります。そしてその画像で何杯でも飯が食えます。笑

というわけで、アーティスト担当の方にお願いし、各アーティストからライヴやイベント、ツアーごとに機材の画像を頂きます。

画像の撮り方にはある程度ルールを設ける必要はありそうですが、スクエアで撮っておいてもらって画像加工はコチラでやれば、アーティスト側への負担はほぼなく、統一感も出せるでしょう。

使用しているハードウェアや、セッティングの仕方の拘りなど一言添えて貰えれば、コンテンツとしてそれだけで成立します。

こちらも前述の通り、ユーザーとしては好きなアーティストが"どんな機材やパーツを使ってどういう風にセッティングをしているのか"という事に興味深々なのです。

別に好きじゃないドラマーでも、ドラムセットのセッティングがカッコイイから興味がある、みたいなパターンもあるのです。笑

もう、これが集まるだけで相当な最強コンテンツだと思いますよ。

アーティスト側も、露出を増やしたいものなので、メーカーのSNSに載るのであれば積極的に協力してくれるはずです。

まとめ

というわけで!日本の主要3メーカーのSNS分析~マーケティングトレースをしてみましたがいかがでしたか?

楽器って、そもそもメーカーから直で買うことは無く、楽器屋さんや楽器屋さんのECサイトで買うことが殆どなので、定期的にどこで知ってどうして買おうと思ったか、という調査を行うことも重要・課題となるでしょう。そうしないと、SNSでの反響が分かりづらいと思います。

さてさて、このnoteが楽器メーカーのSNS担当者に届いて、施策として採用してもらえたらめっちゃ嬉しいですね。笑

さて、今回はSNSの分析でしたが、今年は楽器メーカーのYouTube分析やその他のマーケティングについてもマーケティングトレースしていきます!

興味があれば是非、僕のnoteアカウントをフォローして頂きチェックしておいて貰えると嬉しいです!

それでは、また。

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