自信家の矜持
自信があるというのは、強烈な武器かもしれません。
見栄ではなく、心の底から自分を信じている人のことを、「自信がある人」と言うのだと思います。
このnoteでは、これまで出会ってきた男の中で、とびきりの自信家だったK君との思い出について書いていきます。
私が高校1年生の時です。
地元の公立中学から私立高校に進学した私は、皆の考え方の多様性に驚きました。
中学のときはスクールカーストが完全にできあがっていましたが、高校では陽キャだろうが、オタクだろうが、お互いを尊重していました。
ちなみに、私は第三勢力を気取っていました。
スタバがサードプレイスと言うのなら、私はサードフォースです。
何を言ってるんだと思われたでしょう?
私も自分で何を言っているか分かりません。
話を戻します。
K君はオタクグループのカリスマでした。
第三勢力を気取っていた私ですが、K君とはそれなりに仲良くしていました。
彼の自信満々ぶりがとても面白かったからです。
ある日、彼はこんなことを言いました。
「ルックスで言えば、クラスで俺は3位以内と思うんやけど、どう思う?」
私は思わず「下から?」と言いそうになりましたが、こらえました。
彼は動物で例えると、ウシガエルに似ていました。
そんなことを言うと、嫌われるかもしれません。
私は「そうなんかもしれんな!!」と、普段より1オクターブ高い声で答えました。
K君は満足そうでした。
こんなこともありました。
「勉強、スポーツ、恋愛の全てを、そつなくこなせる俺って何なんやろ?」
私は「ウシガエルじゃないかな?」と思いましたが、黙っていました。
そんなことを言うと、嫌われるかもしれません。
「バキバキの童貞が何を言うてんねん!」
とツッコんでしまったので、同じことかもしれませんが。
K君との間に不穏な空気が流れましたが、何とかごまかしました。
そして、K君との最後のエピソードです。
彼には、クラスに好きな女の子がいました。
彼は言います。
「俺の彼女にふさわしいのは、Cちゃんだけや。女性から告白させるのは忍びないし、今日の放課後に俺からいくわ。」
私は驚きました。
Cちゃんには、中学生時代からの彼氏がいたはずです。
私はCちゃんとそれなりに仲が良かったので、彼氏とのラブラブ具合も知っていました。
その情報を知らないのか?それとも、知っていてアタックするのか?
今でもこの答えは分かりませんが、K君の中では両思いという確信があるようでした。
次の日の朝、Cちゃんからこんなことを聞きました。
「昨日、K君に告白されてフッたんだけど、告白したことは誰にも言わんといて欲しいって言われた笑」
Kよ、女の子が黙っているわけないだろ。
次の日には、皆知っていたぞ。
もう既に結果は知っていましたが、K君がどう捉えたのかを知りたかったので、事の顛末を聞いてみることにしました。
彼はこう言っていました。
「何かちゃうかってんなあ。俺に見合うと思ったんは勘違いやったわ。」
ストレートにフラれたにも関わらず、この開き直りを見せるK君のメンタルに私は脱帽しました。
いかなる時も自信家のK君。
彼のような男が大事を成すのかもしれません。
久しぶりに彼のLINEを見てみると、女優のポスターにキスしている写真をトプ画にしていました。
現場からは以上です。
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