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お風呂について

お風呂から上がったその刹那に少し寒さを感じ季節の変わり目だと気づかされる。

年々観測史上最高を連呼している日本のいかれきった夏はやっと南半球へとのそのそと向かい始めた。

そこで生粋きっすいの日本人心が躍り出してしまう。

寒くなるとなった分だけお風呂の温かみが増す。

長年の、とはいってもたったの21年だが、

経験から身をもってそれを知っている。

どんなにつらかった日でも、遊び疲れた日でもいつでもお風呂は変わらずそこにあって無条件に僕らを温めてくれる。

ただ体の汚れを落とす場所ではなくて心のわだかまりもじわりと温めて解いてくれる。

ずっともやもやしてたこともお風呂に浸かってしまえばなんだかちっぽけなことに思えてくるし、

すごい大失恋をして心がキリキリ痛む時は暖かさで満たしてくれる。

服を脱いで一緒に心の重荷も脱衣所に置いてしまって、

まっさらな気持ちでゆっくりと体にお湯をかけていく。

すると体の細胞が広がっていくような感じがして、

ふうっと幸せのため息が出る。

体をいたわるように頭、顔、体を優しく洗って洗い流す。

そして足先からゆっくり湯船につかっていく。

肩までつかるともう何も怖いものなんてない。

包み込まれるように身を任せ、

ぼうっと、ただひたすらぼうっとする。

何も難しいことは考えなくていい。

ただ一日を振り返って、自分を労わってあげる。

忙しい僕たちはそんな時間がなかなか取れなくて、

ふと我に返ると最近何してたか、

自分は何がしたいのか、何が何だか分からなく時がある。

そんな時はお風呂に少し長く浸かって見つめなおす。

そんなちっぽけな習慣が案外人生を生きやすくする。

さあお風呂が待っている。

今日も一日頑張って、至福の時を過ごそう。

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