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母と

久しぶりにお母さんと買い物に来た。

朝から、ひとりじゃなかなか行けないから、と流行のカフェに連れていかれる。

つやつや光るフルーツがたっぷり乗ったタルトを楽しそうにフォークでつついて、話は、昔買ったバッグのこと。

結婚もする前に、お給料を丸々1か月分もはたいて買ったバッグがいかに可愛くて、その後の食事がいかに質素だったかを力説中。

自分の生活と照らし合わせて、そう変わらないなと可笑しくなる。

こどもの頃は”お母さん”ていう生き物だとおもってたけど、どうやら違うみたい。最近になってようやく気が付いた。

わたしだって小さい頃は今の年齢になれば、もっとずっとオトナで、悩みなんかも無くなるとおもってたけど、いくつになっても中身は全然オトナにならないし、仕様も無いことばっかりぐるぐると考えてる。

スカーフ、いいね、と自分のスカーフを選び出して、色が柄がと鏡の前でああでもないこうでもないと悩んでいるお母さんに付き合う。

まだまだずーっと、今のお母さんみたいな歳になっても、オトナのフリをしながら、 可愛いものを愛したり、くだらないことに悩んだり、そうやってめいいっぱいで生きていくのかも。私は。

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