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AppliQuéサイトのローンチ

体当たりNPO運営記(26)2017年10月記
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今年の9月は本当に忙しかったです。年中忙しいんでしょ!ってツッコミが聞こえてきそうですが、それにしても忙しさのピークってあるんだな、と思いました。なぜかというと、補助金の中間決算、次年度の申請、行政と一緒におこなう企画の立案……など、通常業務の上にさらにゴツいものが乗っかってきたからです。次に12月末から2月上旬まで、そして3月下旬から4月いっぱいまでが、次のピークです。
1年単位ではなく、2-3年先を見据えて事業を計画していくので、事務局内での議論も白熱しました。わたしとあっこちゃんのやりとりにハラハラしたスタッフもいるのではないでしょうか……(笑)。でも、「森ノオトが何を目指したいのか」というところから目をそらさずに、お互いを尊重しあい、納得いくまで話し合うことのできるチームであることで、組織の幹が太くなっている実感があります。

森ノオトは、組織を「木」と「森」にたとえています。NPOを立ち上げる前の2012年に、こんな絵を描きました。
(1)2009年11月から2012年までの3年とちょっとは、種まき、土壌づくり。(どんぐり1つの絵)
(2)NPOをつくってからの3年、2013年から2015年は、仕組みづくり・組織づくり。(どんぐりから芽が出てきている絵)
(3)2016年から2018年は人づくり・場所づくり。拠点をもって成長する。(どんぐりが木になって幹を太くしている絵)
(4)森のように自由に循環していく2019年から2021年。森づくり。(木が3本になり森になり生態系が生まれている絵)

直感的に描いた絵なのですが、まさに今の森ノオトを体現しているようで、自分でも驚いています。

わたし自身は会社員として働いていたのは2社で合計5年半。28歳になる時に出版社を退職して以降、フリーランスのライター/エディターとして過ごしてきました。チームの中で役割を持ってリーダーシップを発揮することはあっても、大きな組織の中で上司やリーダーになった経験がなく、今のNPO経営もまさに体当たりでやっています(だから、自分の立ち位置を確認するために思考を文章で整理し、NPO会員さんに共有しようとして、毎回皆さんにこうした長文メールが届くわけですよ……)。
フリーランスは仕事に1本に対して対価を得るので、長時間かけてダラダラ仕事をするよりも、短期間でなるべく効率的に動いて、たくさん仕事を取る方がもうかります。だから自ずと瞬発力+ハンター能力+スケジュール管理能力が磨かれて、プロジェクトに応じて人が離合集散し、後腐れがないし、手離れがよいので、とても気楽に仕事ができます。クライアント仕事で稼いで、ある程度余裕をもてば自分の時間を費やして追求したいテーマで取材もできますし、いろんな意味でストレスは無縁でした。

当初は、森ノオトもフリーランスの集合体でよいと思っていました。わたしは常日頃、「得意な人の1時間の方が、苦手な人の10時間より、パフォーマンスもクオリティも高くなる」と言っているので、みんなの「好きとスキル」を持ち寄れば、自ずとよいものになるのだろうと思っていました。

しかし、森ノオトに関わる人が増え、クリエイティブなどの依頼案件も増えてくると、「好きとスキル」を持ち寄るだけでは組織が成り立たなくなってしまいました。膨大な事務量を抱え必要な書類を整える、関わる人が動きやすく迷わなくなるように情報の交通整理をするマネジメント、お金の出入りをきちんと精査し、こうした作業が「好き」で「やりたい」という人は、そうそうにいません。サークルやボランティアの市民活動では、お金を大きく動かすことはない(あるいは前例踏襲)ので、会計などは持ち回りで済むかもしれません。しかし、「組織のミッションを広く伝えて社会を変えたい」という気持ちを持つ限りは、拡大していくことは不可欠で、柔軟に変化しながらも整合性をつけていく必要があるし、「事務」がきちんとしていなければ対外的な仕事もできず、組織としての存続もできないないのが実情です(NPOは毎年事業報告書等の提出が義務付けられています)。

2013年から2014年までは、「事務局」の仕事はほぼわたし一人でおこなっていましたが完全にパンク。2015年に事務局を設け、最初の一年は右往左往しながら役割分担をしたものの、どこかフリーランスの延長線上にあったのも事実です。2015年末に書いたセブン-イレブン記念財団の環境絵NPO組織基盤強化助成に採択され、2016年4月に森ノオト初の常勤スタッフ・梶田あゆみさんを雇用しました。そこから、事務局が機能するようになりました。「個人が持てる時間を持ち寄る」のではなく「常にそこで勤めてい」人がいる」状態であるということが、組織という木の幹を太くしていくのに欠かせなかったのだと、はじめてわかりました。

そんなあゆみさんもこの10月末をもって第二子出産のために産休に入ります。元新聞記者という確たるキャリアを持ち、森ノオトのメディア運営において時に情にほだされ迷うことのあるわたしにとって、道標のような存在でした。そして、ファクトリー事業立ち上げという、大海にぽんと小さなカヌーで漕ぎいでるような航海を任され、おそらく死に物狂いで働いてきたこの1年半。後任スタッフの引き継ぎに際し、あらためて事業立ち上げの時の企画書を見直してみると、あゆみちゃんは当時描いたことのほとんどを実現していて、本当にすごいなあ、と思いました。

さて、あゆみさんがつくった森ノオト2本目のウェブサイト「AppliQué」のオフィシャルサイトはこちらです。「布の循環する暮らし」をテーマに、モノにまつわるストーリーをつむいでいきます。こちらもぜひ楽しみにしていてくださいね!

http://applique.morinooto.jp

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