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森ノハナレ、シェアオフィス化計画。

「仕事ができないシェアオフィス」という、とんでもないキャッチコピーを引っさげて、森ノオトがシェアオフィス事業に動き出すことになった。

なかまたちでDIYした森ノハナレという、新しい拠点が大好きだ。そこで生まれるモノコト、可能性をもっと拡げたい。わたしたちだけでやるのではなく、志を共有するなかまたちと仕事を拡張していきたい。そのためにはシェアオフィスという形が自然なのだろう、という短絡的な発想だ。

ところで、シェアオフィスには、どんな機能を求めるのか? わたし自身はシェアオフィスというかコワーキングスペースの住人だ。関内にあるマスマス関内フューチャーセンターに1席おいている。森ノオトの関内拠点とも言えるこの場所では、社会起業や組織基盤強化の講座でたいへんお世話になった。そして、そこに集う起業家や運営者に惹かれ、ローカルメディア事業を始めるにあたり、コワーキング登録したのだ。費用対効果のメリットは織り込み済みだ。イベントスペースが半額になる。運営者は事業を全力応援してくれる。時に仕事を一緒に生み出す仲間になる。集う起業家どうし顔見知りが増えていく。

わたしがマスマスに行く時は、ローカルメディア事業の打ち合わせやイベント実施時、そして横浜市役所など関内方面の打ち合わせの隙間時間に集中して仕事する時だ。そこで仕事をするためだけに行くことは、ほとんどない。関内でノマドでカフェを渡り歩くよりも、Wi-Fiや複合機があって、コーヒーを飲めて、時に人と挨拶を交わせる環境に魅力を感じている。

さて、森ノハナレには、マスマスのような機能はない。まだ、テーブルも椅子も、ない。あるのは座卓、ちゃぶ台、座布団。冷蔵庫やガス台がついたキッチンはある。幸いなことに前面棟の森ノオウチからWi-Fiの電波は届くから、ハナレでパソコンを広げて仕事はできる。いつの間にか良書が選書された文庫ができていて、桶にお櫃に花瓶などステキ小物がそろってきた。森ノオトではたらくメンバーが、この場が居心地がよくなるようにと、それぞれが自宅から道具を持ち寄り、あるいはほしいものを寄付し、愛着もって場をととのえている。それから、AppliQuéの商品がど〜んと1Fに鎮座している。ハナレに訪れる人はいつもAppliQuéの世界にふれる。すでに20人くらい集まってのパーティーが二度開かれ、料理教室なども実施された。

3年半前に森ノオウチに引っ越してきた時には、まさかこんな風になるなんて、思ってもみなかった。確実に言えるのは、この場にきたから、いろんなことが広がっていった。オウチの1Fで人が集まったり、2Fの事務所で人が働いて、そこからモノやコトがうまれていった。はたらく、といういとなみが日常になっていった。
そうして、ハナレができて、今度は「衣食住」すべてが満足できる場になった。だから、「はたらく」をしっかり耕していこう、というわけだ。

ただ、森ノオトではたらく人をこれ以上増やすことはできない。いまのわたしがコミュニケーションをとれる人数の限界もあるし、それはスタッフどうしも同じことだと思う。それよりも、プロジェクトベースで一緒にはたらける、フリーランスの集合体になるのがいい。組織にとって、プロジェクト以外の事務や経理を担う事務局は重要だ。いまそこがしっかりしてきているから、フリーランスの人たちが都度集まって様々なプロジェクトを回す土壌がようやくできつつある、とも言える。

できれば、一緒にはたらく人は、近しい人がいい。すぐに会って打ち合わせできること。1日の起点になること。あるいは打ち合わせ後そのまま家族のもとへ帰れること。戦闘モードを切り替えて、満員電車に揺られてそこから1時間、だと疲弊する。職住近接のよさはわたし自身がとてもよく知っている。

森ノオウチシェアオフィス化計画が始動したのは5月下旬。森ノハナレをDIYしている時に、「完成したはいいけれど、さあ、どうやって運用しよう……?」と考えた時に、真っ先に相談したのがPlan-Aの相澤毅さん。昨年青葉台に居を移したばかりの彼は、不動産系コンサルとしてちょうど独立したばかりのタイミングで、超絶忙しいなか家族との時間も大切にしたいと思っている。何より持続可能社会をデベロッパーの立場でつくろうと本気でもがいているクレイジーさが、同じ穴のムジナ的な親近感。収益があまり見込めないけれども「郊外での新しい暮らしと働き方のモデルになる可能性が高い」と、本気でコンサルしてくれる。緻密で真面目なのがまた頼りになる。

6月にDIYがほぼ終わり、試行錯誤で人を入れながら運用を始めてみると、おもしろいくらいに森ノハナレに来る人が増えた。6月22日には命名パーティーをして、NPO会員に「拠点の名付けに関わってもらう」という機会をつくった。ゆる〜くテキトーで楽しい会だったけど、「意思決定のプロセスに、なるべく多くの人に関わってもらう」という森ノオトの本気をここで出した。「森ノハナレ」という、ステキな名前が、ここから生まれた。

次につくるのは、はたらき方と仕事なのだ。業、なりわいだ。仕事をするのが目的なのではない。こんな未来をはぐくみたいと、世の中ちょっとおかしかったり息苦しいことを、愉快で調和したものにするためにはたらくのだ。森ノオトだけでがむしゃらに仕事を生み出す必要はない。同じ志をもった人たちと、得意分野を持ち寄りながら、それこそ自然エネルギー100%で、ごみがでない、クリエイティブな暮らしをつくりたいのだ。いま、環境もそれを求めていて、たくさんサインを出している。それに気づける人たちの力を借りながら、まずはわたしたちが暮らす「半径15分」をゆたかにしたいと思う。

シェアオフィス化計画が立ち上がってからの2ヶ月間、事務局の中では右往左往、話も行きつ戻りつ、確実に前に進んではいるんだけど、どうしても従来の顧客の顔がちらつき、「無理じゃないかな」という気持ちがもたげてくる。だからもう一度、事務局5人で膝を突き合わせて、みっちり3時間話をした。わたしなりにこうしたい、という思いがあるが、わたしは「わたしたちは、かくありたい」をスタッフ全員で共有し、それぞれが一人称で森ノオトとこの場を話せるようにならなければ、やる意味がないと思っている。全員納得いくまでは、何度でも話し合いを繰り返す覚悟で、今日のミーティングにのぞんだ。

森ノハナレができることによる、森ノオトの強み。そこからうみだされる事業。なんだよあっさり、「衣食住+はたらく。新しい生活圏をつくります」というキャッチフレーズがでてきた。森ノオトの価値は、衣食住。AppliQuéがある。ほしい布モノ、すぐにつくれる。地産地消のスーパースターたちに囲まれていて、おいしいものをつくれる人もまわりにたくさん。DIY助けてくれる工務店さんもいれば省エネや断熱にも詳しいし、駅から遠いけれどもおいしい飲食店が多くて自然豊かで里山環境が近すぎる郊外住宅地のよさがある。その価値は、駅近にはないし、もちろん都心にもない。

仕事ができないのはなぜ?
それは、日々スタッフが感じていること。いつも誰かがきていて、おもしろいことが沸き起こっている。ハナレにいけばできたてほやほやの素敵な布モノたちが次々にあらわれる。人と出会えて、おいしいものが集まってきて、自分がほしいと望めばなんだってつくれる柔軟な場なのだ。畑があって、コンポストも雨水タンクや太陽光パネル、ソーラークッカーだってある。だから、机のうえでパソコンとにらめっこしているだけじゃ、もったいない。人と話して、感性ひらいて、アンテナ立てて、一緒につくろう。何かを求めて来れば、きっと向こうからやってくる。そんな場なのだ、森ノオウチは。

森ノオトが気になる人、一緒に仕事をつくろう。
そんな人と森ノオウチをシェアしたい。シェアハウス会員は月額制でカギもって、わたしたち事務局がほしいものを、どんどん共有しましょう。シェアランチ、野菜の宅配、ハナレで飲むおいしいコーヒー、その環境、つくります。時々、みんなで夕飯も食べよう。

時々、一緒に集ったり、なかまでいたい人は、森ノオトのファンコミュニティ「森のなかま」へようこそ。わたしたちがいるときに遊びに来るのはOK。

**よければぜひ、森ノオトを寄付で支えるなかまになってください**
https://donate.morinooto.jp


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