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東西の文化のちがい【肉、電気、玉子料理編】

結論

  • 東日本は豚肉、西日本は牛肉、九州は鶏肉の消費が特に多い。

  • 明治時代に最初に導入した発電設備のちがいが、日本の東西で電力の周波数のちがいを生んだ。

  • 玉子料理も天津飯、玉子焼は東西でちがいが見られる。


2月4日は西の日。2023年は、JR最西端の駅がある佐世保市について話しました。

2024年の西の日は、東西文化のちがいについて話します。2023年10月、縄文時代から始まった東西のちがいが見られることを紹介しましたので、この記事を読む前に、ぜひお読みください。

今回は、続編で、東西でよく食べられているお肉、東西で異なる電力の周波数、玉子料理について解説します。

1.主に食べている肉の違い

主に食べられているお肉は、東西で異なります。東日本は豚肉、西日本は牛肉、九州地方は鶏肉の消費が特に多いです。

みなさんのカレー、肉じゃがに入れる肉何でしょうか?コメントで教えていただけると嬉しいです。

東日本は豚肉の消費が多い

豚肉は中国やヨーロッパでイノシシが家畜され、弥生時代に日本に伝わりました。東日本で豚肉がさかんに食べられるようになった理由は、東京が当時、世界有数の人口を抱える都市。牛は1年に1頭産み、2年半かけてじっくりと育てられます。一方、豚は1年で20~30頭産み、半年程度で出荷できます。

さらに、牛よりも狭い土地で飼育でき、雑食のため、なんでも食べます。

東京は江戸時代には世界有数の人口を抱える大都市になっていました。大都市では、食糧が必要である一方、残飯も増えます。ふん尿を肥料として使えるだけではなく、豚は残飯を食べるため、都合の良い家畜でした。

東京銀座にある煉瓦亭では、カツレツが開発されるなど、豚肉料理も次々と誕生しました。

さらに、日清、日露戦争のときに、食糧として牛肉の缶詰が戦地に送られ牛肉不足になり、関東で豚肉が広まりました。

西日本は牛肉の消費が多い

関西地方を中心に、西日本で牛肉の消費量が多いです。西日本で、牛肉が手に入りやすかった理由は、農業の作業のために飼育されていた牛が肉用に転換させたから。

日本三大和牛と呼ばれる松阪牛、近江牛、神戸ビーフは、全て近畿地方で飼育されています。日本三大和牛について、詳しくは、こちらの記事をお読みください。

九州は鶏肉の消費が多い

鶏肉は九州地方で特に良く食べられます。NHKによると、大分県が一番鶏肉にお金をかけています。福岡県は3位、宮崎県は4位です。開いた状態が、柏の葉に見えたことから、西日本では、鶏肉のことを「かしわ」と呼ばれるようになりました。鶏肉はチベット仏教を信仰されている方、ビーガンの方を除くと、ほとんどの宗教でタブー視されてなく、世界で一番食べられている肉です。

大分県では、唐揚げ、とり天、かしわ飯など、福岡県では、水炊き、がめ煮(筑前煮)など、宮崎県では、炭焼き、チキン南蛮、鳥刺しなど鶏肉を使ったご当地グルメも揃います。

室町時代、カステラなど卵を使った南蛮菓子がポルトガルから平戸や長崎に伝えられました。さらに、卵は生き物ではないから食べられるという考えが広まり、鶏卵を食べる人が急増しました。卵を産まなくなった鶏の肉も食べられていました。

福岡藩は、長崎の警備に命じられており、長崎を通じて海外からの文献を手に入れやすく、玉子素麺など独自の南蛮菓子も誕生しました。江戸時代、ききんに見舞われると、財政を建て直すために、養鶏を奨励しました。同時に、健康のために滋養のある鶏肉は必要という考えが広まっていました。

明治時代は、廃藩置県により失業した武士の仕事として推奨され、昭和に入って雌雄判別技術の向上により、肉用若鶏のオスの飼育が、行われるようになり、ひな鳥、若鶏も高級料理店を中心に食べられるようになりました。戦後、飼料不足により、鶏が激減しましたが、アメリカからブロイラーが導入され、現在の養鶏業の元になりました。

南九州では、鶏だけではなく、豚、牛の畜産も盛んです。鳥刺しが文化としてとらえられ、文化を守るために、行政が特例措置(鶏の生食の基準が条例で定められていて、条例を守ればお店で提供できます。スーパーでも鳥刺しを販売されています。しかし、家庭では、念のため鶏の生食は控えましょう。鶏肉を使ったすき焼きも食べられます。

東西で異なる肉料理

関東で肉は、牛肉、豚肉、鶏肉すべてを表します。しかし、関西では肉は、牛肉のみ指します。豚肉は「豚肉」、鶏肉は「かしわ」と読んでいます。そのため、肉まんも、関西では「豚まん」と呼んでいます。

現在、すき焼きは全国的に牛肉がメジャーですが、元々、関東では豚肉でした。ちなみに、すき焼きの作り方は、関東と関西で異なります。関西では焼いて食べるのに対して関東では割り下で煮て食べます。

肉じゃが、カレーライスに入れる肉は、西日本では牛肉、東日本では豚肉がメジャーです。東西で、作り方は大きく変わらず、身近にあった肉を加えました。

2.電力の周波数が異なる

日本は、先進国で唯一、電力の周波数が地域によって異なります。

糸魚川静岡構造線と富士川を基準として分けられており、糸魚川市から東京、東北電力と中部電力を結び、静岡県は富士川で分かれます。

東側(北海道電力、東北電力、東京電力管内)は50ヘルツ、西側(中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)は60ヘルツです。

新潟県では、佐渡島、糸魚川市、妙高市の一部は西と同じ60ヘルツに設定されています。静岡県は、富士川より東側の地域が東京電力、西側は中部電力で分かれています。富士宮市、富士市は電力会社が2つに分かれています。

糸魚川静岡構造線で分かれる長野県は、大町市の一部を除くと全域中部電力管内、山梨県は全域東京電力管内です。

現在では、両周波数に対応した製品が多いので気にしなくてもいいです。かつては、東日本と西日本で仕様が異なっていたため、電化製品を買うときは、どちらの周波数に対応しているか確認しなければなりませんでした。

なぜ、東西で異なる電力が誕生したか?

日本に電気が本格的に導入された明治時代、東京電燈と大阪電燈という2つの電力会社が誕生しました。

東京電燈は1896年、ドイツから50ヘルツの発電機を輸入、大阪電燈は1897年、アメリカから60ヘルツの発電機を輸入しました。

その発電機の違いによって120年ほど経った今でも、東西で違う周波数を生んでいます。

ただし、同じ東日本でも佐渡島は例外です。東京電燈が創業する前から、佐渡金山を開拓をするために、発電施設を建設していました。その発電施設が60ヘルツだったため、佐渡島全体は、そのまま60ヘルツになりました。

3.東西で異なる玉子料理

天津飯

天津飯も東西によって味付けが異なります。カニ玉は、広東料理の芙蓉蛋がモデルで、溶き卵にカニ、豚肉、刻みネギ、シイタケなどを入れて焼くオムレツみたいな料理です。

天津丼は日本で誕生しました。天津にはありません。20世紀前半、天津から日本へ卵が大量輸出されたため、天津丼と名付けられたと言われています(諸説あり)。

戦後、東京八重洲の来々軒、大阪馬場町の大正軒が偶然、同時期に誕生したと言われています。来々軒は、酢豚のあんをかけました。一方、大正軒は、素材の旨味を活かすため、醤油ベースのあんになりました。そのため、東日本では、ケチャップベースの酸っぱめのあん、西日本では醤油ベースの薄味のあんで分かれています。

卵焼き

現在は、卵焼き器は長方形が多いです。料理本でも長方形が基準です。

しかし、東京のかっぱ橋に行くと、正方形で蓋の付いている卵焼き器も販売されています。関東の卵焼きは、卵をたっぷり使い、カツオダシ、砂糖、濃口醤油も入れて甘く濃いめの味付けがされています。巻かずに焦げ目をつけて一度ひっくり返して焼きます。伊達巻に似ています。

関西では、コンブダシをたっぷり使い、薄口醤油で味付けします。色は淡く、焦げ目をつけずに柔らかく仕上げるため、何度も返して作ります。返しやすくするために、長方形になりました。

他にもダシの違いもありますが、それは、後日解説します。

参考文献

2017.2.17 日本経済新聞朝刊「お肉といえば西は牛、東は豚 農耕用の動物が違った東の馬、量少なく普及せず」

日本唐揚協会,(2019),からあげパーフェクトブック2020,凸版印刷

鈴木郁夫、赤羽孝之,(2007) . 新潟もの知り地理ブック . 新潟日報事業社.

地球の歩き方編集室,(2022),世界の中華料理図鑑 (地球の歩き方W),学研プラス

おかべたかし,(2016) ,くらべる東西, 東京出版.

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